TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

「ストロベリーナイト」#9:ソウルケイジ

★ソウルケイジ: part1★

 多摩川土手の路上に放置された軽自動車から、ビニール袋に入った血まみれの左手首が発見された。
 臨場班は日下守(遠藤憲一)、姫川玲子(竹内結子)の両班体制で捜査本部が置かれる所轄署に赴く。
 指揮を執る今泉係長(高嶋政宏)の報告から、左手首の持ち主は指紋の照合とDNA鑑定により、高岡工務店を営む高岡賢一(石黒賢)のものと判明。従業員の三島耕介(濱田岳)が工務店のガレージに大量の血液を発見し通報、手首発見までの経緯を説明する。ガレージに残された出血量が致死量を超えていることなどから、高岡が殺害された可能性を考慮して死体損壊遺棄事件と認定された。

 第一発見者の三島耕介の事情聴取に名乗りをあげる玲子だったが、耕介の聴取は日下に取られ、玲子は耕介の交際相手でアリバイを証言した中川美智子(蓮佛美沙子)の聴取担当に回された。
 その夜、玲子の携帯に父の忠幸(大和田獏)から母の瑞江(手塚理美)が倒れたと連絡が入る。病院に駆けつける玲子だが、長く留まることは出来ない。よそよそしい父親の姿にも腹が立ち、埋められない親子の距離をあらためて実感するのだった。

 次の日、玲子は昇進で所轄に転属してきた井岡(生瀬勝久)と美智子のアパートへ向う。 事情聴取の途中、大きな物音に怯える美智子の態度を見て、姫川は13年前の自分と照らし合わせていた。

 13年前、三島耕介の父親は木下興業の建設現場で転落死している。父親の最後に立ち会った高岡賢一は、まだ小学生だった耕介を親代わりになって面倒をみ、中学を卒業すると同時に養護施設から引き取り、自分の下で大工の修行をさせていた。

 姫川班と日下班のそれぞれの聞き込み捜査で、関係者周辺の事実が浮かんできた。
 美智子の父親も、耕介の父親と同じ木下興業において転落事故によって死亡していること。木下興業の親会社中林建設は、広域指定暴力団のフロント企業だということ。高岡賢一の母親は中林建設の激しい地上げによる嫌がらせで自殺していること。
 そして玲子は、左手首の男・高岡賢一が戸籍上の高岡賢一とはまったくの別人であったことを聞き込む………。

 「(高岡賢一)あなたは誰?」

    ◇

 ソウルケイジ……魂の檻………親として、子として、もがき苦しむ姿が閉じ込められている檻。

 「ソウルケイジ」というタイトルは、スティングの3rdアルバム『The Soul Cages』('91)からインスパイアされたという。このアルバムはスティングが亡くなった父親への憧憬を綴った、実に内省的な、魂の呻きが聴こえてくるようなアルバムだった。

 この物語も、主題は“父性”の在り方だということがわかる。
 高岡賢一と名乗る男は、どうして三島耕介を実の子のように育ててきたのか。核心はそこだろう。

 この事件の当事者たちの父と子の関係は、事件を捜査する刑事たちにも波及し、日下は息子との関係に何かしらの思いを抱いていくであろうし、姫川玲子に関しては、母との閉ざされた心の確執は重い。よそよそしい父親の姿も、こんな風にはなりたくないと思うのだろう。それでも、絶対に切り離せない親子の宿命として、親の人生を思い浮かべる想像力と、親の思いを受け止める力と、それらを理解する許容心を備える玲子の姿を、最後には見せて欲しいものだ。

 さてドラマは、原作の約半分までを一気に進行。高岡賢一の過去、息子のように育てた三島耕介の過去。その彼女であろう中川美智子が抱えているトラウマ。彼らに絡む建設会社の黒い背景など、原作を読んでいる身には既に整理されている事案だが、第1章にしては情報量が多過ぎて混乱してる視聴者がいるのではないだろうか。

 今週の姫のチェックポイントは、食事会でクダを巻く玲子に井岡がそっと小皿を滑らせるものの、イライラする玲子が発するひと言「いらないっ」に決まり。
 ウ~、可愛いな。

    ◇

原作:誉田哲也
脚本:龍居由佳里
演出:佐藤祐市
音楽:林ゆうき
主題歌:「ミセナイナミダハ、きっといつか」GReeeeN
出演:竹内結子、西島秀俊、宇梶剛士、高嶋政宏、小出恵介、丸山隆平、生瀬勝久、遠藤憲一、渡辺いっけい/手塚理美、大和田獏 /石黒賢、濱田岳、蓮佛美沙子、池田鉄洋

2012年3月6日放送

★「ストロベリーナイト」#8:悪しき実: part2★
★「ストロベリーナイト」#7:悪しき実: part1★
★「ストロベリーナイト」#6:感染遊戯★
★「ストロベリーナイト」#5:過ぎた正義: part2★
★「ストロベリーナイト」#4:過ぎた正義: part1★
★「ストロベリーナイト」#3:右では殴らない: part2★
★「ストロベリーナイト」#2:右では殴らない: part1★
★「ストロベリーナイト」#1:シンメトリー★
★ストロベリーナイト レジェンド★
★「姫川玲子シリーズ」誉田哲也★

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