TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

「百万円と苦虫女」



脚本・監督:タナダユキ
出演:蒼井優、森山未來、竹財輝之助、ピエール瀧、笹野高史、佐々木すみ江、キムラ緑子、矢島健一、齋藤隆成、平岩紙、斉藤歩、堀部圭亮、石田太郎、嶋田久作、モロ師岡

☆☆☆☆ 2008年/日本・日活/122分

    ◇

 短大を卒業してバイト生活をしていた鈴子は、ちょっとしたことから警察沙汰になり前科が付いてしまう。腫れ物を触るように接する両親や、中学受験を控える成績優秀な弟の非難を浴び、鈴子は「家を出る」と宣言し実行する。

 人とコミュニケーションをとるのが苦手で、人との関わりを避けるように、100万円貯まるたびに誰も知らない土地へ旅をすることをルールに、“流れ者”として彷徨うヒロイン。
 
 蒼井優のゆらりとした佇まいと、その圧倒的な存在感が、最高に気持ちいい映画だ。
 こころの機微を丁寧に演じる蒼井優はさすがである。
 映画に流れるゆるさと、台詞に感じられるリアリティは、蒼井優のドキュメンタリーを見ているような気にさせられるが、タナダユキ監督は蒼井優を当て書きに脚本を執筆したというから道理ではないか。

 “自分探しじゃない…………探さなくても、いやでも自分はここにいるから”
 この、自分自身をしっかりと背負い自分と向き合っているヒロインの言葉は深い。

 からかう同級生に啖呵をきる鈴子の姿を見かけた弟が、鈴子と並んで手をつなぎ「家を出ても手紙を書いてね」と言葉をかける帰り道。
 二十歳そこそこの女の子が100万円を貯める非現実性が、この弟との手紙のやりとりで、お伽話のような旅と弟の現実世界がつながる。

 どこの土地へ行っても、鈴子が住むがらんとした部屋には手作りのカーテンが一対、常に持ち運ばれ掛けられる。ただひとつある住まいの香りと面影。このディテールがいい。

 そして、凡庸な青春映画を蹴飛ばすようなラストシーンは秀逸。
 蒼井優の表情が爽快だ。

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Comment

ワトソン says... "ファンになりました。"
こんにちは~
蒼井優良かったですね。
ラストも決まったし、青春映画史に残したい
作品でした。
ベタつかない演出がさわやかでした。
2008.07.30 08:00 | URL | #- [edit]
mickmac says... ""
ワトソンさん こんにちは

この作品、確実に今年のベストに推することができますね。

主役としての蒼井優の魅力を再確認した気がします。

岩井俊二作品は苦手でどれも途中でリタイアしましたが(笑)、『フラガール』があまりに良かったです。

TVも「タイガー&ドラゴン」のあの役は面白かったし、「Dr.コトー」も存在感ばっちりだったし。
最近は「おせん」があまりに嵌っていました。
2008.07.31 13:04 | URL | #- [edit]

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