TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

「仁義なき戦い 広島死闘篇」*深作欣二監督作品

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原作:飯干晃一
監督:深作欣二
脚本:笹原和夫
出演:菅原文太、北大路欣也、梶芽衣子、千葉真一

☆☆☆☆ 1973年/東映/100分

    ◇

 32年前、今までの活劇映画では見られなかった凄い映画が封切られた。グラグラ揺れる画面、叩き付けられるストップモーション画面に身震いした「仁義なき戦い」の登場だった。
 群像劇の確たる地位をおさめたその第1作に続いて、休むことなく製作されたこの作品は、一転、フィルムノワールの空気が漂うドラマ性豊かなものとなっている。

 鉄砲玉として儚く散ったひとりの若者・山中正治(北大路欣也)の生き様と死に様にスポットをあてたドラマは、村岡組組長の姪でありながら一途な愛に耐える女・靖子(梶芽衣子)の存在で悲劇性を高めている。こんなにも切ないメロドラマになっているのも、ひとえに梶芽衣子の熱演ぶりだろう。
 山中正治の対極にいる大友勝利(千葉真一)の“狂気ぶり”も凄いし、この作品で表舞台に躍り出た川谷拓三の名シーンとも云われるボロ切れのように殺される姿がいかにも哀しい。

 そして、もっとも忘れ難いのが土砂降りのクライマックスシーン。警官隊に追いつめられた山中の心情が高感度フィルムに焼き付けられ、そのザラついた画面には悲哀しか写らない。

 広能(菅原文太)と山守組を狂言廻しの存在にした番外的な作品になってはいるが、シリーズ最高傑作と断言しても誰の異存もないだろう。
 “仁義なき戦いシリーズ”なら、これだけは観るべし。

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