TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

「六本木心中」桃井かおり

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桃井かおり◆ 六本木心中/やさしい女 1973年

 射すような眼差しと、濡れたブラウス姿に、「赤い鳥逃げた?」のマコが写っているかのような、息を飲むジャケット。
 これは、1973年にリリースされた桃井かおりのデビュー・シングル。「エロスは甘き香り」にも出演していた頃の桃井かおりである。

 アン・ルイスが歌った「六本木心中」より、もっともっと前に作られた同名曲は、72年に大ブームとなった上村一夫の『同棲時代』を、歌とナレーションで綴ったアルバム『同棲時代 春・夏・秋・冬』からカッティングされた一曲で、桃井かおりと小倉一郎のナレーションで始まる。

 「………こわい」
 「こわい?」
 「繰り返すことが…………こわいの」
 「死んじゃおか?」

 暗いトーンのふたりのつぶやきのあと、やけに明るくリズミカルなメロディに乗って歌われる桃井かおりの拙い歌声は、異質空間を滑空するような妙な感覚をおぼえる。

 渚で魚が死んだ日に  あたしに夏が訪れた
 飛べないカモメを拾い上げ  あなたが突然現れた
      ………………
 死んでゆくから生きるといったあなた 
 あなたがこわくて  泣きました

 幻のデビュー曲と云われていたのだが、2003年にリリースされたCD「GOLDEN ☆ BEST / 桃井かおり」で初CD化されているので、いまでは、このジャケットの存在のみが貴重である。
 
 B面「やさしい女」も同タイトルに中島みゆきの曲があるが、もちろん同名異曲。
 両面とも、上村一夫の作詞に中村泰士の作曲で、70年代はじめまでのシラケ世代の虚無感が漂う逸品である。

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