TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

「殺しの分け前/ポイント・ブランク」ジョン・ブアマン

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POINT BLANK
監督:ジョン・ブアマン
原作:リチャード・スターク
脚本:アレクサンダー・ヤコブス、デビッドニューハウス
出演:リー・マーヴィン、アンジー・ディキンソン、キーナン・ウィン
 
☆☆☆☆ 1967年/アメリカ/92分

    ◇

 リチャード・スターク原作のクライム・ノヴェル(犯罪小説)で、1962年に書かれた「悪党パーカー」シリーズの第1作目「人狩り」の映画化。モノクロ時代のハードボイルド映画を別にして、60年代以降のフィルムノワール作品としてまっ先に挙げたいのがこの映画だ。パルプ・マガジン的なB級映画の趣きだが、機会があれば見ていただきたい。(とは云っても、ビデオは廃盤でDVD化もないが) ちなみに、版権の関係で主人公の名前はパーカーからウォーカーに変わっている。

 ストーリーは単純。旧友リース(ジョン・ヴァーノン)に誘われアルカトラス島での強盗を働いた一匹狼ウォーカー(リー・マーヴィン)は、犯行直後にリースの裏切りで至近距離〈ポイントブランク〉から撃たれ、金と自分の妻を奪われる。復讐の鬼となったウォーカーは、謎の男(キーナン・ウィン)と妻の妹クリス(アンジー・ディキンソン)の協力で、自分の分け前を取り戻すべく、組織に挑んでいく……。

 主役のリー・マーヴィンは当時無骨な男の代表格であり、渋い低音の声も魅力で、アンチヒーローを多く演じてきた俳優。戦争映画のイメージも強く、この時期、「特攻大作戦」(ロバート・アルドリッチ監督)というむちゃくちゃ面白い映画もあるし、晩年に撮られた「最前線物語」('80)では、戦場で生き抜いていくことの意味をベテラン軍曹と若い4人の兵士との話で綴った秀作もある。

 さて映画は、冷酷無比な主人公を演じるクールなリー・マーヴィンと、登場人物の渇いた台詞がいかにもハードボイルドな世界を構築する。アンジー・ディキンソンが、リーの胸板を延々と叩きつづけるシーン。ここは、男は黙って立っているだけの、中々感じる場面になっている。
 映像的には、フラッシュバック処理が多用され進んでいく。ただ、当時のサイケデリックブームを反映してか、幻想的なシーンも見られ、いま見ると何かカッタるいかもしれない。
 
 復讐の相手リースは簡単に殺してしまい、そのあと、組織の幹部たちをひとりづつ追い詰めていくのだが、余計な説明は一切省き、ウォーカーの行動だけに重点をおいた演出。時代性かもしれないが、今のアメリカ映画のように派手なアクションシーンはない。しかし、派手さだけに目がいくアクション映画なんかより、余程このクールさの方がカッコいい映画だ。

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 アンジー・ディキンソンは、いわゆるB級ものにはなくてはならないベテラン女優で、後年、ブライアン・デ・パルマ監督(今では大物ですが、彼の本質はB級スリラー映画監督だと思う)の「殺しのドレス」('80)での官能人妻は印象深い。バート・バカラックの奥方でもあったけれど、この「殺しのドレス」のあと離婚した。

 さてこのパーカーシリーズ、翌年には7作目の「汚れた7人」が映画化されている。このときのパーカー役は、リー・マーヴィンと一緒に「特攻大作戦」に出演していたジム・ブラウンという黒人俳優が演じていた。怪優ドナルド・サザーランドやジーン・ハックマンも出ていて、これもなかなか面白い映画だった記憶がある。
 1999年には、「L.A.コンフィデンシャル」の脚本家ブライアン・ヘルゲランドが監督でメル・ギブソン主演で、この「人狩り」を「ペイバック」としてリメイクしているが、見ていません。なんでも、ヘルゲランドが監督を途中降板していたらしく、メルの実質監督作品みたいなものだったとか。ヘルゲランド版は、ダークな話で組織のボスの役にアンジー・ディキンソンを起用(声のみ)予定だったらしい。これなら見たいっ。

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