TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

「前科おんな 殺し節」*三堀篤監督作品



監督:三堀篤
脚本:松田寛夫、神波史男
音楽:八木正生
主題歌:「ふうてんぐらし」池玲子
出演:池玲子、杉本美樹、片山由美子、風間千代子、宗田政美、葉山良二、地井武男

☆☆☆ 1973年/東映/83分

    ◇

 ここ何年かの間で、東映ピンキー・ヴァイオレンス映画が次々とDVD化されるようになり、今年はついにB級カルトの傑作「0課の女 赤い手錠」がリリースされた。そして、つづいて待ち遠しかったこの作品のパッケージ化が叶った。
 70年代に徒花として咲き乱れた池玲子と杉本美樹、最後の競演作である。


 覚醒剤の売人をしていた父親を殺されたマキ(池玲子)は、愚連隊あがりの新興やくざ大場興業の社長(葉山良二)を仇として襲うが、失敗。逮捕され女子刑務所に送られる。

 雑居房には、白バイ警官2人への傷害でマキと一緒に送られてきた夏子(風間千代子)をはじめ、強姦(嫌がる男を無理強いしたことで女にも強姦罪が適用)と恐喝罪のかおる(片山由美子)、女スリの雪江(宗田政美)、イカサマ女賭博の政代(杉本美樹)らがいる。ふてぶてしいマキと政代の間で決闘がはじまり、長い死闘の末、マキの根性を認めた4人との間に友情が生まれる。

 数年後、マキの出所をかおると夏子と雪江が迎えた。マキは3人とともに町に舞い戻り、大場への復讐をはじめる。
 大場興業と敵対する浜安組の狂犬・鉄(地井武男)に近づき、喧嘩をけしかけたりして幹部をひとり一人始末していく。
 そんなある日、マキが大場興業に捕まってしまい、リンチを受けるマキを助けてくれたのが、実は大場の情婦だった政代だ。友情に免じて一度だけの手助けと、大場の覚醒剤の取引情報を掴み、無事逃げ出すマキだった。

 マキたちは鉄らを装って覚醒剤取引現場を急襲し、覚醒剤を横取り。あとはマキの筋書きにあわせ、鉄の居場所を大場に持ちかけ大金をせしめ、ふたつの組の殺し合いを画策。生き残った鉄と大場に、武装した4人のオンナたちが襲いかかるのだった。
 マキの復讐は終わり、あとは政代との対決。再びふたりの死闘がはじまる………。

    ◇

  ♪ろくでなし 風が気ままに 吹くように ひとり 気ままにいきるのさ

 やさぐれた節回しが耳につく池玲子の「ふうてんぐらし」をタイトルバックに、女子刑務所からはじまる。虚無感にあふれる池玲子の歌声は絶品。

 雑居房での池玲子が梶芽衣子を真似たように口を一切きかない展開は、この年伊藤俊也監督が『さそりシリーズ』を降りた恨めしさか、『女囚さそりシリーズ』の脚本家松田寛夫と神波史男らしい手の内。(年末に高倉健の『ゴルゴ13』併映作として長谷部安春監督による『女囚さそり 怨み節』が公開される)
 片山由美子が雑居房のボスかと思いきや、あっさり仲間意識を見せるところなどが他の女子刑務所ものとは違う展開。それでもまずは、お約束のように新入りの池と先輩格の杉本とのキャットファイト。ダチとして友情が結ばれる決闘シーンは、運動場のライン引き用の石灰に塗れたアクションがラストのキャットファイトへの伏線ともなり、見せ場としては十分。

 ポルノチックな場面が少ないので成人指定を免れ、大人のガールズアクション映画を目指したのだろう、オンナたちのオトコたちへの徹底したいたぶりがワクワクするように進んでいく。
 劇画チックな4人の幹部のオトコたちを次から次に狙い、狂犬・地井武男らと衝突させる展開は黒澤明の『用心棒』的作戦で面白い。

 2度の池玲子と杉本美樹のタイマン勝負は、結局、決着がつかないまま、次なる獲物を狙って去って行く5人のオンナたちであるが、シリーズのつもりで製作したこの作品も単発のまま終わってしまったわけだ。
 姐御気取りの池玲子の存在感と、杉本美樹のクールな佇まいは見逃せない。


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★杉本美樹vs池玲子 ~女番長流れ者/ふうてんぐらし~★

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