TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

女刑事 音道貴子

 乃南アサさんの小説にハズレはないが、このシリーズが特に好きだなぁ。
 30代バツイチの独身で、機動捜査隊員の女刑事。直木賞受賞の1作目「凍える牙」以来、警察内部の絶対的な男性社会の中で奮闘する彼女の姿は、ときに凛々しく、ときにか弱く、しかし、しっかりと自分の生き方や人とのつきあい方ができる女性として描かれており、読者はそんな彼女の魅力に元気づけられていると思う。

 長篇は「凍える牙」「鎖」の2作、短編集が「花散る頃の殺人」「未練」「嗤う闇」の3作が刊行されているが、音道貴子を等身大に感じようと思えばやはり短編集だろう。彼女の細かな日常や家族、出会う人々の生活が丹念に描写されていて、現実感を伴うように物語の奥深さを堪能できる。
  貴子が遭遇する事件の多くが悲惨で残虐なものなのだが、事件の解決よりもそれに携わる人間たち(もちろん犯人も含む)のドラマに重みを置いて書かれている。「未練」の中の一編は解決されないまま終わったりするのだが、それに対する貴子の無念さや憤りは、強く読者に伝わってくる。

 何年か前にNHK BS2で「凍える牙」がドラマ化されており、その時の貴子役が天海祐希で滝沢刑事が大地康雄だった。それはそれはふたりともお似合いで、以来、音道貴子シリーズを読むときは必ず天海さんをイメージしている。もちろん滝沢刑事は大地さんで。その後ドラマ化されないのが不思議なぐらいなのだが……。今後、もしドラマ化されるときには、貴子とコンビを組む八十田刑事にはぜひ佐々木蔵之介さんをお願いしたい。「離婚弁護士」や「ラストプレゼント」で天海さんと共演をしているが、音道&八十田コンビもこのふたりしか考えつかないよ。

 以前、某サイトでも乃南アサさんを推奨していたのだが、この音道貴子シリーズを未読の方は、まず短編集「未練」でも読んでいただきたい。絶対に損はさせない。

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