TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

「ショーケンという孤独」俳優萩原健一・再生への日々

 関東地区で日曜の昼に放送されているフジTVのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』。9月13日に放送された「ショーケンという孤独 俳優萩原健一・再生への日々」が、先週、やっと東海地区で深夜に放送された。

 TV『チューボーですよ!』でのマチャアキとの絡みでショーケンの復活は確信できていた。
 さらなる前進は、映画であり、音楽であり、ステージとなるわけだが、この番組、多分に映画『TAJOMARU』の番宣を兼ねていると言えないこともない。ただし、番組制作はショーケンの執行猶予満了に合わせた1年前の取材から作られている。
 瀬戸内寂聴、菊池武夫、蜷川幸雄、山本又一朗らのインタビューに混じって、肉親である兄や義兄らもカメラの前で語るショーケンの横顔。

 義兄の正直な言葉も、若手ミュージシャンのリスペクトも、スキャンダルで華やかしき頃のショーケンが常に頭の中にあるのだ。
 ポツリポツリと語るショーケンの言葉や行動から、蜷川幸雄の云う“トップランナーの辛さ”が痛いほど伝わってくる。
 これからのショーケンは生身の姿を見せていくしかない。
 番組は、ショーケンの素顔を映しだしていく。
 そのひとつ。これまで語られては知っていた、凄まじい仕事への取り組み方が曝された。

 小栗旬主演の『TAJOMARU』で、足利義政に扮したショーケン。
 準備稿段階から時代背景を調べ上げ、入念に人物像を作り上げるショーケンの、その尋常ならざる役づくりへの執念は、以前、同居する女性が怯えるほどと語られたとおりに証明される。
 プロデューサーの山本又一朗に、第二稿を決定稿として出してくれと注文したにもかかわらず、上がってきたのは間際になっての台詞の変更。
 監督に直談判して台詞を戻させはしたものの、そこには苦悩するショーケンが残されただけだ。ショーケンの頭のなかでは、血と汗で入魂した台詞が、たった一行の言葉で無茶苦茶になってしまっている。

「“一つのこと”“一つの台詞”“一行の台詞”が言えなかったり、ものすごく考えてくる人なんで~」

 山本又一朗がショーケンについて語った言葉なのに、あなた、それを判っていながらその扱いはないだろう。市川森一と共に脚本を執筆しているのは、水島力也というペンネームの山本又一朗自身ではないか。敏腕プロデューサーだけのことはあるが、ショーケンとはズレを感じる。

 カメラは台詞に閊えるショーケンを容赦なく納める。
 隣に座る若手俳優田中圭の心中を察して余るほど、見ていてドキドキものだ。監督に台詞の変更を申し出るくらいの気迫でありながら、結果は散々たるもの。この姿を若手俳優や若いスタッフはどう感じたことか、気になるところ。
 結局、そのシーンは6回のNGを出し、その後のショーケンの「もう、あとはいいよ」って感じの笑い顔が、寂しかった。

 善し悪しは別にして、黒沢監督らから経験で覚えてきた演技論や方法論が、今どきの現場では通用しないんじゃないか。ト書きに「ロックンロール・スピリッツで斬りまくる」なんて書かれた台本に戸惑ったショーケンが、いままでの方法論を捨てて取組んだというのだが、59歳、そうそう染み付いたものを振り落とすことはできないはず。

 台詞にこだわりセリフに四苦八苦していたショーケンの姿を映した後、撮影現場でショーケンが小栗旬と田中圭とすれ違う。階段での小栗旬の態度が気になった。あれでは小栗旬への誤解も生まれそう。もう少し編集の仕方があったろうに。

 若手イケメン俳優の濫立や、テレビドラマを基に安易な映画づくりが大手を振っている今の邦画界で、何かひとつでも波紋を起こしてほしいショーケン。
 恋に情熱を持てなくなったら、最後は仕事に情熱を注ぐと云ったショーケンの次作は、市川森一と組んで列車を舞台にした作品の構想を予告。

 仕事に魅了されている顔と、やんちゃだけど穏やかな笑顔のショーケン。
 ショーケンを“大物俳優”なんて呼ばないで。
 ショーケンは、どこまでも不良でいいのだ。

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Comment

なるきよ says... "お久しぶりです。"
・・・舞台挨拶の時、若手主要俳優さん3人のテンション低さと無愛想さに、「ちょっと・・・」って思いました。(特に○中くん)松方さんは菩薩のような微笑みを絶やさなかったのにね。
・・・御大はその場にいることに飽きちゃってるみたいでした。

これは、ストーリーがひどすぎる・・・。

ザ・ノンフィクションはカリスマホストを取り上げたりして、結構シビアで面白い番組です。
2009.10.18 22:18 | URL | #- [edit]
mickmac says... "Re: お久しぶりです。"
なるきよさん ドーモです。

舞台挨拶での熱の入れようが低いってのはどうなんでしょう。
ひとり気を吐いていたのはプロデューサーだけってか?

>これは、ストーリーがひどすぎる・・・。

『TAJOMARU』は、映画館の予告編で「カムイ外伝」「火天の城」と一緒に見たときに、これは観るのを辞めようと思いました(笑)。
だから、これに関しての意見は言えないのですが、番宣などに脚本家として市川森一氏の名前があまり出てこなかったように思いますが。
水島力也の力の方が勝っていたのか。

2009.10.19 10:58 | URL | #- [edit]

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