TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

カスバの女~緑川アコ・夜のムードをうたう



 昭和の夜の女の歌謡曲を語るとき、絶対に避けては語れない歌手のひとり、緑川アコのクラウン時代のアルバムが紙ジャケCDで復刻された。

 「夢は夜ひらく」でデビューした翌年の1967年に発売されたこのオリジナル・アルバムは、決して光の当たらない暗い路地のどん詰まりに咲く、徒花のごとく生きている女の世界が歌われている。
 60年代といえばまだまだ絶対的な歌唱力を求められた歌謡曲の世界で、その実力はもとより、圧倒的な存在感と独自性を持った緑川アコが、酒場の女の寂しさ、孤独な女の辛さ、身を売る女の哀しい息づかいを、豊かな感情のうねりと凄みで歌ったアルバムである。
 これが艶歌。だからこそ名盤す。

 先に発売された“幻の名盤解放歌集*コロンビア篇”『酔いどれ女の流れ歌』で聴かれた「カスバの女」や「夢は夜ひらく」は、一時引退後の70年に新たに吹き込み直されたヴァージョンであって、ジャケットのセンセーショナルなことで話題になった『酔いどれ女の流れ歌』も名盤に違いはないのだが、肝心の「夢は夜ひらく」に至っては藤圭子ヴァージョンで歌われていたわけで、やはり、オリジナルのアコヴァージョンをちゃんと聴いておかないといけないだろう。


収録曲
01. カスバの女
02. ふうてんブルース
03. 夢は夜ひらく
04. 星降る夜のブルース
05. 女の恋は夜の花
06. 女の運命
07. 惜別のブルース
08. わたしの涙は赤いバラ
09. ブルースをやって
10. つめたい夜のブルース
11. あなたは命
12. 東京エレジー
13. 面影のブルース
14. 死ぬまで愛して


 アルバムには、全体のコンセプトを形成するために各曲の頭に緑川アコの台詞が入っている。緑川アコといえば独特の低い唄声なのだが、台詞を発する声が女優の佐藤友美に似ているのにはびっくりした。台詞まわしも結構上手くて、歌の世界に浸るための魅力的な効果になっている。

スポンサーサイト

Comment

路傍の石 says... ""
このアルバムもおおいにソソられますね。
曲名タイトルからだけでもそのダークで淀んだ世界が
覗けるようです。
先に買うならこっちかな。

さて、安田南の1stアルバム『South.』が
紙ジャケでリイシューという情報が飛び込んできました。
5月2日予定です。
それと知らなかったんですが、
彼女の傑作と誉れ高い『Some Feeling』は
プラケで既に再発されてますね。

いやー、聴きたいものがたくさんで困ります(笑)。
2007.03.08 14:45 | URL | #3UG7ZRW. [edit]
mickmac says... ""
路傍の石さん  どーもです。

先日はありがとうございました。
青江三奈の歌、かなり気に入っています。

青江三奈を聴いてからこのアルバムを聴くと、いやぁ~、空気が一変します(笑)。
おんなじ夜の酒場の香りが漂うといえど、何がこうも世界観が違うのか。
深いですね~。

安田南の1stアルバム『South.』が遂に紙ジャケ再発ですか。素晴らしい!
アナログ盤を持っていますが、当時、笠井紀美子の名が知れていた頃、安田南はレコードは出していないがライヴハウスを満杯にするシンガーで有名でした。
ステージングの奔放さも有名で、そこから名曲『プカプカ』が生まれたわけですし………。
2007.03.09 00:26 | URL | #- [edit]
路傍の石 says... ""
こちらこそ先日はどうもでした。
青江三奈、気に入っていただけてよかったです。
歌謡曲のメジャーシンガーといえども、
人気度の低い音源になると洋楽以上に
入手が困難になるというのは如何ともしがたいです(笑)。
緑川アコ、安田南のようなカルトなアーティストは
陽の目を見る機運が出てきてうれしい限りですが、
一部のインディーズ・レーベルの仕事なんですね。
ライセンスを貸し出すおおもとのレコード会社にも
もう少し奮闘していただきたいところ。
今年は、さらなるリシューに期待したいです(笑)。
2007.03.09 17:54 | URL | #3UG7ZRW. [edit]

Post comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

trackbackURL:http://teaforone.blog4.fc2.com/tb.php/290-93c945a7