TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

「恐怖女子高校 暴行リンチ教室」*鈴木則文監督作品

暴行リンチ教室_

監督:鈴木則文
脚本:鴨井達比古
音楽:八木正夫
主題歌:「冷えた世代」須藤リカ
出演:杉本美樹、佐分利聖子、太田美鈴、早乙女りえ、叶優子、衣麻遼子、碧川ジュン、須藤リカ、水沢夕子、一の瀬レナ、三原葉子、今井健二、金子信雄、渡瀬恒彦、池玲子

☆☆☆★ 1973年/東映/88分

    ◇

 『恐怖女子高校 女暴力教室』につづくシリーズ第2弾は、荒唐無稽さとエロ&バイオレンスは前作以上で、鈴木則文監督の娯楽の醍醐味と反骨が目一杯詰め込まれている。

 “スケバンの墓場”と呼ばれる「希望学園」は、実権を握る教頭(今井健二)と彼と結託する洋子(衣麻遼子)ら風紀委員たち(叶優子、須藤リカ、一の瀬レナほか)が暴力で支配する恐怖女子高校。学園の悪の実態を知り楯突いてきた転校生には惨い制裁を加え抹殺し、学園は警察を買収して事件を揉み消している。
 数日後、3人の転入生がやってくる。高崎で番を張っていた“カミソリ・レミ”こと北野レミ(太田美鈴)、大阪で幅を利かせていた“シロシロお京”こと久保京子(佐分利聖子)、そして横浜で名を轟かせていた“十字架典子”こと風間典子(杉本美樹)の3人だ。
 風紀委員の思うようにならない3人に、新たに“カツアゲの純子”(早乙女りえ)と“美人局の伸江”(水沢夕子)が仲間に加わる。そして、数日前に亡くなった転校生が典子の片腕の番格だった“ゴロまきの道代”だったことを知り、彼女たちは学園の体制をブッ潰すことで結束する。
 同じ頃、トップ屋(渡瀬恒彦)が学園の理事長(金子信雄)の黒い噂を暴くために学園に近づいてきた。
 ある日、典子を追いかけて関東女番長同盟総番長・多岐川真紀(池玲子)が学園に乗り込んでくる………。

    ◇

 今作は、杉本美樹に“復讐”の刃を持たせた勧善懲悪の図式で盛り上がる。鈴木則文監督の反権力・反体制の姿勢が一貫していて、ラストは“女子高生vs機動隊”のバリケート闘争となりクライマックスを迎えるのだから、痛快。

 オープニングから過激なリンチシーンが見られるが、様式美として赤いゴム手袋と赤マスクで顔を隠すセーラー服の一団が、ホラーさながらの異様さで目を惹く。ちなみに前作でも衣麻遼子たちは赤マスクを着用して登場し、次作では剣道着姿の池玲子たちが赤い面と赤い竹刀を持つのである。

 転入してくる3人の登場シーンには、それぞれの見せ場がつくられている。特に、美人の太田美鈴のドスの利いた声は迫力満点。半端ない本物のスケバンだったと云われる所以か、本業は歌手なのに全編に渡っての凄みは出演女優のなかで一番。
 水沢夕子も本業は歌手。唯一の映画出演である。

 さて池玲子。主役を杉本美樹に明け渡し、映画の半分が過ぎたころにやっと登場するという扱いだが、あいかわらず姐御気取りの存在感はピカイチで、颯爽とバイクを駆っての登場から仁義まで、場面をさらう姿に観客はしびれるのだ。

 「あたしゃ生憎生国と発しまするところ、関西です。林芙美子の名作で知られた尾道生まれ…………」
 これは、前作『恐怖女子高校 女暴力教室』での池玲子のタイマン仁義で、文学路線ににやりとした口上。さて今回は
 「わけありましてタイマン仁義、発します。わたくし、生まれも育ちも関東です。関東は太宰治がグッドバイした桜上水に生まれ落ち、ネオンきらめく東京副都心、ジュクの巷に育ちました。目と鼻の先のネリカン出たり入ったり。今じゃ関東スケバン同盟、38グループをおさえましてのスケバン、多岐川真紀です。おまえさんとサシのタイマン、お願い致します。」
 人間失格ときたもんだ。

 受けてたつ杉本美樹。
 「仁義、受けさせて貰います。わたくし、ミナト横浜伊勢崎生まれ。ガキの頃よりミッション育ち。小学・中学・高校と、流れ歩いた学校十と四つ。男泣かせの十字架に、女を捨てたスケバン稼業。人呼んで、十字架典子。おまえさんのタイマン仁義、しかとお受け致します。」
 そして、池玲子と杉本美樹とのキャット・ファイト、と期待しつつも肩透かしを喰う。

 いち時期、池玲子がホサれている間に『女番長シリーズ』の主役を獲った杉本美樹が、このシリーズでは1作目から主役として活躍している。どちらかが主役のとき常に助演のカタチで出演する二人は、演技力では池玲子の方が上と見ているが杉本美樹の存在感がその上をいくときもある。クールな佇まいと乾いた演技で魅せてくれるのは、断然杉本美樹であろう。女優としてのライバル意識は相当強くあり、仲がいいとは思えない。
 その二人が作品の中でタイマン勝負を見せてくれるのが、観客のお目当てでもあったはず。その勝負がこの作品では見られない。
 この後、今度は杉本美樹が仕事へのモチベーション不足などでホサれることになり、池玲子との勝負は半年後の『前科おんな 殺し節』で復帰するまでお預けになる。

 さて、復讐が終るまで待ってくれと願う杉本美樹に、池玲子はオートバイでドラム缶越えを条件に出す。キャット・ファイトに代わるひとつの見せ場。池玲子にしても杉本美樹にしても、これまでスタントなしでアクションをやってきたと思うのだが、さすがにこれはスタントだろうな。

 このあと池玲子は、リンチを受ける杉本美樹を救出したり、杉本美樹と衣麻遼子とのタイマン勝負の見届け人になったりと大忙し。あげくに、学園封鎖のバリケードの先頭で陣を執り、終ってみれば「ネリカンで決着つけよう」と杉本美樹らと一緒に護送車に乗り込むのだった。

 女優の引き立て役ながらハードボイルドに決めていた渡瀬恒彦だったが、最後の最後に笑いをとるサービスぶりにアレレレレ。


スポンサーサイト

Comment

HSE says... "杉本美樹"
杉本のスキャンダルってなんでしょうか。池のスキャンダルはwikiにも記載があるようですが、杉本関連は情報が少ないのでご存知だったら幸いです。池は覚せい剤とかヤクザの組長の情婦だったとか本物のズベ公だったみたいですが、杉本は態度とは裏腹に、どことなく上品さを感じさせます。やばいスキャンダルでなければよいのですが。
2011.07.18 14:58 | URL | #wLMIWoss [edit]
mickmac says... "Re: 杉本美樹"
HSEさん はじめまして
レスが遅くなりました。

>杉本のスキャンダルってなんでしょうか。

東映ピンキー映画のツートップだった池玲子と杉本美樹のふたり。
スキャンダル女王の池玲子に対して、杉本美樹は「保母さんになる」と突然の引退宣言やヌードになることを拒否したりと、業界内でのわがままのような事案はありました。
痛いところを突かれてしまいましたが、「スキャンダル」と云う表現は相応しくなかったですね。
逆に、当時のピンキー女優としてはギャラをキチンと貯金するシッカリ者で、中学の同級生と結婚、双子の母として幸せな家庭を築いているそうです。
失礼しました。
2011.07.19 20:04 | URL | #- [edit]
HSE says... ""
http://www.news-postseven.com/archives/20100920_845.html

池さんもも今は幸せな人生を送っているようです。
2011.07.20 09:20 | URL | #wLMIWoss [edit]

Post comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

trackbackURL:http://teaforone.blog4.fc2.com/tb.php/569-73e132dd