TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

「殺人者たち」

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The KILLERS
原作:アーネスト・ヘミングウェイ
監督:ドン・シーゲル
脚本:ジーン・L・クーン
音楽:スタンリー・ウィルソン
主題曲:ヘンリー・マンシーニ
   「Too Litlle Time」歌:ナンシー・ウィルソン

出演:リー・マーヴィン、アンジ-・ディッキンソン、ジョン・カサヴェテス、クルー・ギャラガー、ノーマン・フェル、ロナルド・レーガン

☆☆☆ 1964年/アメリカ/95分

    ◇

 アーネスト・ヘミングウェイの短編小説をB級映画の名手ドン・シーゲル監督が撮り上げた本作は、センチメンタリズムなど微塵もなく即物的に暴力が横行するハードボイルドとして、犯罪映画の傑作に仕上がっている。

 盲学校に乗り込んで来た初老の男と若い男が、そこで教師をしている男を撃ち殺すところから映画は始まる。
 初老の男チャーリー(リー・マーヴィン)はあっけない殺しを訝しげに思い、相棒のリー(クルー・ギャラガー)と共に、殺された男の過去と殺しを依頼した男の謎を探ることにする。

 殺された男ジョニー(ジョン・カサヴェテス)は元一流の自動車レーサーで、郵便配達の現金輸送車を襲った犯罪一味の片棒を担ぎ、100万ドルを横取りして逃げた男。
 チャーリーとリーがその100万ドルを横取りするために、探偵よろしく関係者を訪ねながら現金強奪犯らを追いつめていく。殺し屋ふたりが 無頼に聞き出す彼らの過去の話がフィードバックされながら、自動車レースだけに夢中なジョニーと、色仕掛けでジョニーに近づき犯罪の仲間に引き込む女シーラ(アンジ-・ディッキンソン)との儚い恋愛話や、黒幕ジャック(ロナルド・レーガン)の存在を描き出していく。この元合衆国大統領に上り詰めたレーガン氏の大根役者ぶりは微笑ましいかぎり。

 B級映画の低予算からくる経済性なのか、フランス映画のフィルム・ノワールのような情緒感を省き、ムダなカットがない効率の良い演出スタイルが、ハードな緊張感を生み出し観客を魅了する。

 クールさと渋さで異彩を放つリー・マーヴィンと、悪女に翻弄される哀れな男をニヒルに演じるジョン・カサヴェテスのふたりが、この作品に深い味わいを醸し出している。

 子供の頃テレビで観たときには、無骨なリー・マーヴィンが大きなサイレンサーを付けた拳銃を構えるシーンが恰好よく見えていたなぁ。特にラストの、瀕死の状態で銃を構えるアップのアングルは、何度観てもシビれるカットだ。

 ジョン・カサヴェテスは映画俳優として独特な存在感を残してきたが、映画監督の方が一流だったかもしれない。この映画の翌年に、ハリウッド式の映画製作を拒否し自ら製作・脚本・監督・編集などを行ない『フェイス』を撮りあげ、ヴェネチア国際映画祭で賞を受賞している。ニューヨークを代表するインディペンデント映画の父と言われてきた。

 主題歌として劇中のバーで、ナンシー・ウィルソンがヘンリー・マンシーニの「Too Litlle Time」を披露する。

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