TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

歌謡曲外伝【サブとかすみと利夫編】

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萩原健一◆ お前に惚れた/兄貴のブギ 1975年

 ソロデビュー作の『ブルージンの子守唄』と同じ阿久悠作詞のシングル第2弾は、ロッカー・ショーケンが見せた歌謡曲を歌う役者の顔である。
 朋友井上堯之の作曲で、演奏は井上堯之スペシャルバンド。
 なんと云ってもこの歌は、冒頭の語りですべての女の子をシビレさせている。いや、男をも魅了させる“間”は、そう、まるで高倉健さんと同じなのよ。

 二十何年…生きてきて~ いろんな女も見てきたけど 
 その~ おまえのような~ おんなに~
 出逢ったことなかったよ
 いや ホント  
 ………
 ホレたよ


 この歌を出したあと、かねてより「映画は神代辰巳、テレビは倉本聰」と云っていたショーケンは、TVドラマ『前略おふくろ様』に出演した。

 B面「兄貴のブギ」は、ブギウギ三人衆が作詞作曲した修とアキラのロックンブギー。
 ジャケ裏に“水谷豊友情出演”と書いてあるように(第二版ではジャケの表面に大きく書かれるようになった)、ブギウギ三人衆とはショーケンと水谷豊と井上堯之のことで、やはりこれも井上堯之スペシャルバンドが演奏している。
 ゴキゲンなのは、歌の合間の修ちゃんとアキラの掛け合い。

 昭和げんろく イイカげんろく
 男マリリン 何処へイクイク
 
    ◇

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川谷拓三◆ 殺〈や〉られ節/昭和の子守唄 1976年

 東映大部屋俳優出身で“3000回殺された男”と異名を持ち、端役とはいえ、役者としてのプロ意識の壮絶さでは伝説として語り継がれている拓ボン。
 鶴田浩二と深作欣二を生涯の師とした、その語りがイイっ。

 『仁義なき戦いシリーズ』で頭角を現わし、川谷のファンだったショーケンの誘いで『前略おふくろ様』に利夫役で出演。これで一気に名が知れた拓ボンだが、やはりいつまでも映画俳優でありつづけた川谷拓三である。どこまでも、端役こそが真骨頂。

 チンピラ役者の悲哀を見事に唄い語った「殺〈や〉られ節」は、深作欣二の詞に平尾昌晃『必殺!』調の曲が付いている。

 映画の俳優ちゅうても、いろいろありまんねん。
 先生と呼ばれな返事もせん大スター。けど、 
 これがわいらになったら「このボケ!カス!
 もっと身ィ入れて歩かんかい!!」名前も呼んでくれしまへん。
 「なんや偉そうにこら、ワレなんぼのもんじゃい。男同志で勝負したろか!」
 と、こう思うても、ぐっとこらえて我慢して、顔で笑うて芝居する。
 なんや健さんやら文太はんみたいでんな。
 せやけど、夢だけは持ってまんおやで、わしかて男や。
 大スターとサシで勝負して、わいの方がうまいやんか、
 ちゅうな事云われたら、こらもう死んでもかましまへん
 …………せやけどなぁ。


 B面「昭和の子守唄」は、荒木一郎作詞・平尾昌晃作曲の『必殺シリーズ』のコンビとなる。
 育ちがいい荒木一郎も、俳優業では敵役がほとんど。大部屋俳優たちの心情は、よ~く理解している立場だっただろう、この台詞よ。

 小百合さん、役者ってェのはね、殺されるったって
 なんでもいいから殺されるって訳にゃいかねェんですよ。
 小さい、ほんとに小さい台詞の無えような役でもね、
 そいつには、そいつなりの死に方ってェのがあるんだ。
 いや…………あるんですよ。
 なんせ、人ひとり死ぬんだ、大事に死んでやらなくっちゃァね。

 
    ◇

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坂口良子◆ サヨナラの下書/One Room 1978年

 『前略おふくろ様』のかすみチャンこと坂口良子が歌うは、両面とも島武実作詞・宇崎竜童作曲。
 木之内みどりの『硝子坂』辺りを継承していて、クールな大人の女性を感じさせる少女の歌声がいい。残念ながら少し声量不足ではあるが、可愛いのだからイイのだ。


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Comment

なるときよし says... ""
数十年、亨ちゃんの数少ないお友達、ゲイバー、ゴールデンボールのとん子が気になってます。ぜひお姿を拝見したい。

「惚れた」感想はマイブログのとおり。

たくぼんは子供心に、のこぎり挽きの刑になったり、つるされたり、警察でパンツ脱がされて取り調べされたりするひとなんだなあと思ってました。

あしたのジョー2の主題歌ミッドナイトブルースを原田さんが歌ってました。やっぱり荒木さんが落ち着く。
2009.06.11 21:11 | URL | #- [edit]
mickmac says... "Re: タイトルなし"
「二十何年生きてきて~」は照れますか……
たしかに、時代がかってるからね。
でも、リアルタイムで聴いて者には、健さんと同じくらいカッコいいのよね(笑)。
あ、健さんの世界もピンとこないかも………

生涯脇役人生の映画人拓ボンは54歳で逝ってしまいましたからねぇ………室田さんもいないもんなぁ…………。

>ミッドナイトブルースを原田さんが歌ってました

荒木さんの「ONE NIGHT STAND」でしたね。
横山剣さんが「いとしのマックス」を、
竜童さんが「君に捧げるほろ苦いブルース」を、
キヨシローが「今夜は踊ろう」を、
このアルバム大好きです。
2009.06.12 00:31 | URL | #- [edit]
なるときよし says... "いとしのマックス"
グランツーリズモあたりかなあ。ブーガルー(私は定義がよくわかってない)だの昭和プレイボーイだの夜のソウルだのの頃ですね。

これは剣さんの方が本家より好き。
蛭子さんまでカバーしてたとは!(つべで聴いた。)

あー、高倉健さん、苦手です。
素直な人が好きなので。
2009.06.12 09:44 | URL | #- [edit]
ちゃーすけ says... ""
「前略おふくろ様」と「傷だらけの天使」、両方のファンが喜ぶシングルですねえ。
ショーケンはもちろんですが、水谷さんも素晴らしい。

川谷拓三さんの歌は、「必殺からくり人」の「負け犬のブルース」で初めて聴きました。
川谷さんが持つ「人生いろいろあったんだろうな」と思わせるキャラクターにピッタリ。
♪安酒の味も色も染み付いたぜ…
もちろん、荒木一郎作詞・平尾昌晃作曲です。
この歌詞で、ここまで哀愁を漂わせられるのは、川谷さんしかいない。

坂口良子さんは、「まるで少年のように」という曲が好きでした。

歌唱力は足りない風でしたが、サビの部分のちょっとかすれた声がかわいかった。
この役は元不良の、4人姉妹の次女…だったかな。
毎回ヘアアレンジを変えて登場してくれて、とっても楽しくて好きでした。
メインに繰り広げられた突っ張った彼女の恋は実らなかったのが、未だに残念。
2009.06.12 18:18 | URL | #a2H6GHBU [edit]
mickmac says... "Re: いとしのマックス"
なるときよしさん

>つべで聴いた。

て、なんでしょう?

蛭子さんの「いとしのマックス」は、映画『歌謡曲だよ、人生は』のDVD特典で見聞きできますが、武田真治をバックに従えての熱唱(笑)に大笑いですぅ~。
2009.06.14 17:58 | URL | #- [edit]
mickmac says... "Re: タイトルなし"
ちゃーすけさん 

早坂暁さんの脚本の『必殺からくり人』は少し毛色が違っていましたよね。
エンディング.テーマの拓ボンでしたが、『必殺シリーズ』への出演って、たしか深作監督の映画版にしか出演していませんよね。
なんか、レギュラー出演していたような気がするんですがね………。
2009.06.14 17:58 | URL | #- [edit]

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