TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

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「エグザイル/絆」*ジョニー・トー

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EXILED/放・逐
監督:ジョニー・トー
脚本:セット・カムイェン、イップ・ティンシン
撮影:チェン・シウキョン
音楽:ガイ・ゼラファ、デイヴ・クロッツ
出演:アンソニー・ウォン、サイモン・ヤム、リッチー・レン、ジョシー・ホー、ラム・カートン、エレン・チャン、ラム・シュ、チョン・シウファイ、ニック・チョン

☆☆☆★ 2006年/香港/109分

    ◇

 日本公開は2008年。スタイリッシュな映像美に魅了され、中年に近いオヤジたちの色気と立ち振る舞いに、男が惚れる映画だ。
 
 1999年、中国への返還が迫るマカオ。黒社会を牛耳るフェイ(サイモン・ヤム)を裏切り逃走していたウー(ニック・チョン)は、妻と生まれたばかりの赤ん坊と静かに暮らすため街に戻っていた。
 ある日、ウーの家に4人の男たちが現れた。フェイからウーの殺害を命じられたブレイズ(アンソニー・ウォン)とファット(ラム・シュ)。そして、ウーを守ろうとするタイ(フランシス・ン)とキャット(ロイ・チョン)。
 ウーを含めたこの5人は、幼馴染みであり少年時代から共に過ごしてきた仲間だった。
 「妻と子どものために大金を残してやりたい」というウーの最後の言葉に動いた男たちは、フェイと敵対するボスのキョン(ラム・カートン)の殺害を引き受けるのだが………。

    ◇

 冒頭から、フィルム・ノワールというよりも、まるっとマカロニ・ウエスタンの匂い。
 ポルトガルの植民地だっただけに、古いヨーロッパの香りが漂う街並が一層のムードを盛り上げるから堪らない。
 中盤からラストに至っては、サム・ペキンパー監督の名作『ワイルドバンチ』('69)を彷彿とさせ、“滅びの美学”に酔いしれるのである。

 ストーリーは実に簡単で、その多くは見せ場となる銃撃戦だが、何度と繰り返される銃と銃との殺陣が単調にならないように随所に工夫が見られる。さすがにカッコいい。
 闇医者のところで治療を受けるウーと仲間たちが、同じく負傷したフェイの一団と鉢合わせするシーンは、あり得ないと一笑されるような構図を組み立てて、魅せる絵面で徹底される。それは鈴木清順の様式美に通じる奇抜さで楽しい。

 金塊強奪へと流れる思いがけない展開も、余韻のあるラストも文句なくキメてくれる。
 古い写真と新しい写真だけで5人の友情の証を語らせる手法で、ほとんどセリフらしい台詞のない寡黙な映画は、ときおり流れるハーモニカの音色が叙情感にあふれ、このマカロニ・ウエスタン風味が実に味わい深い。

 ダンディでクールな大人が少年のようにハシャぎ、命を賭けて守る友情と仁義。男の美学が徹底して貫かれた秀作である。

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