TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

「Encore」稲葉喜美子


Encore

01. 大人の算数
02. シンデレラ・ヴァージン
03. SHORT HOPE BLUES
04. 一日天使
05. 夢見る卵
06. 風の蕾
07. 夜汽車
08. パ・ドゥ・ドゥ
09. NO THANK YOU
10. 約束



 久々に 稲葉喜美子のアルバム数枚を聴いていた

 太く 掠れた声から発せられる

 傷ついたひと 寂しい女たちのうた

 通底するは BLUES

 そして 歌謡曲 艶歌

 冬の寒い日には、マリアの歌は心に響く



 1982年に1stアルバム『愛しき人へ』でデビューしたシンガー&ソング・ライター稲葉喜美子。
 横浜生まれの彼女。酒と煙草が大好きで、自らを“マリア”と呼び、少女時代は日の出町で唄うたいをしていたからなのか、彼女の歌の主人公には夜の女たちが多い。
 彼女自身、波乱万丈とまでは云わないかもしれないが、いろいろなことがあった御仁。ちょうど20年前、彼女は忽然と姿を消したのもまた、伝説か。

 この『Encore』は1990年4月にリリースされた。全7作あるオリジナルアルバムの、最後の作品になっている。

 ブレイクするに至らなかったけれど根強いファンを持っている“マリア”嬢は、再評価されてしかるべきだ。

   ☆    ☆    ☆

大人の算数
  酒場の女たち 薄灯りの中 身の上噺 いつも四捨五入

シンデレラ・ヴァージン
  午前零時 時計を真似て 重なり合えば夜は短い
  親切鏡 逆さ映し 現を夢に変えて シンデレラ


 幸せ求めていろんな男を渡り合う女のお伽噺……。

SHORT HOPE BLUES
  殻れついでの心 パズルの様に 繋ぎ合わせりゃ 風に飛ばされて
  拾い集める指の その先々で 堅気の女衆が 踏んで行く


 人には云えない、引け目を感じながら、生きていくために、男たちに甘い声と手招きをする女たちが、一番恐れるのは普通の女性たちの視線。

一日天使
  幸せそうなふりばかり 上手くなって
  はしゃいだ夜のツケでまた無口になる

  想い出なんて好きな様に 書き直せばいい
  躓き慣れて強くなれ 野良犬の様に


 もがいてもがいて、自分に魔法をかけて………。

夢見る卵
  憧れて憧れて いつか生まれ変われたら
  すこしだけ すこしだけ 今よりマシになれ


 内気な女が精一杯に殻を破って生まれ変わろうとしても………。

NO THANK YOU
  ずぶ濡れのままキャシーが逃げて来る 蒼醒めた唇 薄く血が滲む
  唸され続きの夢に追われて もうこれ以上遠くへは行けやしない

  嗚呼 流れ澱む河に棄てるには 軽過ぎる生命か答えてよ
  ……I'm sorry 勝手にするわ No Thank You


 中島みゆきの「エレーン」や「毒をんな」に登場する娼婦たちのように、異国の地で、開き直って生きるしかない女たちの叫びが生々しく……。


★愛しき人へ/稲葉喜美子★


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