TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

「恋するガリア」*ジョルジュ・ロートネル

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GALIA
監督:ジョルジュ・ロートネル
脚本:ヴァエ・カッチャ、ジョルジュ・ロートネル
主演:ミレーユ・ダルク、フランソワーズ・プレヴォー、ヴェナンティーノ・ヴェナンティーニ、ジャック・リベロル

☆☆☆★ 1965年/フランス/104分/B&W

    ◇

 ブロンドヘアーとあどけなさが残るソバカス顔で、60年代のフランスを代表する人気女優ミレーユ・ダルク。
 彼女が世界的に爆発的な人気を得たのが、1965年に製作された『恋するガリア』だ。

 恋愛映画とはいえ、監督のジョルジュ・ロートネルはギャング映画を得意としているから、前半はスピーディーで切れのある演出があたかもアクション映画を思わせ、後半ではサスペンスを漂わせながら進行する構成が、なんとも不思議な空気をもたらす映画となっている。

 ミレーユ・ダルクの魅力は、ファニー・フェイスと身長170センチのスレンダーさから醸し出される、しなやかで奇妙なコケティッシュな肢体と個性的なムードだ。
 パリの街中を颯爽と走り回る様は“ガリアンヌ・ルックス”として、パリジェンヌたちから“自由な女性”のイメージとしてブームを起こしたようだ。
 現代でもそのラフで自由な服装は、若い女性たちに60年代ファッションの見本となるのではないだろうか。

 パリに暮らすショーウィンドウ・デザイナーのガリア(ミレーユ・ダルク)は、奔放に毎日を過ごしているが、実は孤独と退屈のなかに埋もれていた。
 ある日、ガリアはセーヌ川に身を投げたひとりの女性を助ける。彼女はニコール(フランソワーズ・プレヴォー)と云う30代後半の美人で、ガリアは自分のアパートの部屋に連れて帰る。自殺の原因は、浮気性でエゴイストな夫グレッグ(ヴェナンティーノ・ヴェナンティーニ)との関係がうまくいかなくなったからだと云うのだが、彼女の心中はまだ夫を愛しているようだ。男に興味を抱いたガリアは、グレッグを懲らしめてやろうと持ちかけ、彼を尾行する。しかし、グレッグを追いかけるうちに、若くて好奇心旺盛なガリアは次第に彼に惹かれるようになってしまう……………。

 ニコールを部屋に泊めながら、ガリアは外でグレッグと会うようになる。ニコールに同情しながらも、徐々にグレッグを好きになっていく“恋する女”の様が、健気に見えてくる。と同時に、ニコールとグレッグの狭間で苦悩する女にもなっていく。

 逆にニコールは、ガリアが夫と会うようになった当初は嫉妬を抱いてはいたものの、次第に、いつものグレッグの振る舞いを知っていることから、自分の代わりに苦しむガリアの姿に同情するようになる。

 ガリアはグレッグにニコールを隠しているという秘密に苦しみ、グレッグはガリアを利用して妻の資産や仕事での野望を図ろうと画策。ニコールは、グレッグとの清算を考えているのだが…………ここに、奇妙な三角関係が生じ、犯罪の匂いまで感じられることになり、じわじわとサスペンスの色合いが出てくる。

 J・S・バッハの「チェンバロ協奏曲第5番~ラルゴ」が叙情的に響き渡るテーマ曲は有名で、ヴェニスのシーンではスウィングル・シンガーズが魅惑的なスキャットを聴かせてくれる。

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 ミレーユ・ダルクを最初にスクリーンで見たのは、1968年にアラン・ドロンと共演したギャング映画『ジェフ』だった。
 大物ギャングの情婦役として、悪の香りを漂わせていたのが印象的だったのだが、この映画がきっかけでアラン・ドロンとは実際に愛人関係にまでなってしまった。
 以後、『ボルサリーノ』('69)『栗色のマッドレー』('70)『愛人関係』('74)『チェイサー』『プレステージ』('77)で共演している。
 『栗色のマッドレー』は自作小説の映画化で、1989年には『ソフィー/遅すぎた出逢い』で初監督を成し得ている。

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Comment

路傍の石 says... "おめでとうございます"
この映画は初めて知りました。ストーリーの隠微な展開にヨーロッパの匂いを感じますね。フランス映画には昔から興味があって、ゴダールとかトリュフォーの作品も時間をかけて観たいと思っています(昔、ゴダールの作品は映画館に観に行ったりしたのですが)。思っているだけで20年が経過したという、お恥ずかしい話です。まぁ、時間をかけてでも攻略したいと思っています。

遅れましたが、新年あけましておめでとうございます。昨年は大変お世話になりました。本年もよろしくお願いいたします。
2007.01.05 00:03 | URL | #3UG7ZRW. [edit]
mickmac says... ""
路傍の石さん
明けましておめでとうございます。

60~70年代初めは、アメリカ映画よりヨーロッパの映画をよく見ていました。
と云っても、フィルム・ノワールが多かったのですが………。
それでもヨーロッパ映画の魅力は、恋愛ものでも、コメディでも、アクションでも、アメリカ映画はもとより邦画にはない、粋でクールな香りやムードが詰まっていて、難しい映画でも、大人ぶることで一人前になれたような気がしていたのでしょう(笑)。
当時よく判らない映画でも、たくさん観ておくことが必要だとは感じていました。

この『恋するガリア』は映画を知らなくても、同じ頃の『男と女』のスキャット同様、テーマ曲は聞いたことがあると思いますよ。

それでは改めまして、今年もお世話になります。
よろしくお願いいたします。
2007.01.05 13:04 | URL | #- [edit]

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