TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

「新・黄金の七人 7×7」



SETTE VOLTE SETTE
監督:ミケーレ・ルーポ
製作:マルコ・ヴィカリオ
脚本:セルジオ・ルフィーニ
音楽:アルマンド・トロヴァヨーリ
出演:ガストーネ・モスキン、ライオネル・スタンダー、アドルフォ・チェリ、ライモンド・ビアネッロ、ゴードン・ミッチェル、テリー・トーマス

☆☆☆☆  1968年/イタリア/106分

    ◇

 7月3日現在、サッカーワールドカップ2006ドイツ大会の準決勝進出チームはヨーロッパ勢が占めた。優勝候補チームが敗退するなどの波乱はスポーツの世界では、特にサッカーは当たり前のように起きるのだから面白い。
 国じゅう上げての応援が異常なほど過熱するサッカー。そんな過熱ぶりを見ていて思いだすのがこのイタリア映画だ。

 映画の舞台は英国。サッカーの決勝戦の間に刑務所を抜け出して、造幣局で200万ポンドを刷りあげてしまうという、前代未聞な計画。
 もちろんコメディ・タッチに描かれる。サッカー熱にとりつかれている国民性をちゃかしながら、ユーモアとサスペンス満載の痛快犯罪映画だ。

    ☆    ☆

 1965年にイタリア映画界が、英国の『007』をはじめとするスパイ映画に対抗すべく企画しマルコ・ヴィカリオが製作・脚本・監督した『黄金の七人』は、ユーモアとサスペンスを盛り込んだ犯罪映画として世界中で大ヒットした。

 教授と呼ばれる紳士をリーダーに6人の盗みのプロフェッショナルとお色気たっぷりな美女を加え、白昼堂々とジュネーブ銀行から金塊を奪取するストーリーで、その後二転三転する展開にワクワクドクドキさせられ、一切ひとを傷つけない犯罪ドラマとしても粋でカッコいい見本のような映画だった。
 60年代のサイケファッションも最高だし、スコアもアルマンド・トロヴァヨーリのスウィンギングジャズとスキャットがじつにお洒落。
 『ルパン3世』の元ネタ映画としても有名で、まさに不朽の犯罪映画といえる。

 当然シリーズ化され、翌年の2作目『続・黄金の七人 レインボー作戦』は前作のスタッフとキャストが同じまま、今度は教授と美女を含めた男たちが某独裁国から将軍を誘拐、ついでに金塊を盗み出すといったストーリーになっている。映画のオープニングとクロージングが、1作目とリンクしているのも洒落ている。

 そして3作目の本作品はスタッフ・キャストを一新し、前2作でアドルフ役を演じていたガストーネ・モスキンをリーダーとしたスペシャリストたちが、サッカー観戦でからっぽになったロンドンの街を駆け回る。

    ☆    ☆

 英国のある刑務所で、シェフィールドvs エバートンのサッカーの決勝戦のテレビ観戦を要求するためにストを決行した囚人たち。そんな中に、ケチな詐欺行為で刑務所に入所してきたブレイン(ガストーネ・モスキン)。最後までストで立ち向かった6人の男たちは刑務所内の医務室に運びこまれるのだが、実はそこが計画のアリバイの場所であり、医師免許を持たないニセ医者バーナードを留守番役にして男たちは刑務所を抜け出す。
 ひとっ子ひとりいないロンドンの街中を、まず製紙工場から紙幣用の原紙を盗み出し、それを造幣局の印刷所に運び込み本物のポンド紙幣を刷りあげる。そして何喰わぬ顔で刑務所に戻ると云うのが計画だ。
 部屋の監視カメラを欺く方法や脱出方法とともに、試合時間の90分という時間制限が巧くサスペンスとして生きている。

 前代未聞の計画も順調に運ぶはずもなく、脱獄時に名傍役ライオネル・スタンダー扮するサムというコソ泥が紛れ込んでしまう。なにかと足手纏いのサムが計画進行でのハラハラドキドキ感を生み、コメディの味付けにも見事に成功している。

 晴れて出所した7人は刷り上げた200万ポンドを手にするのだが………。
 この手の映画で待っている思いもよらぬアクシデントもアイデアものです。

 さて、このシリーズではキャラクターの見せ方も面白い。
 前2作での教授以外の6人の男たちは、それぞれドイツ・イタリア・フランス・スペイン・ポルトガル・アイルランドと国籍が違い、名前の頭文字は教授を含めて“A”で始まる。
 この作品でも国籍は全員がバラバラで(当然サッカー開催国を連想する)、名前は今回“B”の頭文字で始まるようになっている。

 今日までに製作された多くの泥棒映画の元ネタが、この『黄金の七人シリーズ』に詰まっているのがわかるはず。
 いくらハイテクになろうがCG技術が目を見張るものになろうが、いまだこれだけの面白さを満載したシリーズを超える作品にお目にかかることは出来ない。これ、過言ではないだろう。
 『オーシャンズ12』は、シリーズの足元にも及ばないよ。

    ☆    ☆

 シリーズ4作目『黄金の七人 1+6 エロチカ大作戦』は、邦題こそ『黄金の七人……』と付いているがまったくの別物。
 犯罪映画ではなく、精力絶倫の田舎ものの男をめぐるセレブな女たちのイタリア式艶笑コメディで、『黄金の七人』『続・黄金の七人 レインボー作戦』で美女ジョルジャ役を演じていたロッサナ・ポデスタ(当時マルコ・ヴィカリオ監督夫人)と、180cm近い身長と抜群のプロポーションを持った美人女優シルヴァ・コシナがお色気を振りまいている。

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