TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

こんな風に過ぎていくのなら

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タイトルの「こんな風に過ぎていくのなら」は、ブルース・シンガー浅川マキの《裏窓》というアルバムのA面1曲目に入っている歌だ。同時にエッセイ本 のタイトルでもある。
 気ままに、こんな気持ちで過ごしたい僕の思いでもある。

 で、はじめてマキさんを知ったのは、漫画家・真崎守の「袋小路」という作品の中に引用されていた詩を読んだのがきっかけだ。1969年当時はよく永島 慎二や手塚治虫らの真似をしながら漫画を描いていて、その中のひとり、真崎守の暗いストーリーに感化されていた時期に出会ったのが寺山修司の「かもめ」という詩だっ た。真崎さんは他にも「夜が明けたら」「ちっちゃな時から」などを題材に作品を描いていた。それがきっかけでマキさんのレコードを聴くようになり、彼女 のモノクロームの世界にどっぷり漬かる青春が始まった。(暗いなぁ~笑)

 マキさんの歌はたしかに暗い。唄うというよりは物語る世界。酒と煙草とけだるい黒の世界。ブルースにつきものの、やさぐれて、落ちぶれて、捨てられ て、流されて、孤独と不安を表現する彼女だ。ただ、突き放されるような暗さではなく、真っ暗な闇の中でも真っ黒ではなく、うっすらと光のグラデーション が見えるような世界観なのですよ。ブルースからジャズ、シャンソンの「暗い日曜日」を唄うとおもえば、ロッド・スチュワートまで唄うマキさん。まぁ、実際に聴 いてみないことには感じることのできない世界なのだが、一度聴くと“ちょっと長い関係”になる。
 マキさんの数ある曲のなかで好きなのが「裏窓」だ。これも寺山さんの詩。バタンバタンと、閉じては開く扉から女と男の世界が見えてくる。「ブルー・スピリッ ト・ブルース」「暗い眼をした女優」「ちょっと長い関係のブルース」もクセになる。
 いまでも不定期ではあるがジャズ喫茶でライヴをおこなっている彼女。初期の名盤はほとんど廃盤状態 だが、どうやら今年、「闇のなかに置き去りにして」('98)以来の新作を予定しているらしい。
 時代とは関係のないところで唄われる歌。ひっそりとでいいから、沁みる唄声をいつまでも聴かせてほしい。

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