TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

「グッドナイト&グッドラック」



Good Night,and Good Luck
監督:ジョージ・クルーニー
脚本:ジョージ・クルーニー、グラント・ヘスロヴ
出演:デヴィッド・ストラザーン、ジョージ・クルーニー、ロバート・ダウニー・Jr、パトリシア・クラークソン、フランク・ランジェラ、レイ・ワイズ

☆☆☆  2005年/アメリカ/93分

    ◇

 高度消費社会の到達点だった1950年代のアメリカは、電化製品や自動車を保有する家庭が増加し経済的にも恵まれ、我々がアメリカ的とイメージする“豊かな消費生活”の時代の始まりだった。
 しかし、政治的には最も暗黒な時代だ。

 ソ連がアメリカに次ぎ核保有を宣言し冷戦時代に突入、朝鮮戦争がぼっ発。
 それに伴いアメリカ国内では、集団ヒステリーのごとくアメリカ全土を占める勢いで“反共キャンペーン”が吹き荒れた。かの悪名高きジョセフ・マッカーシー上院議員による“赤狩り”であり、マスメディアも報復を恐れ自由な報道ができない状態になっていた。

 この作品は、CBSネットワークで長年報道キャスターを務めてきたエド・マローが、ジャーナリストとしてあるべき姿勢を守るために、マッカーシー上院議員に対して敢然と立ち向かった実話を描いた社会派ドラマ。

 真実がいかに貴いものか、ズシリとくる。
 
 美しいモノクロームの画面は、マッカーシーの実際の映像を使いながらドキュメンタリーのように創られており、削ぎ落とされた台詞とともにスタイリッシュな映像だ。

 テレビ局内とバーの中だけ(一部寝室)という室内劇で、全編BGMは使われず、音楽はテレビ放送用のブースの中のジャズコンボの歌と演奏のみ。
 台詞劇の趣きから画面が単調になりそうなところを、ダイアン・リーヴスの歌声が盛り上げる。これが実にいい。

 サラ・ヴォーンを思わせるような温かい歌声で、オリジナルスコアを伝えるように丁寧に歌うダイアン・リーヴスのおかげで、外の風景が一切映されないのに50年代の雰囲気やムードが良く出ているのだ。
 さすが、ジャズ・ヴォーカリストのローズマリー・クルーニーを叔母に持つジョージ・クルーニーのセンスと選曲!
 
 マローは極度のヘビースモーカーで、テレビ画面には常に短くなったタバコを指に挟んだスタイルで視聴者に向き合っている。
 実際にはかなりの緊張を強いられていたのだろうが、知的な話し方が落ち着いた雰囲気をつくり出し、下卑なマッカーシーとの品位の差が表れたのがテレビという媒体の凄さ。
 デヴィッド・ストラザーンは、目線やタバコの持ち方で鬼気迫る演技を見せる。

 マッカーシーの自滅は、テレビの時代になっていたことだろう。

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