TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

カルメン・マキ&OZ、ラスト・ライヴ

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LIVE/CARMEN MAKI & OZ

 日本のハードロック・バンドの、特に女性ヴォーカリストとしての先駆者だったカルメン・マキ。
 OZ結成当時の1972年には、渡米中の麻生レミ以外にスモーキー・メディスンで歌っていた金子マリが和製ジャニスと云われていたくらいで(1974年にバックスバニーを結成し活動する)、日本においてロックの市民権もおぼつかないなかでは、まだまだ女性のロック・ヴォーカリストの存在は希有だった。
 OZの1stアルバム『カルメン・マキ&OZ』('75)は、日本語によるロックにハードロックの様式美を敷きながら独自のドラマ性をもった楽曲で我々の度肝を抜いただけでなく、当時の日本のロック界では前例のないレコードセールスを上げたことで音楽業界に一石を投じ、その後のロック・バンドに与えた影響は大きい。

 カルメン・マキ&OZは、活動期間5年で終止符を打った。
 1977年最後のツアー。このアルバムは1977年5月の日比谷野音と、まさに最後のステージとなった10月の新宿厚生年金会館のライヴを、圧巻の2枚組に納めたものだ。
 帯の隅に「このレコードは状態の良いカートリッジでボリュームを最大に上げてお楽しみ下さい。」と記されているように、まさしくハードロック・バンドのエネルギーが詰まった名盤である。(家ン中でフルヴォリュームなんて出来ないけどね)


SIDE A
01 君が代(インストゥルメンタル)
02 午前1時のスケッチ
03 シゲのソロ(インストゥルメンタル)
04 崩壊の前日
05 六月の詩


SIDE B
01 Image Song
02 とりあえず……(Rock'n Roll)


SIDE C
01 あどりぶ(インストゥルメンタル)
02 閉ざされた町
03 26の時


SIDE D
01 空へ
02 私は風



 オリジナル・アルバム3枚を残し燃え尽きたカルメン・マキの、美しくも壮絶な歌声を聴くにつけ、現在においても誰も超えることの出来ない圧倒的な表現力の豊かさには感嘆とするほかないであろう。

 ファーストアルバムからして曲の完成度の高さは随一だが、ライヴではバンドと一体化したマキのヴォーカリストとしての凄みと、楽曲のプログレッシヴ的ドラマ性において、ライヴバンドとして最高のパフォーマンスを聴かせてくれている。
 とにかく凄い! 素晴らしいステージングからは、このバンドの密度の高さを感じずにはいられない。

 ジミ・ヘンドリックスのステージングを彷彿とさせる国歌「君が代」の演奏から始まり、デビュー曲「午前1時のスケッチ」を挟んで川上茂幸の野太いベースソロが序章を告げ、そのまま「崩壊の前日」になだれ込んでいく構成がとてもエキサイティングでカッコいい。

 アナログ・レコードでは1枚目の最後の曲「とりあえず……(Rock'n Roll)」のMCは「タバコ吸いたい人、トイレに行きたい人、5分間の休憩ね。この気持ちを維持して2部にいきま〜す……」

 ディスク2枚目はステージの後半に入り、名曲「閉ざされた町」「26の時」「空へ」「私は風」の怒濤の連チャンは、最後のステージということもあり、マキの繊細でありながら力強いヴォーカルに鳥肌が立つほどの興奮と、叙情的な曲群が魂の咆哮となって聴く者の耳に突き刺さってくる。

 その至高の1曲がラスト、17分を超える壮大なページェントとなる「私は風」だ。オリジナルのスタジオ録音でも11分あまりの長尺曲で、ドラマチックで華麗な美しいメロディに心奪われる名曲だが、ここでは、歌い出して間もなく固唾を飲むシーンに出くわす。
 1小節が終わり“汽車の窓の外を〜”のあと、マキは感極まったのか歌うのを中断。バンドの演奏がつづくなか、すかさず観客の「マキ〜」のかけ声と大観衆の合唱が曲をつなぐ。
 そして、マキがひと言「シビア………」と呟き、歌いつづけていくシビレる展開には言葉を失うばかり。

 ああ、もう涙なんか枯れてしまった 明日から身軽な私
 風のように自由に生きるわ ひとりぼっちも気楽なものさ

 名歌唱、名演奏、ここに名盤あり。


閉ざされた町


 
★午前1時のスケッチ★
★カルメン・マキ/ブルース・クリエイション★


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