TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

「わらしべ夫婦双六旅」



新橋演舞場(2008年2月1日~25日・全36公演)
◆作:中島淳彦 
◆演出:ラサール石井
◆出演:中村勘三郎、藤山直美、余貴美子、上島竜兵、矢口真里、新谷真弓、土屋良太、魁三太郎、坂本あきらほか
◆観劇日:2008年2月23日 1階7列25番
◆上演時間:150分
 
    ◇

 25日に千秋楽を迎えたこの芝居を、土曜日に観てきた。
 新橋演舞場は初めてだし、藤山直美の新喜劇も中村勘三郎の芝居も初めて。
 このふたりの共演で面白くない訳がなく、十二分に楽しめた舞台だった。
 拾い物と云っては失礼だが、ダチョウ倶楽部の上島竜兵が愛すべきキャラクターであり、芝居も泣ける結末を持ってくるなんぞ、ラサール石井の演出も心憎いものがあった。

    ◇

 舞台は大正時代。小間物屋の六助(中村勘三郎)は、博打好きな次男坊だが商売上手な細工職人。嫁いできた女房いち(藤山直美)は大の博打嫌いだが心底六助を愛している。彼女のおかげで、六助は堅気に商売をしていられる。
 しかし、戦争特需の景気も終わり、店の斜陽とお家騒動から店を追い出されてしまい、大阪で再起を図ろうと、さいころの目で行き先を決め、わらしべ長者を目指して旅に出ることになる。
 一方、質屋を商う幸平(上島竜兵)も大の博打好きで、しっかり者の幸江(余貴美子)には頭が上がらない。このふたりも夜逃げ同然で東京を後にするが、怪しい兄弟ふたり(魁三太郎&坂本あきら)が幸平を付け狙ったり、六助の妹(新谷真弓)や旅芸人一座(矢口真里ら)、そして幸平の借金を取り立てる博徒などもあとにつづき、双六旅が始まった………。

    ◇

 ふた組の夫婦は、どちらも“おもろい夫婦”……それを実に楽しそうに演じる4人の役者が、お互い持ち味がふんだんに出ていたと思う。

 勘三郎と藤山直美のコンビネーションは、やっぱりそのエンターテインメントな笑いに見応えあり。
 直美さんの下ネタ攻勢も彼女独特の可愛らしさでいなされ、どんな展開でもしっかりとお客の視線を放さない表現力には脱帽。今さらながら、凄い役者!という表現しか思いつかない。

 勘三郎と上島竜兵との掛け合いは、テレビで見せる竜ちゃんキャラをふんだんにイジる演出。アドリブに見えて実は計算されていたと思うのだが、笑いを堪える余さんの仕種を見ていると、日によって毎回違うフリを出しているのだろう。
 勘三郎さんが、竜ちゃんのピン芸が大好きなんだなと思わせるものだった。

 そんなドタバタになる舞台、勘三郎と藤山直美の笑いに挟まれて、ほろりとする芝居を魅せてくれた余さんは、なんと、久々に歌声も聴かせてくれた。
 大人の色気で立ち振る舞う余さんの演技が素晴らしく、どうしようもない旦那を庇い、一途に、愛する男に身を捧げる女っぷりのいい役柄は秀逸で、それが、クライマックスで思わぬ涙を誘うとは………。

 ケラリーノ・サンドロヴィッチ主宰【ナイロン100℃】の女優・新谷真弓の弾けっぷり。【劇団 東京ヴォードヴィルショー】の旗揚げメンバーだった魁三太郎と坂本あきらの凸凹コンビぶり。そんな喜劇人パワー炸裂のなか、元モー娘。の矢口真里の奮闘ぶりは微笑ましく、決して悪い出来ではなかった。

 アンコールは2回。幕が下りる寸前まで、何度もお客を笑わせる藤山直美。そのサービス精神旺盛な血脈に、商業演劇の醍醐味を堪能させられた。


 

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