TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

「007 スカイフォール」*サム・メンデス



007 SKYFALL
監督:サム・メンデス
脚本:ニール・パーヴィス&ロバート・ウェイド、ジョン・ローガン
音楽:トーマス・ニューマン
主題歌:「スカイフォール」アデル
出演:ダニエル・クレイグ、ハビエル・バルデム、レイフ・ファインズ、ナオミ・ハリス、ベレニス・マーロウ、アルバート・フィニー、ベン・ウィショー、ジュディ・デンチ

☆☆☆☆ 2012年/イギリス・アメリカ/143分

    ◇

 異色の〈007映画〉と言ってもいいんだろうね。まぁ、ダニエル・クレイグになってからはリアル“ジェームズ・ボンド”なわけだから、これまでの〈007〉とは違った方向性で製作されてきた帰結がコレになったことは納得できる。


 世界中のテロ組織に潜入捜査をしているNATO諜報部員たちのリストが盗まれる緊急事態が発生。“007”ことジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)はリストを取り戻すべくM(ジュディ・デンチ)の指示に従い、助手のイヴ(ナオミ・ハリス)とともに敵のエージェントを追い詰めていくが、イヴの誤射によってボンドは負傷、作戦は失敗に終る。MI6内でのMの立場が危うくなる中、今度はMI6本部が爆破される。
 一連の犯行は、Mへの復讐に駆られた元MI6の諜報員でMの腹心だったシルヴァ(ハビエル・バルデム)によるものだった。窮地に立たされたMの前に、手負いのボンドが姿を現わす………。

    ◇

 短く刈り込まれた髪に精悍な顔、細身のスーツをビシッと決めたスタイリングのダニエル・クレイグが、ワルサーPPK片手にアストン・マーティンDB5を駆って登場するジェームズ・ボンド映画。
 ショーン・コネリーのジェームズ・ボンドで育った世代には、ニヤリとさせられる小ネタなど、〈007〉の生誕50周年に相応しいダイナミックさとストーリーの奥深さを含め楽しませてくれる。

 冒頭13分に及ぶプレタイトルのアクションは、『ロシアより愛を込めて』以来お馴染みのイスタンブールを舞台に、カーチェイス、オートバイチェイス、そして列車を使ったアクションが、この〈ネオ007映画〉のストーリーに引きずり込むに十分なだけの見応えあるシークエンスだ。

 〈ボンドガール〉の実質的不在の穴を埋めるのがMの存在で、彼女を巡ってボンドとシルヴァとの3人の立ち位置は母と子。美女との濡れ場がないなんて、本来の〈007映画〉ではないかもしれない。
 プレタイトル後の、いつもの〈ジェームズ・ボンドのテーマ〉も流れない。違和感を持ちながら本編に入っていくが、何のことはない。アストン・マーティンDB5が登場するシーンに、ここぞとばかりにテーマ曲が流れる。ゾクゾクしながら後半に突入するわけだ。

 不死身だったボンドもタフガイぶりに翳りをみせるし、スパイと云うもの自体が時代錯誤のような扱いをされる。世代交代とも云われる。これは何だ、どんな展開なんだと思える。クライマックスに登場するボンドの生誕地〈スカイフォール〉の朽ち具合と、孤軍奮闘するボンド。これは、ジェームズ・ボンドの原点回帰であり、男の誇りを守り抜く物語と見ればいい。中年男はつらいよ。

 クライマックスにシルヴァがヘリコプターで登場するシーン。大音量で「BOOM BOOM」を鳴り響かせて降りてくる。いいねぇ。
 「BOOM BOOM」は、ジ・アニマルズが最初期(1964年1月)にレコーディングしたジョン・リー・フッカーのカヴァー曲で、1965年にシングル盤「I'm Crying」のB面として日本でも大ヒットした傑作。
 〈007映画〉をリアルタイムで観ていた時期と重なり、懐かしさを憶える選曲なのだ。(因に、内田裕也の決め台詞「シェキナベイベ!」はこの曲の歌詞から始まったのである。)
 
 第17作『ゴールデンアイ』から登場した女性のMが本作で総括されるのは、ジュディ・デンチの病気のこともあるのだろう、女性Mの花道を飾るに相応しい展開。
 ネタバレすれば、Mと反目するマロリー(レイフ・ファインズ)が後任のMになり、若いベン・ウィショーをQに据え、第1作からボンドとの軽妙なやり取りが肝でもあったミス・マネーペニーが実は現場出身のイヴだったという流れで、新たな〈007映画〉の準備を整えたことになる。

 この流れで「ドクター・ノオ」や「ゴールドフィンガー」のリメイク、「007は二度死ぬ」でもう一度日本上陸を果たすのも一興か………。
 

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Comment

蟷螂の斧 says... "なるほど・・・。"
ジュディ・デンチが演じるM。
ああ言う結末になった理由がよくわかりました。
ありがとうございました。
プレタイトル。大迫力でした!生身のアクション!
連投すみません。
2013.01.06 21:04 | URL | #wHTgGx4k [edit]
mickmac says... "Re: なるほど・・・。"
蟷螂の斧さん  ど〜もです。

>連投すみません。

こちらこそ、ポール・マッカートニーのコメントへのレスが滞ってしまい申し訳ありませんでした。
ビートルズが解散してからは、ポールの人気ぶりを横目に、当時はブルーズ・ロックにのめり込んでいましたので、キャッチーなメロディでヒット曲を出すポールには惹かれるものが皆無だったのが正直なところです。
何年かして、友人に録音してもらったベスト盤が唯一でしょうか。

今回の「007」ですが、やはりCGを使用しないアクションシーンだからこそ、手に汗握ることになるでしょ。
過剰なCGには辟易していているのでホッとした気分でした。(ヒヤヒヤするアクションにほっとするのも変な話ですが)
例えば「ミッション・インポッシブル」も、デ・パルマのB級感あふれるサスペンスの方が好みなわけで………。
2013.01.06 23:54 | URL | #- [edit]

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