TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

クロスオーヴァーなヴォーカリスト、アンリ菅野


アンリ菅野◆ 街・彩めいて/優しい退屈 1985年

 ジャズ・ヴォーカリストのアンリ・菅野が1985年にリリースした「街・彩めいて」は、作詞冬杜花代子、作曲アンリ菅野の酒造メーカーのCMイメージ曲。
 B面「優しい退屈」も同じふたりの楽曲で、どちらも80年代特有のアーバンなAORポップスになっている。

 1970年代半ば頃から、日本の女性ジャズヴォーカリストのアルバムを頻繁に聴くようになった。きっかけは笠井紀美子の『WHAT'S NEW』(’73)で、「BUT NOT FOR ME」におけるドラマ性にジャズ・ヴォーカルの魅力を知ったというか……。で、そのあと中本マリや安田南、宮本典子、当時アイドル的存在だった阿川泰子などに嵌っていったのだよね。
 80年代に入ってフュージョン系ジャズが増えたなかでは、伊藤君子や金子晴美、そしてアンリ菅野に辿り着いた。アルバムは4枚所持している。

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 アンリ菅野は音楽一家に育ち、武蔵野美術大学で油絵を専攻し、卒業後はニューヨークで3年間モダン・バレエやジャズ・ダンスを学びながら正確な米語をマスターし、帰国後はニューロック・グループ〈アンリ&モーゼス〉を結成して音楽の道に進み、1978年にソロ・シンガーとしてアルバム『Anli:いち』でデビュー。このアルバムは所持していないのだが、日本語で歌った今で云うJポップなアルバムのようだ。

 1979年リリースの『SHINING WAVE』が、実質ジャズ・シンガーとしてのデビュー・アルバムと云われるが、これも純ジャズではなく、鈴木宏昌のファンキー・アレンジによるブラジリアン・フュージョン・サウンドで、コルゲン・バンドがバックを務めている。
 つづく『JUST GROOVIN'』(’80)は、筒美京平の曲に英語詞をつけた「Mr.PRINTER」がシングル・カットされ、L.A.録音の『SHOW CASE』(’81)では「ラ・ヴィ・アン・ローズ~バラ色の人生」をレゲエで歌ったり、ボサノヴァ・サウンドがメイン。クロスオーヴァーなフュージョン・ヴォーカリストとして、しなやかでエモーショナルな歌声が魅力だ。
 そして、5枚目となるサウンフランシスコ録音の『LOVE SKETCH』(’82)で初めて、本格的ジャズ・ヴォーカル・アルバムを制作。

 「街・彩めいて」をボサノヴァ・ヴァージョンで収めた『街・彩めいて』(’85)は、安井かずみを迎えたシティ・ポップなアルバムに仕上げ、相米慎二監督『魚影の群れ』のエンディング曲には原田芳雄とデュエットした「Bright Light,in the sea」など、ポップスも歌謡曲も歌うヴォーカリストして活躍していたアンリ菅野は、残念なことに1998年に肺線がんを患い、一度は復帰するも、2000年に51歳の若さで逝去している。

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