TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

「サラリーマン悪党術」*須川栄三監督作品


監督:須川栄三
脚本:松木ひろし、須川栄三
音楽:山本直純
撮影:逢沢譲
出演:小沢昭一、団令子、弓惠子、長谷川照子、黒沢年男、田中邦衛、藤岡琢也、砂塚秀夫、石丸謙二郎、加藤武、天本英世、アイ高野、春川ますみ

☆☆☆ 1968年/東宝/91分

    ◇

 東宝には伝統的なサラリーマン映画があるのだが、本作は少し毛色がちがう。
 監督第2作の『野獣死すべし』で乾いたハードボイルド作風を見せつけた須川栄三監督が描くサリーマンは、所謂これも、一種のピカレスク・ロマン。シニカルなサラリーマン艶笑コメディの傑作であろう。


 広告代理店に勤める伊達秋男(小沢昭一)は、エリートコースを外れたサラリーマン。そんな彼の楽しみは女遊びで、コピーライターで才色兼備の妻・友子(団玲子)がいるにもかかわらず、大坂支社の19歳の里美(長谷川照子)を愛人にしている。大坂への出張費を浮かしたりして資金を調達する伊達だったが、会社に新しく導入された電子計算機のおかげで大坂へ行くのにも難儀する毎日。斯くなるうえは会社で競馬のノミ屋を開業して、その金で大坂の里美を東京に呼ぶことにした。
 そんななか伊達は、得意先の製薬会社の仕事を得るために社長の妾で芸妓の小まり(弓惠子)と関係を持ったために、小まりに惚れられてしまう。
 果たして、伊達は3人の女性との間で忙しくなる。小まりを満足させたあと、里美のアパートに寄り、明け方帰ってくれば妻の友子が迫ってくるのである。
 いくらなんでもこれでは身体が持たぬと、伊達は狭心症と偽った診断書をつくり、妻には夫婦生活禁止を宣言。そして、伊達の友人でCMディレクターの酒井(田中邦衛)は友子にご執心だ。
 ひょんな事から里美が酒井のカメラテスト受け、現場にいた友子と仲良くなった里子は伊達のアパートの隣に引っ越して来ることに。当然の如く友子に里美の存在を知られ、小まりとの関係も知られるはめになる。
 然して、小まりと別れると友子に誓う伊達。そして里美も、伊達の後輩で元全学連の野尻(黒沢年男)と結婚することになる……。

    ◇

 スケベで軽薄なキャラクターには絶妙な味を出す小沢昭一とクールな団令子の、少し不釣り合いな二人だが、どうしてこんなに綺麗な女房がいるのに他に女をつくるかね、と言っても男は真面目に生きるだけが人生じゃないって思っているからね。若い愛人も、色っぽい妾も、そりゃ欲しいでしょうよ。

 最後は愛人ふたりと別れ、美しい妻にはなんとか許してもらえるも、入院先の看護婦(春川ますみ)といい仲になる結末。オチは判っていても、スケベな小沢昭一と春川ますみのエロは見事な終息である。

 業界人ぶりがキマる田中邦衛や、真面目で堅物な黒ブチ眼鏡の黒沢年男や、普通のサラリーマン役の天本英世など、脇の出演者にも見どころあり。

 コンピュータではなく電子計算機であり、真っ赤なミニスカートにゴーゴー喫茶……
 オープニングタイトルは前年にヒットしたフォーク・クルセダーズの「帰って来たヨッパライ」風テーマ曲と、当時流行のサイケデリック紋様。
 昭和元禄花盛りなのである。

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