TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

'79年の映画ノート

1979年は月間別ベスト1を列ねてみる。

◆1979年月間ベスト

1月 天使のはらわた・赤い教室 ☆☆☆☆(13日)
にっかつ/'79/曽根中生監督、水原ゆう紀、蟹江敬三
《別レヴューあり》

2月 ファール・プレイ ☆☆☆☆(28日)
米/'78/コリン・ヒギンズ監督、ゴールディ・ホーン、チェヴィー・チェイス、ダドリー・ムーア
法王暗殺計画に巻き込まれた図書館勤めのゴールディ・ホーンと、ダメ刑事のチェヴィー・チェイスが織りなすサスペンス・コメディ。随所にヒチコック風な演出を見せるコリン・ヒギンズも冴えているし、バニー・マニロウの主題歌も心地よい。しかし、何と云ってもゴールディのコメディエンヌぶりに尽きる。80年代まで彼女の映画でハズレなし。

3月 赫い髪の女 ☆☆☆☆☆(1日)
にっかつ/'79/神代辰巳監督、宮下順子、石橋蓮司、亜湖、山口美也子
来る日もくる日もひたすらセックスをする男と女の性愛の日々を、ねっとりと描いた日本映画の名作。
雨と、ブルース(憂歌団)と、ダンプカーと、厚化粧。無機質な風景。汚らしい部屋。生々しく愛欲に溺れる官能の空間。ストーリーらしきものを一切省いたことで、見事な人間ドラマが完成されている。宮下順子の切なさこそがエロスです。

4月 復讐するは我にあり ☆☆☆☆(29日)
松竹/'79/今村昌平監督、緒形拳、三國連太郎、小川真由美、倍賞美津子
実在の連続殺人犯の犯行軌跡だけを追った佐木隆三のノンフィクションを原作に、人間の奥底に潜む闇と、愚かで哀しい人間の業を浮き彫りにしている。

5月 ディア・ハンター ☆☆☆☆( 2日)
米/'78/マイケル・チミノ監督、ロバート・デ・ニーロ、クリストファー・ウォーケン、メリル・ストリープ、ジョン・サベージ
ベトナム戦争を舞台にした若者の心の傷と生と死。戦争からは何も生み出されない、意味なく死する者たちを見よ。
美しいテーマ曲が耳に残る大傑作。

6月 もっとしなやかに、もっとしたたかに ☆☆☆☆(2日)
にっかつ/'79/藤田敏八監督、森下愛子、奥田瑛二、高沢順子、風間杜夫、蟹江敬三
70年代に文化として台頭してきたニューファミリー現象は、新しい価値観として友達同士のような家族形態のことを称していた。「家族」を切り離す「核家族」の始まりだ。この作品はそんなニューファミリーを否定し、脆くあやふやな家族の崩壊の様を描いている。生き生きとした森下愛子の小悪魔ぶりに拍手を。

7月 さらば映画の友よ ☆☆☆★(4日)
ヘラルド/'79/原田真人監督、川谷拓三、重田尚彦、浅野温子、室田日出男、原田芳雄、石橋蓮司、山口美也子
映画評論家だった原田真人の監督デビュー作品。年365本の映画を20年間観続けることを人生の目標にする中年の男(川谷拓三)と、映画青年と美少女との青春映画。当時映画青年だった自分をどこかに投影させて観ていた。音楽は宇崎竜童。

8月 その後の仁義なき戦い ☆☆☆☆(5日)
東映/'79/工藤栄一監督、根津甚八、宇崎竜童、原田美枝子、松崎しげる
“仁義なき戦い”の番外編ではあるが、若いチンピラたちの友情と裏切り、そして生き様死に様を鮮烈に描いた青春群像劇として記憶に残る作品だ。柳ジョージの音楽もマッチしている。

9月 インテリア ☆☆☆☆(30日)
米/'78/ウディ・アレン監督、ダイアン・キートン、ジェラルディン・ペイジ、E.G.マーシャル
ウディ・アレンにとって初めてのシリアスな映画で、ベルイマンの影響を受けた作品と云われ評価の分かれる作品だ。
30年連れ添った両親の別居問題で集まる三姉妹。自殺未遂する母、愛人を作った父、そしてその愛人。それぞれの心の崩壊が静かに厳粛に描かれていく。当時観た時は、その重さが心地よかった。

10月 太陽を盗んだ男 ☆☆☆☆☆(15日)
東宝/'79/長谷川和彦監督、沢田研二、菅原文太、池上季実子
原爆を作り上げた中学教師が国家相手にローリング・ストーンズの日本来日を要求するなど、とてつもなく痛快な犯罪サスペンスで、娯楽性の観点からこれ以上ないくらい途方もない活劇映画。失われた70年代の過激性を今の映画に求めるのはナンセンスかもしれないが、このエネルギーは失ってほしくないな。

11月 堕靡泥の星 美少女狩り ☆☆☆(7日)
にっかつ/'79/鈴木則文監督、波乃ひろみ、土門峻、八城夏子、日向明子、飛鳥裕子、岡本麗、名和宏、菅原文太
はじめに書いておくが、ムチャクチャな映画である。
どこまで人間は悪魔になれるのか……原作は70年代に爆発的人気を呼んだ佐藤まさあきの衝撃劇画で、東映から鈴木則文を招き脚本大和屋竺で映画化した作品。官能のSM世界とは違ったサディズムに溺れる青年の姿を描いているのだが、過激性は劇画には叶わなかった。まして現代、現実の表の世界に現われ出した残虐非道な輩の方が恐怖だ。菅原文太は運転手役で特別出演している。

12月 ノーマ・レイ ☆☆☆☆(1日)
米/'79/マーティン・リット監督、サリー・フィールド、ロン・リーブマン、ボー・ブリッジス
アメリカ南部の紡績工場に勤める低所得者のノーマが労働運動に関わりながら、女性としても人間的にも成長し自立していく社会派ドラマ。
素直に感動させられた。

☆    ☆


月間ベストに漏れても、当然1979年度のベストテンに入れたい作品はあります。


ヒッチハイク ☆☆
伊・米/'76/パスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ監督、フランコ・ネロ、コリンヌ・クレリー
ヒッチハイカーを拾った旅行中の夫婦の悲劇。イタリア映画ならではのエロとヴァイオレンスのマカロニ・スリラー。音楽のエンニオ・モリコーネが、らしくていい。現在DVDで無修正版が発売されている。

正午なり ☆☆☆
ATG/'78/後藤幸一監督、金田賢一、田村幸司、結城しのぶ、原田芳雄
丸山健二原作。都会に馴染めず田舎に戻った青年の屈折した青春物語。

青春Part2 ☆☆★
ATG/'79/小原宏裕監督、服部マコ、南條弘二、舟木一夫

天国から来たチャンピオン ☆☆☆★
米/'78/ウォーレン・ビーティ、バック・ヘンリー監督、ウォーレン・ビーティ、ジュリー・クリスティ
天使のミスで交通事故死したプロ・フットボール選手が新しい肉体を持ち、再びフットボールの世界へ戻るのだが……。

歌う女・歌わない女 ☆☆☆
仏・ベルギー/'77/アニエス・ヴァルダ監督、テレーズ・リオタール、ヴァレリー・メレッス、ロベール・ダディエス
60年代のパリ。歌手志望の少女と未婚の母という、立場も考え方もまるで違う二人の女の子の十数年にわたる姿。女流監督が優しい視線で女の友情と信頼を描いている。

家族の肖像 ☆☆☆☆
伊・仏/'74/ルキノ・ヴィスコンティ監督、バート・ランカスター、ヘルムート・バーガー、ドミニク・サンダ、クラウディア・カルディナーレ

むちむちネオン街・私たべごろ ☆☆★
にっかつ/'79/中川好久監督、三崎奈美、山口美也子、林ゆたか、岡本麗
キャバレーのホステスから足を洗おうとする二人の女が、男に騙されては逆戻りを繰り返す姿が描かれる。

ビッグ・ウェンズデー ☆☆☆☆
米/'78/ジョン・ミリアス監督、ジャン=マイケル・ヴィンセント、ウィリアム・カット
60年代から70年代にかけてのカリフォルニアを舞台に、世界最大の波《ビッグ・ウェンズデー》に挑戦する若者たちを描いた青春ドラマ。過ぎ行く夏、伝説の波、夢と挫折と友情……ダイナミックなサーフシーンに圧倒ささた。

桃尻娘・ラブアタック ☆☆
にっかつ/'79/小原宏裕監督、竹田かほり、亜湖、栗田洋子、橋本治
桃尻娘シリーズの第二弾。明るくコミカルで、ふたりの掛け合いが実に楽しい。

病院坂の首縊りの家 ☆☆☆
東宝/'79/市川崑 監督、石坂浩二、佐久間良子、桜田淳子、あおい輝彦、萩尾みどり、三木のり平
シリーズ第5弾。アイドル桜田淳子の演技は見もの。作品ともども悪くない出来です。

白く濡れた夏 ☆☆☆
にっかつ/'79/加藤彰監督、池波志乃、長谷川明男、南條弘二
池波志乃唯一のロマンポルノだが、なかなかの佳作です。ギラギラとした人生の夏を終えようとしている男と、これから夏を謳歌しようとする若者たちの間で、ひとりの女の夏が終わる姿。

天使のはらわた/名美 ☆☆☆
にっかつ/'79/田中登監督、鹿沼えり、地井武男、山口美也子、古尾谷雅人
一流週刊誌の雑誌記者土屋名美と、かつては大手の出版社の編集者だったが今は身を持ち崩した村木哲郎を軸に、強姦により様々に人生を狂わされた男女の話を綴る。

ホワイト・ラブ ☆☆
東宝/'79/小谷承靖監督、山口百恵、三浦友和

十八歳、海へ ☆☆☆★
にっかつ/'79/藤田敏八監督、永島敏行、森下愛子、小林薫、島村佳江
自殺ごっこを繰り返す男女と、ふたりに関わる男女の出合いと別れ。小林薫の存在感が光る青春映画の秀作。

スーパーGUNレディ ワニ分署 ☆★
にっかつ/'79/曽根中生監督、横山エミー、ジャンボかおる、岸田森、山谷初男
『さそりシリーズ』の篠原とおるの原作劇画。

蘇る金狼 ☆☆☆★
東映/'79/村川透監督、松田優作、風吹ジュン、佐藤慶、成田三樹夫

金田一耕助の冒険 ☆★
東宝/'79/大林宣彦監督、古谷一行、田中邦衛、吉田日出子、熊谷美由紀

エイリアン ☆☆☆☆
米/'79/リドリー・スコット監督、シガニー・ウィーヴァー、トム・スケリット、ジョン・ハート
映像、美術、キャラクター、演出、プロットとすべてにおいて最高峰のSFホラー・サスペンス。

さよならミス・ワイコフ ☆☆☆
米/'78/マーヴィン・J・チョムスキー監督、アン・ヘイウッド、ロバート・ヴォーン、ドナルド・プレゼンス
セックスへのトラウマから35を過ぎても男性経験のない白人の女教師が、黒人生徒にレイプされたことで自我を確立していく。

濡れた週末 ☆☆☆★
にっかつ/'79/根岸吉太郎監督、宮下順子、山下旬一郎、中島葵、亜湖、安達信康
《別レヴューあり》

ウィズ ☆☆☆
米/'78/シドニー・ルメット監督、ダイアナ・ロス、マイケル・ジャクソン、レナ・ホーン、リチャード・プライアー
ブロードウェイで上演された黒人キャストの『オズの魔法使い』の映画化だが、ドロシー役のダイアナ・ロスには無理がある。しかし、モータウン・ミュージックの醍醐味は十分に味わえる。
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