TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

「NINE」*ロブ・マーシャル

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NINE
監督:ロブ・マーシャル
脚本:マイケル・トルキン、アンソニー・ミンゲラ
作詩・作曲:モーリー・イェストン
原作戯曲:マリオ・フラッティ
原案:アーサー・コピット
美術:ジョン・マイヤー
衣装:コリーン・アトウッド
振付:ジョン・デルーカ、ロブ・マーシャル
出演:ダニエル・デイ=ルイス、マリオン・コティヤール、ペネロペ・クルス、ジュディ・デンチ、ケイト・ハドソン、ファーギー、ニコール・キッドマン、ソフィア・ローレン

☆☆☆☆ 2009年/アメリカ/118分

    ◇

 1965年のイタリア。ローマの名門撮影所チネチッタ・スタジオで、天才映画監督グイド・コンティーニ(ダニエル・デイ=ルイス)は新作映画『イタリア』の撮影開始前に、脚本がまだ一行も書けておらず頭を抱えていた。もがき苦しむ彼が選んだ道は、自分の弱さを受け止めてくれる愛する女たちの許へ逃げ込むことだった。

 かつて女優だった良き妻ルイザ(マリオン・コティヤール)、悦楽で何もかも忘れさせてくれる愛人カルラ(ペネロペ・クルス)、ミューズ的存在の女優クラウディア(ニコール・キッドマン)、9歳のときに人生の喜びを教えてくれた娼婦サラギーナ(ファーギー)、長年の友人で良き助言をしてくれる衣装係のリリー(ジュディ・デンチ)、セクシーなヴォーグ誌の記者ステファニー(ケイト・ハドソン)、そして心から甘えられるママ(ソフィア・ローレン)。

 プレッシャーに押しつぶされそうになるグイドは、多くの女性の愛に溺れ、そしてある決断を下す………。

    ◇

 1982年ニューヨーク・ブロードウェイで初演され、そして再演も含めトニー賞を数多く受賞したミュージカルの映画化だが、映画ファンなら、登場人物の名前とストーリーからピンとくるように、これは、フェデリコ・フェリーニ監督の自伝的映画と云われる『8 1/2』('63)のミュージカル版だ。モーリー・イェストンがフェリーニの承諾を得て、『8 1/2』に歌とダンスを加えて作り上げたのがブロードウェイ版『NINE』。
 映画からミュージカルになった作品に、今度はゴージャスな女優陣を配し、ダイナミックなダンスとスタイリッシュな演出で、ふたたび映画として再生したわけだ。
 もちろん『8 1/2』とも舞台版『NINE』とも細かな箇所は違っているし(反対に細かなセリフやカット割を踏襲ししている箇所もある)、ラストも大きく異なってはいるが、『シカゴ』を監督したロブ・マーシャルは、現実と記憶が混然とした夢と幻想に生きる男の姿を描き少し難解だった『8 1/2』を、自由に発想した絵づくりで豪華なエンターテインメントな映像作品に仕上げている。

 ストーリーは、『8 1/2』からしてあってないようなものだから、本作も二の次でいい。ダンスシーンや衣装が華麗なように、キャスティングの豪華さが第一。英国人のダニエル・デイ=ルイスのイタリア男性ぶりは見事だし、まぁ、とにかく7人の女優の歌とダンスを、大スクリーンで観て、感じるのでいい。

 過去の記憶や夢の幻想をフラッシュバックと、ところどころモノクロの映像を挿入するスタイリッシュなカメラワークは、ファーギーの「ビー・イタリアン」とケイト・ハドソンの「シネマ・イタリアーノ」のシーンが印象深く残るが、特にケイト・ハドソン。キャリア的には他の女優たちに引けをとってはいるが、その歌唱力には驚いた。ゴールディ・ホーンの娘として、ただの2世女優ではないことを証明している。
 ダンスシーンも、ファーギーの「ビー・イタリアン」が一番見応えがあり好きだな。
 この2曲のためにサントラ盤を買おうと思う。

 ジュディ・デンチのシャンソン風の「フォリー・ベルジェール」も巧いし、ペネロペ・クルスはエロ過ぎる。

 黒の衣装のオープニングと白い衣装のカーテンコール風エンディングが見事で、特にエンディングは、バックステージから最後のグイドのカットに至るまでの演出に、映画的興奮をおぼえゾクゾクさせられた。

 最後にグイドが静かに口にする言葉には、すべての映画への愛を、そして、巨匠へのオマージュを感じる。

    ◇

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