TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

「ミリオンダラー・ベイビー」



Million Doller Baby
監督:クリント・イーストウッド
脚本:ポール・ハギス
原作:F.X.トゥール
出演:ヒラリー・スワンク、クリント・イーストウッド、モーガン・フリーマン

☆☆☆☆★  2004年/アメリカ/133分

    ◇

 初日のレイトショーで観た。帰り道は無言。日にちが経つごとに心のなかに沈澱してくる作品だ。  
 
 ボクシング映画でも、サクセスストーリーでもないことはわかっていた。だから、こんな展開になるのか。ネタバレになるから何も書けないこの展開は困る。嫌いじゃないだけに……本当に、困る……。
 
   ◇       ◇
 
 負の人生を歩む人間たちの物語だが、決して“負け犬”なんかじゃない。
 背負った人生を、どう生きていけばいいのかってことだ。

  “タフなだけではボクサーにはなれない(生きてはいけない)”

 ハードボイルド風のこの一節がそのまま当て嵌まる3人の人生物語。
 
 実にシンプルに、静かに進行していく演出は、イーストウッドの老練さ。
 モーガン・フリーマンの深く渋いモノローグは「ショーシャンクの空に」のように味わいがあり、最後はまるで神の声に聴こえる。
 ヒラリー・スワンクは本物のボクサーだ。彼女こそ肉体派女優と呼べるだろう。モーガン・フリーマンとヒラリー・スワンクのふたりがアカデミー賞に輝いたことは当然。ここまでされたら………異存はない。

 本当の家族の残酷な仕打ちは、血の通わない者同士の絆を強める。血が通わないからこその、いたわりと愛情の深さ。そんな思いがぎゅっと凝縮されている。
 フランキー(C・イーストウッド)とマギー(H・スワンク)の関係と同じくらい、スクラップ(M・フリーマン)がデンジャーを見る目の優しさにも安堵をおぼえる。

 そして、最後に観客の心に残すものは、半端なものじゃない。
 ただその結末は、前回の「ミスティック・リバー」の暗澹たる終わり方よりも神聖な感じを受ける。それは、魂の居所がしっかりと観客のなかに収 まり、純粋さだけが残るからなのだろう。魂の浄化と呼んでもいいかもしれない。だから、イーストウッドとカトリックの神父とのシーンがいく度となく出てくるのが重要になってくる。

 ラストカットの曇りガラスが、深い余韻で滲んでいる。

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Comment

ダーリン/Oh-Well says... ""
☆micmacさん、初めてご挨拶に伺いました、

拙ブログをお披露目した頃、『欲望』のエントリー
に(―前段でチラと書いた『恐怖の報酬』で(^^)
ご反応・コメントを頂きありがとうございました。

***

>初日のレイトショーで観た。

僕も同様です、

この映画...『ミリオンダラー・ベイビー』、
僕は再鑑賞して、今一度自分の内に納めておきたいと思っています、

いま、
僕など、6/29(水)から全世界一斉公開(!)される
『宇宙戦争』にそわそわし始めて((^^;いますから、
明日何とか時間を作り出せればと思っています。

それでは、また遊びに来させてください。
2005.06.18 03:08 | URL | #zgrBt/Yo [edit]
mickmac says... ">ダーリンさん"
ようこそ、です。
『恐怖の報酬』に関しては、あれからキチンと鑑賞し直してみようと思いつつ、中々家で観る時間がない、と自分に言い訳している毎日です(笑)。

『ミリオンダラー・ベイビー』は大事な映画です。たしかに。

『宇宙戦争』の初日は平日の水曜日ですよね……ぼくも、出来るだけ当日のレイトショーを観るつもりです。
『We are nto alone』ですよ。
2005.06.19 23:40 | URL | #kuX..F9k [edit]

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■〔映画鑑賞メモVol.1〕『ミリオンダラー・ベイビー』(2004/クリント・イーストウッド)
皆さん、こんばんは~私め、昨晩のレイトショーで『ミリオンダラー・ベイビー』を鑑賞いたしました!じわりじわり、映画のあれこれが今甦って来ています。うーん、鑑賞した昨日よりも、むしろ、日が変わった今日の方が『ミリオンダラー・ベイビー』という映画の余韻に浸らず