TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

横須賀から大阪まで、寄ってらっしゃい竜童ブルーズ

 宇崎竜童の音楽活動40周年の今年、[宇崎竜童&御堂筋ブルースバンドwith野本有流]名義で『NOTHING BUT a BLUES BAND』と『海賊盤Ⅱ:BEAT OF SOUL』の2枚のアルバムが同時リリースされた。

 自主制作となる2枚のアルバムの販売はライヴ会場、いわゆる“手売りCD”だ。ほかに竜童サイトでの通販とamazonのみで手に入るのだが、芸能生活40年以上経つ宇崎竜童が、ダウンタウン・ブギウギ・バンドを結成した頃の「自分のやりたいことを、聴きたいひとだけに届ける」バンドスタイルに戻り活動を始めたようだ。

 宇崎竜童の35周年アルバム『ブルースで死にな~go to heaven by the blues』やライヴなどで共演してきた御堂筋ブルースバンドは、ヴォーカルの野本有流が宇崎ブルースへのリスペクトとして結成したバンドで、2006年頃から宇崎竜童がバンド活動するときは[宇崎竜童&御堂筋ブルースバンドwith野本有流]としてステージに立っている。先月もBlue Noteでライヴがあったのだが、ぼくは2010年の名古屋のライヴハウス「TOKUZO 」で見たのが最後。肌合いが良いのは「TOKUZO 」なので、7月の「TOKUZO 」ライヴにはまた出かけてみたい。

 さてアルバムだが、『NOTHING BUT a BLUES BAND』は“Bluesアルバム”、『海賊盤Ⅱ:BEAT OF SOUL』は“R&Bアルバム”と名打たれ、日本のメンフィスとも言えるブルーズの街・大阪でレコーディングされている。
 『NOTHING BUT a BLUES BAND』は全体にモノラルっぽい音の作り方で、なんの小細工もないライヴ感覚そのままの“一発録り”。
 『海賊盤Ⅱ:BEAT OF SOUL』は[沸騰ハラミホーンズ]というホーンセクションを加えたメンフィス・ソウルさながらのソウルフルなサウンドが心地よく、どちらもブルースをプリミティヴに伝えてくれる好盤である。

 2008年の2枚組アルバム『ブルースで死にな~go to heaven by the blues』での御堂筋ブルースバンドとの演奏曲は「沖縄ベイ・ブルース」「哀しみの河」「ええねん」「マッカーサーのサングラス」「ベースキャンプ・ブルース」だったので、今回はあらためて「沖縄ベイ・ブルース」と「マッカーサーのサングラス」がリメイクされている。
 

ryudo_nothing_but_a_bluesband_cd.jpg
NOTHING BUT a BLUES BAND/宇崎竜童&御堂筋ブルースバンドwith野本有流

01. アンタがいない
02. うらぶれた部屋で
03. スモーキン・ブギ
04. 横浜ホンキートンク・ブルース
05. 逝(Gone)
06. 夜光虫
07. マッカーサーのサングラス
08. ブルースで死にな
09. ノーギャランティ・ブルース
10. ロックンロール・ウィドウ
11. レイジレディー・ブルース
12. トラック・ドライヴィング・ブギ
13. HEY! BLUES
*Bonus Track
14. 竹田の子守唄・元歌

 「アンタがいない」「スモーキン・ブギ」「トラック・ドライヴィング・ブギ」と快調なブギやライヴのアンコール定番「ロックンロール・ウィドウ」と、「横浜ホンキートンク・ブルース」「マッカーサーのサングラス」「ブルースで死にな」のスローブルースなど毎度のセルフ・カヴァーではあるが、全体のライヴ演奏の流れがステージ前にいるような感覚で楽しめる。
 「横浜ホンキートンク・ブルース」の、“たとえばブルースなんか聞きたい夜は”の部分は今回エルモア・ジェームスの登場。いままでのカヴァーの中では、一番ゆったりとしてるんじゃないか。

 「ノーギャランティ・ブルース」は、実体験にあったギャラの不払いを面白く聞かせるトーキング・ブルース。御堂筋ブルース・バンドのギタリスト田中春之を織り込んだ「HEY! BLUES」も、B.B・キング風の語り具合がいい。

  しかし本盤での白眉は3分足らずの曲「逝(Gone)」だろう。

 He has gone!

  原田芳雄やジョー山中ら朋友たちへ、そして何より桑名正博への鎮魂歌だ。これぞブルーズ。



ryudo_BEATOFSOUL_cd.jpg
海賊盤Ⅱ:BEAT OF SOUL/宇崎竜童&御堂筋ブルースバンドwith野本有流

01. おまえの為のブルース・シンガー
02. 沖縄ベイ・ブルース
03. 住めば都
04. アダムな夜
05. スウィートホーム横須賀
06. B級パラダイス
07. OIRA JAPANESE BAND MAN 08. GOD BLESS TOKYO
09. 今日から他人
10. ちっちゃな時から
11. 侍BLOOD
12. イカサマジョニーのLove Song
13. シャブ・シャブ・パーティ
14. 生きてるうちが花なんだぜ

 35周年記念のベスト盤『BLOSSOM-35th』で初CD化された「住めば都」はスウィンギーに跳ね、「シャブ・シャブ・パーティ」はCDS化されているようだ。
 鈴木雅之の1995年のシングル「アダムな夜」はアダルトな歌謡ブルースの世界で、ソウルバラッドに仕上げた「今日から他人」とともに珠玉の作品。
 2010年に大西ユカリのアルバム用に作った「イカサマジョニーのLove Song」もソウル・ミュージックの本領を聴かせてくれる傑作である。

 『NOTHING BUT a BLUES BAND』の5曲目に応えるように本盤の5曲目に配置された「スウィートホーム横須賀」は、「生きてるうちが花なんだぜライヴ」前に逝ってしまった桑名正博の「スウィートホーム大阪」を「ヨコスカ」に替えたもの。桑名の生前からの約束があったらしい……泣けてくるではないか。
 そして浅川マキの初期の代表曲「ちっちゃな時から」の選曲には驚いた。ホーンセクションが効いた軽快さは、ライヴハウスで聴ければより愉しいい曲になりそうだ。


★「ブルースで死にな 」宇崎竜童★
★宇崎竜童、ブルーズ・ライヴ!2010★
★「やたら綺麗な満月」大西ユカリ★


スポンサーサイト

Post comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

trackbackURL:http://teaforone.blog4.fc2.com/tb.php/936-9f08ff2d