TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

「インサイド・マン」



INSIDE MAN
監督:スパイク・リー 
脚本:ピーター・A・ダウリング、ビリー・レイ 
音楽:ジェームズ・ホーナー 
主演:デンゼル・ワシントン、クライヴ・オーエン、ジョディ・フォスター、クリストファー・プラマー、ウィレム・デフォー、キウェテル・イジョフォー

☆☆☆☆ 2005年/アメリカ/128分

    ◇

 社会派と云われるスパイク・リーの監督で、デンゼル・ワシントンとクライヴ・オーエン、そしてジョディ・フォスターが出演ということで硬派な映画を期待したのだが、内容が思った以上にエンターテインメントだったことに驚かされる。
 実は劇場に行くまで一切の内容を知らずにいたため、劇場でこの映画のプロデューサーが『フライト・プラン』と『ダ・ヴィンチ・コード』の製作陣と知り、少し不安な気持ちにさせられていたこともあったのだが、そんな心配は杞憂だった。
 “予測不可能な結末”と謳われたとおり、かなり重厚なクライム・ムーヴィーに仕上がっている。

 マンハッタンのウォール街で銀行強盗が発生する。頭脳明晰なダルトン(クライヴ・オーエン)をリーダーにした武装集団は、人質となる従業員と客たちに自分たちと同じ格好をさせる陽動作戦をとり、包囲する警官隊らと心理作戦を繰り広げていく。

 無謀ともいえる犯人たちの計画の裏にある本当の目的は何か? 
 完全包囲された現場からどうやって脱出するのか?

 冷静沈着なリ-ダー、ダルトンを演じるクライヴ・オーエンと、NY市警の刑事で賄賂疑惑を挽回したいと意気込むキース役のデンゼル・ワシントンとの対決が見どころだ。

 そこに割り込むかたちで登場する弁護士役のジョディ・フォスター。彼女の役は銀行側から交渉人を要請され事件を思わぬ方向に誘導する重要な存在で、どちらかと云うと敵役。それもかなり脇に廻った贅沢なキャスティングということになるのだが、それがいいインパクトになっている。

 エンターテインメントな作りのなかでも、スパイク・リーらしい社会問題や人種問題を軽く織り交ぜており、犯人グループが仕組んだ外国語の会話を解くくだりなどは、人種のるつぼであるマンハッタンだからこその手だてで面白い。

 犯人グループが警察側に仕掛ける偽装は、そのまま観客へのトラップにもなっている。
 スリリングな演出で巧妙に仕掛けられたトラップは、冒頭のダルトンが完全犯罪を独白するところから始まり、至るところに張り巡らされている。
 『インサイド・マン』というタイトルもラストで理解できるだろう。

 見事にダマされ、そして、ラストではカタルシスを得る小気味よい傑作だ。

   ☆    ☆

 劇中のセリフに『セルピコ』『狼たちの午後』『ダーティー・ハリー』の映画ネタが使われる洒落っ気あり。

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