TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

「スキャンダル〜京大西部講堂1982」浅川マキ

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DISC1 :
1. 暗い眼をした女優  
2. 新曲“B”  
3. 夕暮れのまんなか 
4. ピグノーズと手紙


DISC 2 :
1. 都会に雨が降る頃  
2. 語り 
3. あんな女ははじめてのブルース 
4. 翔ばないカラス


Recorded at:1982年4月25日−29日 京大西部講堂

浅川 マキ Vocal
近藤 等則 Trumpet, Toys / 本多 俊之 Alto Sax, Flute / 渋谷 毅 Piano
飛田 一男 Guitar / 川端 民生 Bass / つのだ ひろ Drums

    ◇

 2011年、京都の「ピッグノーズ・レコード」というレーベルから、浅川マキの未発表ライヴ音源が2枚組CDでリリースされていた!

 「ピッグノーズ・レコード」とは、京都祇園にあったライヴハウス“PIGNOSE”のオーナーが立ち上げたレーベルで、“PIGNOSE”はマキさんが京都公演でよくライヴを行ったお店。
 この京大西部講堂の主催も“PIGNOSE”で、マキさんとその仲間たちとも気心知れたオーナーが、当時録音しておいた音源をちんとした形で発表してくれたわけだ。 
 それにしても購入する前は、貴重だとは云ってもプライベート録音の範囲だろうから音質には期待をしていなかった。それが、いやぁ、素晴らしい録音ではないか。いい意味裏切られたね。ブラヴォー!
  
 それもそのはず、レコーディング・エンジニアは柴田徹。
 1977年の『流れを渡る』からマキさんのプロデューサーに就いた柴田徹は、伝説の北陸のバンド“めんたんぴん”のメンバー(ミキシングエンジニア/マネージャー/作詞家)で、何かで読んだところではマキさんが「私の音を作れるのは彼しかいない」と云わしめた御仁。プライベートでも終生のパートナーだった方だ。(惜しくも2007年に癌で亡くなった)
 柴田徹のPAで録音されたこの京大西部講堂のライヴが、悪いわけないではないか。最高の音質、そして、最高のパフォーマンス。生々しいステージの高いテンションに触れられることはファンとして嬉しいかぎり。

 マキさんも柴田氏も、そしてもう一人このステージに上がっている元“めんたんぴん”のギタリスト飛田一男も亡くなっている。やっぱり、何か淋しいよな。


 1980年代のマキさんはモダンジャズやフリージャズへと傾倒していった時期で、近藤等則をプロデュースに迎え制作した『CAT NAP』は、エキセントリックな音があふれたフリージャズやラテンといったジャンルを越えた意欲作だった。
 この京大西部講堂のライヴは、『CAT NAP』のレコーディング(1982年7月)に先立つこと3ヶ月前のステージということになる。

 ディスク1の「暗い眼をした女優」「新曲“B” 」「夕暮れのまんなか」はライヴ・ヴァージョンというだけで興味深い演奏。
 「ピグノーズと手紙」は1980年リリースの『ONE』に収録されていた作品。レコードのB面全部を占めたフリーインプロヴィゼーションの実験作だったが、ここではかなり短縮された演奏ではあるがマキさんの声と近藤等則のトランペットが絡み合いながら会場の空気を裂いている雰囲気が鋭く伝わってくる。

 ディスク2の「都会に雨が降る頃 」は、オリジナル(『ONE』収録)の倍以上の演奏時間でモダンジャズの神髄を聴かせてくれる。
 絶妙な語りのあとは、ブルース・ロックなアレンジが堪らない「あんな女ははじめてのブルース」。ブリティッシュ・ブルース調にギターが咽び泣く飛田一男の真骨頂を味わいながら、ロック・テイストな「翔ばないカラス」につづく。ライヴならではの荒々しい演奏は格別である。

 ちらしの惹句 “驚愕の未発表ライヴ”の文言通りこのライヴはとても貴重な記録だから、浅川マキを好きな人には必聴物だ。



 ところでこのCD、2枚組だというのに各収録時間合わせて46分しかない。もちろん密度の高い歌と演奏だから何の不満もない。多分ディスク1面23分ということは、A面が終わればB面にひっくり返すレコードの仕様をCDで叶えているのだろう。
 フリージャズのA面とブルージーなB面を分けたことと、レコードにこだわったマキさんへの敬意と受け止めた。


購入はコチラ→★ピッグノーズ・レコード★
 

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