TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

「オッド・トーマスの救済」ディーン・クーンツ



 〈オッド・トーマス・シリーズ〉第3弾。

 シェラネヴァダ山脈の奥深くに建つ修道院で、心の平静を求め滞在するオッド青年は、12月の深夜、ボダッハ(悪霊)を見る。ボダッハの出現は大惨事の前触れだ。
 その日、修道士のひとりが忽然と消え、猛吹雪の中、修道院の施設にいる子供たちを守るために闘うオッドの前には、顔のない修道士と想像を絶する怪物が姿を見せるのだった……。
 
    ◇

 かつてのモダンホラーに登場したような怪物が出現し、サスペンスとサプライズも充分に面白く、シリーズ最高傑作と謳われてはいるのだが、今回はいままでよりも回りくどい展開で、少々イライラしながら読んでいたので読み切るのに少し時間がかかってしまった。
 また、雪に閉ざされた修道院と子供たちのいる施設との位置関係がよく分からないため、救出に行き来する時間的状況に混乱する羽目にも……。

 事件は、クーンツならではの大風呂敷を広げたハッタリ話で集結するパターンである。

 ただ、死者との繋がりに苦悩と愛を捧げつづける心優しいオッド青年のガンバリには、人生には美しき奇跡があるのだと示される。

 事件が終わり、最後のページには、今作までオッド青年と行動を共にしていたエルビスの霊と入れ違いに、偉大なる某シンガーの霊が新たに登場し、犬のBoo(正体がクーンツらしい)と共に次なる旅が始まる。

 一人称のオッド青年の語りは、実は何らかの仕掛けになっているのかもしれない。最終作で明かされるだろう展開が、楽しみである。


    ◇

オッド・トーマスの救済/ディーン・クーンツ
訳:中原裕子
【ハヤカワ文庫】
定価 1,050円(税込)

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