TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

死ねば ただの 土くれに「ファーストコンサート」根津甚八

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NEZU LIVE

 「ル・ピエロ」を引っさげてファーストコンサートを行った根津甚八の、8Pの写真集付きのライヴ・アルバムである。
 1980年1月29日の渋谷公会堂と1月31日の大阪厚生年金大ホールの模様を納めたもので、当然「ル・ピエロ」からの楽曲がメインではあるが、このコンサートのために泉谷しげる、永井龍雲、大野克夫らが贈ったオリジナル曲も多く含まれた全14曲、約57分のライヴを堪能できる。

 レコーディングブースの中での歌声とは違い、舞台という板の上で熱唱する根津甚八の様子は、静かに語るように、獣の如く叫ぶように、やはり役者の声。これが魅力だ。


 死ねば ただの 土くれに もどる だけだと 身にしみて いる

 アンコール、囁くように歌う「墓場の島」
 山田太一作詞ミッキー吉野が作曲したこの曲は、1977年のNHK土曜ドラマ『男たちの旅路』シリーズの第3部「第二話:墓場の島」の劇中歌で、この「墓場の島」でデビューをして一躍人気スターになった歌手という役に、状況劇場の若手役者根津が扮していた。

 スターになったが売るために自分の詞を改変されたり、厳しい管理下に置かれる境遇に自分を取り戻そうとする戸部竜作という若者。人気絶頂時にステージで引退表明をすると決意するが……。

 「型に嵌められたスターなんて柄じゃない」「嘘を続けたら本当の自分はどうなるんだ?」と、水谷豊と桃井かおりに訥々と語る若々しい根津甚八の優しい目が印象的だった。

 このライヴでは最後の曲でアンコールをせがむ女性ファンの黄色い歓声が入っている。テレビ(『冬の運動会』『黄金の日々』)で凄まじい人気を得てしまった根津が、状況劇場で自分の演じたい役を小林薫にキャスティングされたりして、そんな経緯もあり1979年に劇団を辞めていった。 
 
 アンコールの声に応えて歌う「墓場の島」は、あの戸部竜作という役を完結させていたのかもしれないな。



SIDE A
01. イントロ~キネマ横丁 (作詞/作曲:宇崎竜童)
02. 川崎 Blossom (作詞:島武実/作曲:宇崎竜童)
03. BYE NOW (作詞:島武実/作曲:宇崎竜童)
04. 泣くな わめくな 近よるな (作詞:浅野裕子/作曲:大野克夫)
05. まだ浅い別れ (作詞:浅野裕子/作曲:大野克夫)
06. 素面酒 (作詞/作曲:永井龍雲)
07. 狼になりたい (作詞/作曲:中島みゆき)

SIDE B
01. 野良犬 part II (作詞/作曲:泉谷しげる)
02. からっ風ブルー (作詞/作曲:泉谷しげる)
03. 乳と蜜と流れる土地 (作詞:阿木燿子/作曲:宇崎竜童)
04. Don't Cry For Me (作詞/作曲:宇崎竜童)
05. ロシア詩人のように (作詞:浅野裕子/作曲:大野克夫)
06. 問わず語り (作詞/作曲:永井龍雲)
07. 墓場の島 (作詞:山田太一/作曲:ミッキー吉野)


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