TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

名優、逝く

 先月のポール・ニューマンといい緒形拳といい、ふたりとも少年期から青年期に見たドラマや映画のド真ん中にいた俳優が逝ってしまった。

 60年代、はじめての緒形拳は『太閤記』の秀吉であり、方やポール・ニューマンは『動く標的』のタフな私立探偵ルー・ハーパーだった。

 『スティング』を見た70年代は、『必殺仕掛人』に夢中になっていた。
 何人もの藤枝梅安役はいるが、一番は拳さんだ。
 
 80年代には、正義に苦悩する弁護士ポール・ニューマン(『評決』)と、オールバックの悪らつデカ緒形拳(『野獣刑事』)がいた。

 五社英雄、深作欣二、野村芳太郎、今村昌平………気骨ある映画作家の映像の中に、骨太役者の拳さんはとてもお似合いだった。

 『砂の器』『鬼畜』『復讐するは我にあり』『わるいやつら』『魚影の群れ』『女衒』『大誘拐』『GONIN2』…………『阿修羅のごとく』『さよならお竜さん』

 怒った表情と笑った表情、その大きなギャップが魅力だった。
 厳つい役も、飄々とした役も、どんな役でも演じきた。
 
 血まみれで鬼気迫る石井隆作品『GONIN2』。
 殺し屋鶴見辰吾を一刀両断する拳さん。
 物語のラスト、放心した拳さんの元に亡くなった妻・多岐川裕美の遺体を運んでくる余貴美子と夏川結衣、喜多嶋舞。探していたキャッツアイの指輪を渡しながら、「元気でた?みんなで一緒に逃げよ」と声を掛ける余さん。
余さんと拳さんの視線が交差する素敵な場面。

 最後の作品は9日から放送の連続ドラマ『風のガーデン』。
 倉本聰作品は『さよならお竜さん』以来だろうか。
 ドラマの収録は既に全部終えているという。
 俳優として、最低限迷惑をかけずに逝ってしまった。

 ご冥福をお祈りします。

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