TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

「ソルト」*フィリップ・ノイス



SALT
監督:フィリップ・ノイス
脚本:カート・ウィマー
美術:スコット・チャンブリス
衣装デザイナー:サラ・エドワーズ
スタント・コーディネート:サイモン・クレイン
音楽:ジェームズ・ニュートン・ハワード
出演:アンジェリーナ・ジョリー、リーヴ・シュレイバー、キウェテル・イジョフォー、ダニエル・オルブリフスキー

☆☆☆☆ 2010年/アメリカ/ 100分

    ◇

 変幻自在なアンジーは、やはり黒髪姿がカッコいい! 

 本作は、誰がどう観てもアンジーのためだけにある映画。ストーリー的に少し尻つぼみになったとはいえ、アンジーがしなやかなアクションを魅せてくれるだけでいいではないか。2時間を超える映画の多いなか、100分アクションは丁度いい具合。
 インテリジェンスでタフなヒロイン映画の誕生は、大いに気に入った。


 CIAのロシア担当分析官のソルト(アンジェリーナ・ジョリー)は2年前、核の情報を探るために北朝鮮に潜入したところを捕らえられたが、彼女に好意を寄せる昆虫学者マイクが外務省などに働きかけ救出された。
 ソルトはマイクと結婚。幸福な日々のなか、ふたりの結婚記念日に、CIAにロシアからの亡命者が現れた。
 ロシアの特務機関に在籍していた大物オルロフ(ダニエル・オルブリフスキー)だったが、ソルトが彼を尋問中に驚くべき告白を聞く。米ソ冷戦時代からはじまったソ蓮のスパイ養成機関から、アメリカに二重スパイを潜入させ何年も襲撃の“Xデー”を待っているという。その“Xデー”は訪米中のロシア大統領暗殺として今日開始され、そして、二重スパイの名前は“イヴリン・ソルト”だと名指しされる。
 誤解だと訴えるソルトだが、直属の上司ウィンター(リーヴ・シュレイバー)や諜報部のピーボディ(キウェテル・イジョフォー)からの拘束を振り切り逃亡する………。

    ◇

 ◆以下、大ネタはバラさないけれど、細かいネタバレあり。


    ◇

 徹頭徹尾ヒロインが豪快に突っ走るのだから、観ていて痛快。

 冒頭30分の逃亡シーンは、ノンストップ・ハイテンションなアクションが展開する。橋の上からタンクローリーに降下し、高速道路を疾走するトラックへ飛び移る。何度も見せるこの高低差のアクションは見応えあり。中盤の数台のパトロールカーのチェイスも、前後上下とスリルが増大し、とんでもないスタントで幕を閉じ、黒装束で悠然と立ち去るアンジーにはシビれるばかりである。
 ムエタイとイスラエルの格闘術クラヴ・マガを取り入れたアンジーの格闘アクションも、十二分に楽しめる出来映え。

 アンジーの魅力はアクションばかりではない。ブロンドヘアーからブラックヘアーに変え、カラーコンタクトや入れ歯で大変身。これがまたイイんだなぁ。最後は、宝塚ばりに短髪姿の男装まで披露してくれる。
 当初この映画はトム・クルーズで企画されていたらしいが、彼の変身はもう満腹状態。ヒロイン・ムーヴィーにして大正解!
 CIAから逃亡するシーンで、各所に設けられた防犯カメラを消化器の泡で目くらましするのだが、一箇所だけ下着を脱いでカメラに被せる。こんなことトムでは出来ないでショ。
 ラストに某人物を殺害する方法がお見事!あの姿勢を写す俯瞰カメラがいいね。

 アンジェイ・ワイダ監督の作品でお馴染みのポーランドの名優ダニエル・オルブリフスキーが、アンジーと尋問室で対峙するシーンは見応えがある。
 オルブリフスキーの代表作のひとつ『約束の土地』('74/日本公開'81)ではポーランド士族の末裔で野心家の色男を演じ、クロード・ルルーシュ監督の『愛と哀しみのボレロ』('81)ではドイツの音楽家として、延々と彼の指揮ぶりがスクリーンに映し出されていた。チョイワル風のイイ男だったが、本作での老諜報員は見違えるような変貌ぶりで驚いた。

 タイトル前の北朝鮮に拘束されたソルトが過酷な拷問を受けるシーンは、アップの映像ばかりで面白みに欠けていた。導入部なのだから、引きの画で静かに恐怖を見せて欲しかったかな。痛々しいほどに潰されたソルトの顔はここだけで、この後、ソルトのタフさを厭というほど見せつけられるのだからね。

 ジャック・バウワーの如く不死身なソルト。ホワイトハウスが攻撃される衝撃シーンはまるで『24:Twenty Four』的展開。そう言えば、クールビューティなソルトを見ていたら『24:Twenty Four』で最も非情なテロリストだった黒髪のニーナを思い出した。


who_is_salt.jpg

 「ソルトは誰?」「最後の最後まで、あなたの予想は裏切られる」

 こんな惹句から、作品を観る前はケビン・コスナーの『追いつめられて』的なドンデン返しなのかと予想をしていたのだが、このネタは見事に序盤で明かされてしまった。それ以後、二転三転するストーリーは細かいことを気にせずに充分に堪能できる。意外な人物は端からお見通しだから、どうでもいいのさ。

 荒唐無稽なエンディングからはpart.2の存在が確信できるが、全世界から孤立したイヴリン・ソルトが、壮絶なオーラを輝かせて舞い戻るのなら大歓迎である。


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Comment

根保孝栄・石塚邦男 says... "かっこいいジョリーナー"
ソルト役のジョリーナが、かっこいい。彼女、すっかり強いスーパーウーマン付いてますね。
2014.06.20 00:57 | URL | #u3MRTyDc [edit]
mickmac says... "Re: かっこいいジョリーナー"
>根保孝栄・石塚邦男さん

強い女性 お好きですか?
いいですよねぇ~。
監督業に専念するとなると 本作の続編を望めないのが残念です。
2014.06.22 00:20 | URL | #- [edit]

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