TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

「ジョニーは戦場へ行った」*ダルトン・トランボ

1973-02_ジョニーは戦場へ行った
JOHNNY GOT HIS GUN
監督:ダルトン・トランボ
脚本:ダルトン・トランボ
音楽:ジェリー・フィールディング
出演:ティモシー・ボトムズ、キャシー・フィールズ、ドナルド・サザーランド、ダイアン・ヴァーシ

☆☆☆☆ 1971年/アメリカ/112分

    ◇

 第一次世界大戦で両手、両足、眼、口を失いながら、15年近く生き抜いた実在の英国人将校をヒントに書かれたダルトン・トランボの小説を、トランボ自身が脚本・監督した作品。

 1918年、ヨーロッパ戦線に勇んで出征した青年ジョー(ティモシー・ボトムズ)が、変わり果てた姿でアメリカに帰ってきた。
 心臓が動いているものの、耳(聴覚)、眼(視覚)、口(言葉)を失い、さらに両手両足まで切断された、性器と延髄だけの肉の塊でしかないジョー。彼は医学研究のためのみに生かされる存在となる。
 しかしジョーには意識がある。思考もある。夢を見ることも出来る。自分のおかれている状態を知ったジョーは絶望の底に堕ちる。暗黒の世界。
 4年の月日が過ぎた。ジョーは生きている実感を示すために、わずかに動く頭でモールス信号を送ることを思いついた。
 12月のある日、ジョーに涙する心優しい看護婦が、ジョーの胸に指で「メリークリスマス」となぞる。ジョーの意識も「メリークリスマス」と応えている。人間同士としての“会話”が出来た瞬間だ。首の動きが何かの信号だと気づいた看護婦は、モールス信号がわかる軍人を連れてくる。

 「何か望みがあるか?」
 「僕をサーカスに売ってくれ。見せ物にしてみんなに僕の姿を見せてくれ。できなければ殺してくれ」


 この作品が公開された当時(本国製作は1971年。日本公開は1973年だった)は、まだベトナム戦争がつづいていたときで、反戦映画というくくりで語られるようになった作品だが、これは人間の“尊厳”をテーマにしていると言った方がいい。

 他言を禁じた軍人が退出したあと、あの優しい看護婦は自分が人殺しになることもいとわずジョーの空気管を閉じるのだが、戻ってきた軍人に気づかれ追い出されてしまう。
 カーテンの敷かれた暗い病室には、ジョーのS.O.S(殺してくれ) のモールス信号だけが響いている………。

 救いのない映画だが、こういう映画もなくてはならない。

 ジョーが持ち得る人間としての最後の自由(死)を奪う人間たちの残酷なこと。
 安楽死の是非論を持ち出すまでもなく、ヒューマニズムってなに?

 ジョーを演じたティモシー・ボトムズはこの作品でデビュー。この年は弟のサム・ボトムズとともにピーター・ボグダノヴィチ監督の『ラスト・ショー』にも主演しており、ティモシー・ボトムズを語るには残念ながらこの2作しかないのだな。

★ラスト・ショー★


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