TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

ザ・ローリング・ストーンズ「シャイン・ア・ライト」*マーティン・スコセッシ監督作品



 2006年秋、ニューヨークのビーコン・シアターというわずか2800席の小さな劇場で行われたザ・ローリング・ストーンズのライヴ・ドキュメントである。
 さいたまスーパーアリーナと名古屋ドームで見てから半年後のステージは、ある意味、生のコンサートを見るよりリアルなステージを体感できた。

 モンスターバンドと化したストーンズは、どうしてもスタジアム級のライヴを強いられているし、ミック自身大きな空間で演る方を好んでいるようなのだが、ロック・バンドは演奏者同士はもちろん、観客とのコミュニケーションが大事なのがよく分かる。
 ファンは、いつでもステージ最前列でバンドを見たいもの。映画はその経験を体感させてくれる。
 とにかく凄いロックドキュメンタリーなのだ。ドキュメンタリーって言ったって、インタビューやら過去映像は最小限に抑えられ、とにかくライヴ優先。そこは大のストーズ・ファンでもあり、ブルースとロックに造詣が深いマーティン・スコセッシ監督の巧みな手腕が発揮されている。
 20台近いカメラをミックやキースの邪魔にならない至る所に配置し、ステージを縦横無尽に動きまわるミックやキース、そしてほかのメンバーとのステージ上でのコミュニケーションをつぶさに撮えている。小さな会場だからロングショットと言ってもしれている。普通のライヴ映像、ましてやコンサートの大きなプロジェクターでも見ることができない彼らの表情を楽しむことができる。

 たとえば、キースが吸っている煙草を吐き捨てると、ライトの逆光で灰がキラキラとキースの顔の周りを舞うシーンの何とも美しいこと。映像作家スコセッシだからこそ見逃さないカットだろうし、また、「悪魔を憐れむ歌」でのミックが登場するシーンの際立つ美しさも見事。

 しかし映像以上に凄いのは、ボブ・クリアマウンテンの作り出すサウンドだ。
 キースのソロ、あるいはロニーが近づいてくると大きくフィーチャーされるギター音。その生々しさにゾクゾクさせられる。チャーリーの叩くバスドラム、ボビー・キーズのサックス・ソロ……それぞれが、ライヴでこそ聴こえてくるようなバランスで観客の耳に響いてくるのだ。この音響があってこそのライヴ体験映画と云える。
 面白いのが、ステージを映した画面手前に観客の持ったデジカメが映った瞬間、そのシャッター音を大きな効果音として使う。なんと云うユーモア。

 映画の冒頭20分ほどは、ライヴ当日までの監督やスタッフらとストーンズ側(主にミックだが)とのリアルなやりとりと緊張感が映され、主賓でもあるクリントン元大統領一行(10月29日のコンサートはクリントンのチャリティー団体募金活動の一環として開催された)とのバックステージも垣間見られる。
 主賓らへの挨拶にウンザリするチャーリーや、キースのジョークが面白い。

 黒のロングコートを羽織り、ギターを持たずに「You Got Silver」を歌うキースがムチャクチャ格好いいのだが、ところどころにショーケンの姿が浮かんできたのはぼくだけだろうか。マイクから離れる仕草が似ており、ふたりとも、ステージに醸し出されるロック・スピリチュアルが同じという点で納得した。



映画のチラシと前売り券購入特典の大型ポストカード

SHINE A LIGHT
監督:マーティン・スコセッシ
出演:ザ・ローリング・ストーンズ、クリスティーナ・アギレラ、バディ・ガイ、ジャック・ホワイト

☆☆☆☆ 2008年/アメリカ/122分

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Comment

なるときよし says... "週刊文春の"
映画評論を立ち読みして、
中野翠とおすぎが星五つつけてるやつは必ず見に行きます。このふたり、趣味が偏ってて、辛口です。あんまり共通して褒めてるの少ないし。

これは二人とも星五つでした。見に行こう。恥ずかしながら、ストーンズ、全然しらなくて「悪魔を憐れむ歌」は、ショーケンバージョンのみしか知りません。
2008.12.08 19:28 | URL | #- [edit]
mickmac says... ""
なるときよしさん 

>中野翠とおすぎが星五つつけてるやつは必ず見に行きます。このふたり、趣味が偏ってて、辛口です。

よ~く分かりますよ。
で、おすぎさんが星五つつけているって聞いていたので、ちょっとビックリ?(笑)
文春を読んでいないので、コメントが気になります。

『悪魔を憐れむ歌』はショーケンにピッタリだと思いますね。

ショーケン・ファンならストーンズを知らなくても大丈夫。
絶対に楽しめますよ。
顔の皺が深くなったミックとキースだけど、ステージでの美しさにはホレボレするはず。
ショーケンやジュリーに参るのとおんなじですから。
2008.12.09 00:14 | URL | #- [edit]

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