TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

「危いことなら銭になる」*中平康監督作品

DANGER PAWS_ps

DANGER PAWS
監督:中平康
原作:都筑道夫 「都筑道夫」
脚本: 池田一朗、山崎忠昭
撮影: 姫田真佐久
音楽: 伊部晴美
主題歌:「危いことなら銭になる」三宅光子
出演: 宍戸錠、浅丘ルリ子、長門裕之、草薙幸二郎、左卜全、武智豊子、野呂圭介、榎木兵衛、郷鍈治、平田大三郎、藤村有弘

☆☆☆ 1962年/日活/82分

    ◇

 “ヤバいことならゼニになる”

 モダニスト中平康が監督したクライム・コメディで、軽快でポップな色合いが実に愉しい。


 紙幣印刷用のスカシ入り和紙10億8000万円相当が、ギャングたちに強奪された。
 臨時ニュースを聞いてニヤリと笑ったのは、拳銃無敵の腕前ながらガラスを擦る音には全く弱い事件屋の“ガラスのジョー”こと近藤錠次(宍戸錠)、三流雑誌「週刊犯罪」の編集長で“計算尺の哲”と呼ばれる沖田哲三(長門裕之)、格闘技が得意の“ダンプの健”こと芹沢健(草薙幸二郎)の3人。彼らの目的はお互いを出し抜き、紙を盗んだ連中に贋幣の名人坂本老人(左卜全)をギャングに高く売りこむことだった。
 ところが肝心の名人をさらったのは、強奪犯の一味のビッグの修(郷鍈治)とポーカーフェイスの秀(平田大三郎)。ジョーと哲と健の3人は、それぞれにあの手この手を使って名人を奪還しようと悪戦苦闘する。

 ジョーが目をつけた共栄商会に乗りこんでみると、そこには秋山とも子(浅丘ルリ子)という若い美人が一人いるだけ。パリの柔道教師を夢みるとも子は大学に通うかたわら、このトンネル会社の電話番のアルバイトをしていたのだった。ひょんな拍子でジョーと行動をともにすることになるとも子だったが、ある日、ギャング仲間の管理人のあとをつけ、盗まれた和紙を積んだワゴン車を盗み出す事に成功。ギャングに一泡吹かせたと思いきや…………。


    ◇

 都筑道夫原作の作品は、東宝映画『100発100中』シリーズや小林旭の『俺にさわると危ないぜ』のように、エンターテインメントの愉しさとあか抜けたカッコ良さだろう。

 犯罪アクションコメディなので、ストーリーの無茶なところは俳優陣の会話と演技で目くらまし、4人がギャングたちと闘うクライマックスにエレベーターの高低を斬新に使ったり、ラストの偽札交換シーンの引きの画とか、画面転換もスピーディで、とにかくテンポがいい中平康監督のセンス!

 敵対しながらも友情をみせる3人の男と美女ひとりのパターンは、モンキーパンチの劇画「ルパン三世」連載前の映画ながら、池田一朗との共同脚本の山崎忠昭がアニメ『ルパン三世』第一話に携わったことに無関係ではないかも?

 “エースのジョー”ならぬ“ガラスのジョー”でセルフパロディに興じ、自らが所持する赤いメッサーシュミットを颯爽と駆る宍戸錠は粋でダンディ。
 長門裕之の気障ったらしや、左卜全のお惚けと武智豊子のガンマニアぶりなど、ナンセンスな笑いにもあふれるが、しかしこの映画の見ものは、おきゃんで愛らしい22歳の浅丘ルリ子のコメディエンヌとしての魅力である。
 ぽんぽんぽんと早口で捲し立てる威勢のよさと、柔道二段、合気道三段のキャラクターでダンプのあんちやん相手にアクションを見せたり、パンツ丸見えでひっくり返るお色気もあったりと、そりゃもう可愛いいったらありゃしない。ぞっこんになること間違いない。

 誰があなたを殺すのかしら 
 にぎやかなその街角で 冷たいナイフのひと突きで
 ある晴れた秋の朝 誰があなたを殺すのかしら

 谷川俊太郎作詞の主題歌を歌っているのは、当時は大橋巨泉夫人であったジャズ・ヴォーカリストのマーサ三宅である。


★俺にさわると危ないぜ★
★100発100中★

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