TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

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「ひまわり」*ヴィットリオ・デ・シーカ

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I GIRASOLI
監督:ヴィットリオ・デ・シーカ
脚本:チェザーレ・ザヴァッティーニ、トニーノ・グエッラ、ゲオリギ・ムディバニ
撮影:ジュゼッペ・ロトゥンノ
音楽:ヘンリー・マンシーニ
出演:ソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニ、リュドミラ・サベリーエフ、アンナ・カレナ

☆☆☆☆ 1970年/イタリア/107分

    ◇

 40年ぶりにデジタルリマスターされて劇場公開された本作。《すべての日本人が涙した 映画史上 最もせつない愛の物語》と惹句が踊る、イタリア映画の巨匠ヴィットリオ・デ・シーカ監督の戦争を背景にしたメロドラマで、鉄のカーテンと云われた東西冷戦下の時代、外国のカメラが初めて社会主義国家ソビエト連邦でロケーションしたことでも知られる、究極の恋愛映画であり、究極の反戦映画だ。

 第二次世界大戦下、ナポリで結婚したジョバンナ(ソフィア・ローレン)とアントニオ(マルチェロ・マストロヤンニ)は幸せな日々も束の間、アントニオが酷寒のソ連戦線へ送られる。
 数年後、戦争が終わってもアントニオは帰ってこなかった。
 夫を捜すためにウクライナに出向いたジョバンナが広大なひまわり畑の果てで発見したのは、美しいロシア娘(リュドミラ・サベリーエフ)と結婚し、子供と共に幸せに暮らすアントニオの姿だった。
 絶望と涙の帰路につくジョバンナ。数年後、結婚をしてミラノに住むジョバンナの前に今度はアントニオが現れる……。

    ◇

 確か初公開時は英語ヴァージョン(タイトル「sunflower」)だったと思う。当時はソフィア・ローレンやマルチェロ・マストロヤンニが英語を喋ること(吹替え)に何の違和感もなかったが、こうして初めてイタリア語版を観てみると一層感動が違って伝わってくるものだ。

 アントニオが出征するまでの日々は、ローレン&マストロヤンニ名コンビの「昨日・今日・明日」のような喜劇調で進み、終戦を迎えてからは重苦しい空気で悲劇的な愛が語られていくが、画面にあふれる美しさは、恋人や夫婦、家族の愛の形を普遍のものとし、オープニングから流れるヘンリー・マンシーニによる哀切のメロディが一層の気品を讃えている。
 そして、時代に翻弄される男女を、何度も違った駅舎と列車の風景で語っていくところが、『終着駅』('54)同様に素晴らしいシーンになっている。

 ジョバンナがソ連を訪ね、モスクワからウクライナに移動する汽車の窓から見える一面の向日葵畑の美しさは、その後映し出される無数の十字架の丘との対比で際立つカメラワークだ。
 その地平線の彼方まで咲き誇る向日葵の美しさの下には、戦場の屍となったロシア兵とイタリア兵、ロシアの農民らが埋められているという現実がある。

 美しさとは逆に、アントニオがロシア娘と暮らす村の風景には、大きな原子力発電所がそびえ立っている現実。当時のロシアの発展を象徴する建物だが、今日では戦争の悲劇とは別の悲劇の象徴となってぼくらの目の前に提示されているのだった。

[追記]
 マイミクの友人から、あの小さな村の風景に映る冷却塔は原子力ではないとの指摘を受けました。
 たしかに、冷却塔=原子力だというにはあまりに稚拙。

 初見時はまったく気にならなかった風景が、今回、311から知らぬうちに敏感になっているのだろうか、ソ連の発展を西側諸国にアピールするためにソ連国内ロケが許可されたことから、高度成長のシンボルのひとつとして原子力発電所が映されたものと思ってしまいました。
 訂正をしておきます。





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