TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

反体制のヒロイン梶芽衣子1

 梶芽衣子さんは、日本映画で女性のアウトローを最初に定着させた女優だと思う。
 彼女なくして'68~'71年の日活ニューアクションは語れないわけで、その代表作「野良猫ロックシリーズ」は東映の「女番長〈スケバン〉シリーズ」を生み、「さそりシリーズ」へと続いていった系譜でもある。リアルタイムで梶さんの主演映画を最初に観たのは「女囚701号さそり」('72)なのだが、これは「ビッグコミック」に掲載されていた篠原とおる原作の漫画を読んでいたのが見るきっかけだった。だから先に製作されていた「野良猫ロックシリー ズ」は後追いで観ることになる。

 それまでぼくは、もっぱら東宝のニュー・アクション映画を観ていた。加山雄三主演の「狙撃」や「豹は走った」、黒沢年男の「死ぬにはまだ早い」は絶対的に面白かったな。同じく黒沢年男の「白昼の襲撃」などは、'68~'69年に生まれたアメリカンニューシネマの“アンチ・ハッピーエンド”の影響をもろに受けている作品だった。日野皓正のジャズトランペットをテーマに起用したのも、フランス映画「死刑台のエレベーター」などフィルム・ノワールの影響です。日本映画が、めちゃカッコいいと思ったのがこの映画からだ。
 そして同じように作られたのが、日活ニューアクションとしての「無頼シリーズ」と「野良猫ロックシリー ズ」。藤田敏八監督の「八月の濡れた砂」までの3年間、しっかりと“アンチ・ハッピーエンド”映画としてその使命を果たした。で、日活倒産=復興の流れのなかで“日活ロマンポルノ”へと継承される。
 梶さんはと云えば“ロマンポルノ路線”を機に日活を退社し、今度は舞台を東映に移し「さそり」が生まれることになるのです。

 まぁしかし、プログラムピクチャーが日本の映画を支えてきたようなものとはいえ、この「さそりシリーズ」のアバンギャルドな作りの凄いこと。そして渡辺文雄、小松方正、成田三樹夫の悪役ぶりも徹底しているが、それ以上に、梶さんの一言も喋らないクールな芝居と眼の凄みに圧倒されます。まさに“反体制のヒロイン”。映画は、主演女優を見ているだけで快感 になるのです。
 この時代、「仁義なき戦いシリーズ」とともに「さそりシリーズ」が待ち遠しい日々が続くのだが、第4弾の「恨み節」(梶が恋する敵役が田村正和)は、残念ながらかなりパワーが落ちた感じがした。結局これが最終作になったのだが、それでも、梶芽衣子を見るだけには十分な映画だった。だから、その後何度となくリメイクされる「さそり」の松島ナミにはひとつも興味が沸かない。

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