TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

「座頭市と用心棒」*岡本喜八監督作品

Zato-vs-Yojinbo_ps.jpg
監督:岡本喜八
脚本:岡本喜八、吉田哲郎
原作:子母沢寛
製作:勝新太郎
撮影:宮川一夫
音楽:伊福部昭
出演:勝新太郎、三船敏郎、若尾文子、米倉斉加年、岸田森、神山繁、細川俊之、寺田農、草野大悟、常田富士男、砂塚秀夫、嵐寛寿郎、滝沢修

☆☆☆ 1970年/勝プロダクション・東宝/79分

    ◇

 「座頭市シリーズ」記念すべき20作目は銀幕の大スター三船敏郎と勝新太郎共演ということで「座頭市シリーズ」最大のヒット作となったのだが、これは番外編みたいなもん。
 勝プロダクションとして最初のシリーズで東宝配給もこの作品からで、東宝勢のなかに座頭市が迷い込んだ体裁ではあるが、勧善懲悪性を排し人間の業(ごう)を描いた岡本喜八流「座頭市」として、日本映画史上に残るハードボイルド時代劇とも言える、かな。

Zato-vs-Yojinbo_1.jpg

 市(勝新太郎)が三年前に訪れた村は、川のせせらぎや梅の香りに包まれた平和な村だった。しかし市が再び訪れたその村は、飢饉が続き近隣から押し寄せる難民を追い払うために雇ったヤクザの小仏一家によってしっかり荒れ果てていた。
 村を束ねていた兵六(嵐寛寿郎)は落ちぶれ、村はずれで130体の地蔵を彫っていた。

 市の来訪を知った小仏の政五郎(米倉斉加年)は、一家の用心棒(三船敏郎)に百両で市を斬るよう頼み込むが、酒に酔ったまま市と対峙する用心棒はすぐに容易に斬れる相手ではないと悟ると、市を酒に誘いお互いを「バケモノ」「ケダモノ」と呼び合い意気投合するのだった。

 二人の入った居酒屋には、市がかつて手を引いてもらった優しい女性・梅乃(若尾文子)がいた。喜ぶ市に対し梅乃は覚えていないと冷たい態度を取るのは、借金のために身体を売るようになっていたからだ。そんな梅乃は、用心棒のことを憎からず思っていた。

 用心棒と梅乃と別れた市は、自分の凶状のため捕吏(草野大悟)に捕まり牢に入る。本来なら打ち首の市だったが、生糸問屋・烏帽子屋の口利きで番屋から出してもらった。烏帽子屋の主人・弥助(滝沢修)は小仏の政五郎の実の父であるが親子は対立していた。 また政五郎は父・烏帽子屋が隠している金塊を狙い、用心棒をなにかと頼りにしている。それを知る烏帽子屋は市を手許に置いて身を守ろうとしていたのだ。
 どうやら隠されている金塊は、烏帽子屋とその次男・三右衛門(細川俊之)が八州見廻り役・脇屋(神山繁)とも共謀し、着服した御用金らしい。
 そして江戸にいる三右衛門は父を心配し、九頭竜(岸田森)という名の殺し屋を送り込んできた。

 小仏一家の用心棒と烏帽子屋の九頭竜。曰くありげな二人をそれぞれ抱え、双方出入りの準備を始めた頃、二人の素性を知った市も独自に動き始める……。

    ◇

Zato-vs-Yojinbo_2.jpg

 若尾文子に大映色の華を残し、滝沢修、嵐寛寿郎と老練な柱を両に置き、米倉斉加年、岸田森、細川俊之、寺田農、草野大悟、常田富士男と個性の強い俳優陣を絡ませる。
 そして、ど真ん中に三船敏郎がゴロンと寝そべっていて、勝新がこの俳優陣の間をころころ(と言うに相応しいくらい太めなんだな)動き回るわけで………。

 三船プロと勝プロの代理戦争ってことで、どちらにも軍配を上げることができないのでは、用心棒と座頭市の勝負は端から判っていること。
 二大キャラクターを楽しめばよい作品である。何しろ岡本喜八作品なのだから。

 その岡本喜八作品の常連的俳優の巧さ。砂塚秀夫も見せ場があるし、特に、番傘を差し青っ白い顔でヌゥ~と現れ、静かに歩き去る岸田森がクールで、相変わらずカッコいい。
 主役のふたりがコミカルな面を見せるのに対してどこまで凄腕。最期のオーヴァーアクトも岸田森らしい見せ場のひとつ。懐に短銃を忍ばせるところは「用心棒」の仲代達矢へのリスペクトだろう。

スポンサーサイト

Post comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

trackbackURL:http://teaforone.blog4.fc2.com/tb.php/784-a94001d5