TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

「宇宙戦争」



WAR OF THE WORLDS
原作:H.G.ウェルズ
監督:スティーブン・スピルバーグ
脚本:デヴィッド・コープ
音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演:トム・クルーズ、ダコタ・ファニング、ティム・ロビンス
   モーガン・フリーマン(Na)

☆☆☆★  2005年/アメリカ/117分

    ◇

 H.G.ウェルズの古典的SF小説で、1953年に映画化されたジーン・バリー主演の『宇宙戦争』(これも古典になっているSF映画)を完全リメイクしている。
 スピルバーグ監督が子供の頃この『宇宙戦争』を見て恐怖を感じたように、今度はスピルバーグが、見事な特殊効果で我々を恐怖に導いてくれる。これを見た子供たちが、恐怖を感じて記憶に残るような映画であってくれるといいのだが……。

 ニューヨークを対岸に望む小さな町で働く港湾労働者レイ(トム・クルーズ)。離婚した妻が実家のボストンへ行く週末だけふたりの子供を預かるところから始まる。息子や娘から完全にダメ親父のレッテルを貼られているレイ。物語の核は、この親子の再生でもある。
 それにしてもこの子供らにはイライラさせられる。逃避行のなか、このふたりの子供と対峙するのは侵略者と同じくらい大変だ(笑)。

 映画が始まって間もなく異変が起き、すぐに侵略が始まる。戦闘マシーンのトライポッドがいきなり姿を現すシーンから殺戮シーンまでのスピーディさには感心。
 トライポッドを見上げ逃げ惑う人間たちの姿が、9.11 を思い起こさせるのは仕方がないか………。

 この映画はパニック映画であり恐怖映画なのだから、理屈はいらない。有無を云わせない不条理に対して、人が出来る事は何か。真っ向立ち向かうのは勇気だけなのかどうか。
 生存者のひとりオグルビー(ティム・ロビンス)のように精神的におかしくなる人間の存在も重要。主人公レイとのバランスもあるが、対極にある人間の姿があの納屋の地下室で描かれる。スピルバーグの演出の冴えが見られる。

 その地下室にエイリアンが現れるシークエンスは、『ジュラシック・パーク』の引用でハラハラドキドキするけれど、ちょっと長いかな……。
 そのあとの赤い植物の正体の方が怖い。スピルバーグの徹底した残酷さを見ることができる。

 さて、この手の映画での問題はラストの落としどころなのだが、どうも賛否両論あるようだ。一緒に行った家人は、何万年も地球の地底にあったトライポッドがなんであれしきで……と、のたもうていたが、云わせておきましょ。
 この映画は最初に書いたように、100年以上も前に書かれた原作を基に、50年以上前の映画のリメイクだということを考えれば、全然オーケイな事柄です。

 それよりもハリウッド的結末の方が問題。これには正直がっかりだった。
 恐怖や残酷さを甘さで包んでしまう方法には反対だな。恐怖の余韻が切れてしまった。ヒチコックの『鳥』のような余韻を求めるのは酷だろうか。

 ただ、あのシーンのおかげでジーン・バリーのカメオ出演があったわけで、それはそれで姿を拝見できて嬉しかった。
 なにせ子供のころ、ジーン・バリー主演のテレビドラマ『バークにまかせろ!』は大好きな番組でしたから…………。

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Comment

あむろ says... "初めまして。"
こんばんは。
この映画のラストについては、どうも批判の方が圧倒的に多いようですね。
私はスピルバーグ好きなもので、それほどがっかり…というわけでもありませんでしたが、あっけないな、という感じはありました。オリジナル版で予習をしていったからかもしれません。

ジーン・バリーがカメオ出演していたのですか?気がつきませんでした…。
2005.07.04 23:52 | URL | #y.6mc9WE [edit]
mickmac says... ">あむろさん"
はじめまして
結末批判はあまり意味のないことですね。
なぜスピルバーグが、オリジナルではなくリメイクをしたのかを理解すれば何ら問題ないことです。

それより、息子の扱いの雑さ加減がイヤです。
「見とどける」と戦火の中に飛び込ませるのは、後半、オグルビーが出てくるためと穿った考えしか浮かばない(笑)。
で、ラストがあの始末では……。

ジーン.バリーは、同じく53年版のヒロイン、アン・ロビンスと並んで元気なご夫婦姿でしたよ。
2005.07.05 19:10 | URL | #kuX..F9k [edit]

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■〔映画鑑賞メモVol.2〕『宇宙戦争』(2005/スティーヴン・スピルバーグ)
こんばんは~、さて、7月最初のエントリーです、いやぁ、今日は良く晴れてねぇ(^^)、ともかく暑くて蒸してしんどかったぁ~さて今回は、初日(6/29)のレイトショーで鑑賞した『宇宙戦争』(2005/スティーヴン・スピルバーグ)の雑感などを残してみます。
宇宙戦争
宇宙人がやってきた! ひ~ふ~み~,うわっ,よ~けおる!
『宇宙戦争』
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宇宙戦争
ある晴天の日{/kaeru_fine/}、アメリカ東部のある町に異変は突然起こった。炸裂した稲妻{/kaminari/}が地上に達したとき、その下で巨大な何かが大地を震わせうごめき始めた。レイ(トム・クルーズ)は、この常識では考えられない現象に直面し、恐怖に怯える人々と共に状況を
宇宙戦争
結構ここでは映画の感想を書いてます。昔は洋画ばっかり観てましたが、最近邦画にいいのが多くなってきて、邦画ばっかり観てるような気がする。洋画は映画館だと字幕が殆どだから、語学力の無い私としては、字幕ばっかり追ってるっていう感じがあんまり好きじゃないっていう