TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

歌謡曲外伝【東映スケバン編】

 日活ロマンポルノに対して、東映ピンキ-女優たちの独断場となったのが「女番長〈スケバン〉シリーズ」。池玲子と杉本美樹をスターダムにのし上げた『女番長ブルース・牝蜂の逆襲』('71)から始まったシリーズは、高倉健や菅原文太の本編を喰ってしまうほどのパワーを生み出した。
 ここでは、池玲子と杉本美樹ではないスケバン女優のシングルをあげてみた。

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賀川雪絵◆ 一年は裏切りの季節/新宿の夜は濡れている 1971年

 2007年、収穫の一枚。賀川雪絵のセミヌード・ジャケットのシングル盤だ。
 大映ニューフェイス第四期生としてスタートした賀川雪絵は、大部屋時代には市川雷蔵の『眠狂四郎』や『ガメラ・シリーズ』に出演しており、その後、1968年に東映と専属契約を結び賀川雪絵を名乗り、石井輝男監督の“性愛路線”、また、“怪奇シリーズ”“歌謡シリーズ”の常連として名前を残している。
 最初はテレビの『プレイガール』や『キイハンター』で見かけたと思う。スクリーンで初めて見た『女囚さそり・第41雑居房』('72)では、スリムで長身(168cm)な男っぷりのイイ女と云うのが印象で、後追いで『女番長ブルース・牝蜂の逆襲』('71)や『明治・大正・昭和 猟奇女犯罪史』('69)を見たのだが、特に『明治・大正・昭和 猟奇女犯罪史』での阿部定役では、女の業をしっかりした演技で演じた姿にすっかり見惚れてしまった。
 このレコードは彼女の歌手デビュー作で、「ざんげの値打ちもない」('70)的な傷痕の流浪人生を冷たく唄い放っている。
 女が自らに結論を出し再生の道へ踏み出す阿久悠の詞に比べ、こちらの主人公は道に迷ったまま彷徨い続けるやさぐれ女。しかし、B面「新宿の夜は濡れている」で歌うように、生きていく道はやっぱりスケバンなのだ。

 72年に出した「やさぐれブルース/野良犬」は、CD「やさぐれ歌謡★最前線/みなしごのブルース」に収録されている。こちらも、断然カッコイイ歌いっぷりである。

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太田美鈴◆ 女番長流れ歌/ひろった夜 1970年

 本物のスケバンだったという売り文句でデビューした太田美鈴。そんな風には見えないジャケットで真意は定かではないのだが、それが功を奏しての不良少女映画7本に出演しており、挿入歌「バカヤローのあいつ」を歌い出演した夏純子主演の『不良少女 魔子』('71)が日活作品で、2本目からはすべて東映作品だった。



太田美鈴◆ 好きではじめた女じゃないが/きまぐれ数え歌 1973年

 杉本美樹を主役にして製作された『女番長 感化院脱走』('73)の挿入歌がこの「好きではじめた女じゃないが」で、出演もしていた。
 浜圭介作曲の怨歌は女番長ゲリラ/やさぐれ歌謡★最前線」に収録された劇中使用曲の方が、ピアノ伴奏だけで歌う迫力満点の歌唱だった。

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大信田礼子◆ 女の学校/あなたの女 1970年

 人気テレビドラマ『プレイガール』のレギュラーとして、パンチラでお色気を振りまいていた大信田礼子のデビュー曲だ。この番組、70年代ファッションであるパンタロン、ミニスカート、ホットパンツなどでのアクションが目玉で、いたって健康的なお色気が満載だった。(番組は69年からスタート)
 スタイルの良さで人気のあった大信田礼子は、歌手デビューとともに東映で『ずべ公番長』の主役を務める。
 1970年、日活の『野良猫ロック』や大映の『高校生番長』(主演の八並映子がイイし、松坂慶子も出ていた。)に遅れまいと東映も参画してきたこのシリーズは、「夢は夜ひらく」「ざんげの値打ちもない」「東京流れ者」といったサブタイトルを付けた不良少女たちの歌謡映画で、泥臭いテイストがいかにも東映的と云うところだろうか。この『ずべ公番長』シリーズには、全作に賀川雪絵が共演していた。
 
 さて歌手としての大信田礼子だが、『同棲時代』という大ヒット曲があり、また、ジャケットがセクシーな『女はそれをがまんできない』『ノックは無用』もそれなりにヒットしたのだが、このデビュー曲のビート感とチャームさの方が好きだ。
 決して歌唱力があるとは言えない大信田礼子の魅力は、危なかっしく甘えたようにみせる拙さが武器なのだ。なかにし礼の詞には、女が主導権を握る自己のしたたかさがあり、彼女のくぐもった声のなかにそれを感じることができる。

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