TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

「アメリカン・ギャングスター」



American Gangster
監督:リドリー・スコット
脚本:スティーヴン・ザイリアン
主演:デンゼル・ワシントン、ラッセル・クロウ、ヒューイ・ルーカス、テッド・レヴィン、ニッキー・バーンズ、ジョシュ・ブローリン、ルビー・ディー、アーマンド・アサンテ

☆☆☆☆ 2007年/アメリカ/157分

    ◇

 リドリー・スコット監督の70年代のニューヨークを舞台にした暗黒街映画と聞いただけで、まずは期待度一番。そして、デンゼル・ワシントンが黒人ギャングを演じるとなると、ますます見逃すわけにはいかない映画だ。

 まったく対照的な男と男の闘いが実録サスペンスとして描かれ、ギャング(マフィアではない)と警察の対立だからと云って血なまぐさいシーン(デンゼル・ワシントンの冷酷ぶりは圧倒される)はあまりなく、むしろ“悪玉”と“善玉”といった簡単な構図にせず、じっくりと主人公ふたりの人間性を描き、ドラマに奥行きと重厚感を創り出している。そして、終盤のスリリングな展開は娯楽映画としても申し分ない。

 1968年、ニューヨークのハーレムを牛耳っていた黒人ギャングのボス・バンピー亡き後、彼の運転手をしていたフランク・ルーカス(デンゼル・ワシントン)が、東南アジア から独自ルートで麻薬を直接仕入れ、ヘロイン・ビジネスの一大帝国に君臨する。時はベトナム戦争末期。

 一方、当時ニューヨークを汚染していたのは麻薬ばかりではなく、警察内部の汚職が公然と行われていた。
 そんな中、ニュージャージ州の刑事リッチー・ロバーツ(ラッセル・クロウ)は職務に誠実な行動を貫き、他の警官らからは疎まれ孤立していた。ある日、司法試験を目指していた彼に検察官から特別麻薬捜査班のチーフに任命される。
 絶対的な信頼をおける部下だけを集め独自に捜査を進める彼等の前に、フランク・ルーカスの存在が浮かび上がる………。
 
 実在の麻薬王のストーリーとともに描かれるニューヨーク警察の腐敗ぶりは、W.フリードキンの『フレンチ・コネクション』('71)やシドニー・ルメットの『セルピコ』('73)でお馴染みだ。
 『フレンチ・コネクション』で描かれたイーガン刑事(映画ではドイル刑事)が大量に押収した麻薬が、警察内部の持ち出しでニューヨークのコカイン市場に流されていたなんていうリアルな話もでてくる。

    ◇

 新作映画なのでこれ以上細かいことは書かない。
 ただ参考のために、やはりエンドロールの最後まで席を立たないように。
 ハリウッド映画の悪習となった5分10分が当たり前の長い長いクレジットロールだが、最後の一撃を見逃す手はない。
 157分の超大作は決してダレることなく、料金に見合うだけの満足を得ることができるはずだから、スクリーンの幕が閉じるまで総て映画を楽しみたい。

 サム&デイブの『ホールド・オン・アイム・カミン』や、70年代のニュー・ソウルで有名なB.ウーマックの『110番交差点』、ロウエル・フルスンやジョン・リー・フッカーのブルースが印象的に流れるのもカッコいい。

 1976年に初めてニューヨークへ行ったとき、街はまだまだ恐い場所がそこらじゅうにあった。『タクシードライバー』で見た通りの42丁目辺りを、今では夜に子供連れで歩けるなんて夢のよう。映画を観ながら、70年代のニューヨークを懐かしんだ。


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Comment

ワトソン says... "70年代ですね。"
こんばんは~
久々に面白い作品を観た気がします。
麻薬と警察の汚職。
フランキーのドラッグビジネスは画期的な安売り王状態でしたね。
リッチーは「アンタッチャブル」を思い出しました。
ソウルミュージック満載のサウンドトラックが欲しくなりました。
これは買いかもですね。
2008.02.07 23:10 | URL | #- [edit]
mickmac says... ""
最近はアクション系のハリウッド映画を観なくなりました。
アクションにまでCGばかり使われては、例えば逆にカーチェイスやスタントの迫力が失せてます。
己の肉体を使え~と叫びたくなるのです。

で、今回のこの社会派ギャング映画(?)は、70年代の空気がプンプンしていて、久々に大満足出来る人間ドラマでした。
クールが一番!

2008.02.08 00:30 | URL | #- [edit]

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