TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

仁義なき戦いシリーズ

 現在WOWOW で放送されている『仁義なき戦い』シリーズ全11作。新シリーズ、番外篇、そして21年ぶりの新作等と『仁義なき戦い』と名打たれていても、やはり1~5作目でシリーズは一応の完結をしている。
 その全5作を、久しぶりに観た。

 『広島死闘篇』は、以前に書いているように何度見直してみても大傑作のフィルム・ノワールだ。
 5作全体をみて印象的なのは、やはり、台詞無しの役から実に個性的な風貌で要になる役柄にまで上りつめた川谷拓三の姿だった。

 ☆   ☆

 第1作の群像劇以上に登場人物が増えた第3作『代理戦争』は、バイオレンスシーンを極力控えヤクザ組織の構図と複雑な人間関係をじっくりと描いている。やくざの狡猾さと愚かさがくっきりと浮かび上がってくる秀作で、広能昌三(菅原文太)が孤立していく次作品への重要な一作になっている。
 広能組の若い子分(渡瀬恒彦)の最後のエピソードが、やっと広能にギラギラしたエネルギーを表出させ、今までひとり守り通してきた“仁義”の、まさに崩壊の一瞬だった。

 第4作『頂上作戦』は、前回真っ二つに分かれた金子信雄、田中邦衛、小林旭らと、菅原文太、梅宮辰夫、小池朝雄らとの本格的な抗争を描いている。実際に1963年から1964年にかけて起こった広島抗争で、やっと暴力団壊滅に動き出した広島県警との戦いでもあり、シリーズ中もっともバイオレンスシーンが多い。
 第1作目のように、ここでも若者群像が要所で光り血まみれのアダ花を満開させる。
 小林稔侍、黒沢年男、志賀勝、みんな若いなぁ。世話になった松方弘樹を、貧乏な母と弟たちのための金欲しさで射殺するチンピラ小倉一郎こそ、ヤクザ世界の人間の悲哀に溢れたエピソードだ。
 そして、この映画の名場面がラスト。冬の雪降る刑務所の廊下で、裸足に雪駄姿の菅原文太と小林旭の台詞がシリーズを締めくくった。

 文太「俺らの時代も終わりよ」
 旭「辛抱せえや」

 この台詞を吐いてしまっての第5作『完結篇』は後始末的展開でもある。広島やくざの世代交代、広能と武田の引退までを描くこの作品も、菅原文太の台詞が印象的で心に残る。

 旭「身を引いて落ち着いたら一緒に飲まんか」
 文太「そっちとは飲まん。死んでいったモンに済まんけえのぉ」

 さて、同じ役者が違う役で出てくるのはシリーズ物では仕方がないことで、それを承知で観ているのだが、この完結において『広島死闘篇』で千葉真一が演じた大友勝利の役が宍戸錠に代わっているのと、早川役の室田日出男の出演も代役になっているのが残念だった。


原作:飯干晃一
監督:深作欣二
脚本:笹原和夫、高田宏治(『完結篇』)
出演:菅原文太、小林旭、成田三樹夫、梅宮辰夫、金子信雄、田中邦衛、宍戸錠、北大路欣也、松方弘樹、室田日出男、川谷拓三、山城新伍、渚まゆみ、池玲子、野川由美子、黒沢年男、渡瀬恒彦、

仁義なき戦い
☆☆☆☆ 1973年/東映/99分
仁義なき戦い・代理戦争
☆☆☆☆ 1973年/東映/103分
仁義なき戦い・頂上作戦
☆☆☆★ 1974年/東映/101分
仁義なき戦い・完結篇
☆☆☆★ 1974年/東映/98分

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