TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

「白いドレスの女」



BODY HEAT
監督:ローレンス・カスダン
脚本:ローレンス・カスダン
出演:キャスリーン・ターナー、ウィリアム・ハート、リチャード・クレンナ、テッド・ダンソン、ミッキー・ローク

☆☆☆☆  1981年/アメリカ/113分

    ◇

 ジェームズ・M・ケイン(「郵便配達は二度ベルを鳴らす」)のミステリーを映画化したビリー・ワイルダーの『深夜の告白』を下敷きに、脚本家ローレンス・カスダン(「スターウォーズ/帝国の逆襲」「レイダース/失われたアーク」)が、悪女に翻弄され自滅していく男の姿を描いた監督デビュー作で、ハードボイルド小説あるいは犯罪小説に不可欠な、細部に練られたプロットと扇情的であり上質な台詞が詰まった“80年代のフィルム・ノワール”として賞賛できる傑作。
 我が愛しのキャシー、キャスリーン・ターナーの映画デビュー作でもあり、主人公の弁護士同様、堂々とした悪女ぶりのキャシーの妖艶な姿と官能的なハスキー・ヴォイスに完全に魅了された作品だ。

 ジョン.バリーが奏でる気だるくジャジーな音楽をバックに、主人公のネッドが情事のあとにホテルの窓から近くの火事を眺める導入部は、これから起きる熱く扇情的な愛の顛末を予感させるに十分なオープニングで、クレジット・デザインの官能性も美しく監督としてのセンスが光るところ。

 むせ返るように暑い常夏のフロリダで、うだつの上がらない弁護士ネッド(ウィリアム・ハート)がある夜野外コンサートホールで白いドレスの美女マティ(キャスリーン・ターナー)と出会う。彼女は二十も年上の男を夫に持つ人妻。夫に不満を持つマティは、ネッドの強引な誘いに躰を許すことになる。
 ふたりの演じるラヴシーンは官能美に溢れ、原題の“BODY HEAT”の名の通り熱く濃密。大胆なセックス・シーンとエロティシズムの香りがふんだんに立ち込めるメロドラマ性も、キャシーの強烈にしてセクシーな存在感に尽きる。

 やがて、マティが邪魔な夫を始末して欲しいと誘うようになりエロティック・ドラマが一転、サスペンスに変わる。マティの躰の虜になったネッドは完全犯罪を目指し夫を殺害。それは、巧妙な罠に誘い込まれたネッドの転落のはじまりで、マティは富豪であった夫の全財産を受け継ぐことになり、今度はエロティック・サスペンスがミステリーの様相に変わる。

 ネッドの不審がマティの素性を徐々に暴いていくのだが、遺産目当ての完全犯罪にネッドを利用したことを認めたマティも、ネッドへの愛に偽りはなかったと告白。そして、マティの死。
 
 ラストの留置所でマティのアルバムを見るネッドの姿が印象的で、そのあとのワンカットに、クールでセクシーで知的な悪のヒロイン誕生を鮮烈に残す出来栄になっている。

 全体の倦怠ムードが、後半に緊張感の欠けるような感じがしないでもないのだが、これは監督の意図したとおりの雰囲気に一貫性が見られると云うことで納得できる。

 どうしようもなく女好きで、マティにいいように利用され、潔く堕ちていく男をサラリと演じたウィリアム・ハートも素晴らしい。哀れな男の性を好演している。

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Comment

ちゃーすけ says... ""
これはキャスリーン・ターナーの悪女ぶりに惚れ惚れしました。
最後に見せた姿は「見事!」の一言でした。
キャスリーン・ターナーはこの後の「男と女の名誉」も好きです。
2009.03.04 00:12 | URL | #a2H6GHBU [edit]
mickmac says... "Re: タイトルなし"
キャシーは大好きな女優です。
ローレン・バコール系の女優としてこの作品でデビューしましたが、「女と男の名誉」の殺し屋や「私がウォシャウスキー」の女探偵役も良かったし、「ロマンシング・ストーン」シリーズや「ペギー・スーの結婚」などコメディエンヌの才能もあるし、「シリアル・ママ」での怪演も凄かったですよ。

つい最近、オフ・ブロードウェイに怪我から復帰したみたいです。
2009.03.04 13:03 | URL | #- [edit]
ちゃーすけ says... ""
「私がウォシャウスキー」は原作まで読んでしまいました。
スーツにハイヒールで拳銃を構えたポーズ、素敵過ぎます。

「ロマンシング・ストーン」シリーズ、見ました。
「ローズ家の戦争」でもやっぱりかっこよくて…。
かと思えば、「ペギー・スーの結婚」も良かったですね。
「シリアル・ママ」もみましたよ!

ケガは治ったんですね、本当に良い女優さんだと思います。
2009.03.04 17:58 | URL | #a2H6GHBU [edit]
mickmac says... "Re: タイトルなし"
ちゃーすけさん

「ローズ家の戦争」までは分かりますが、「私がウォシャウスキー」や「シリアル・
ママ」をご覧とは………。
ハーバート・ロス監督、デニス・クエイドと共演した「アンダーカヴァー・ブルース」
をご覧なら、りっぱなキャシー・ファンですが……(笑)。
2009.03.06 19:28 | URL | #- [edit]
ちゃーすけ says... ""
「アンダーカヴァー・ブルース」はビデオで見ました。
「Mr.&Mrs.スミス」より好きです、私は。
「私がウォシャウスキー」では何度も「ウォッチスキーさん」とか名前を間違えられて、そのたびに「ウォシャウスキー」と言い直してましたね。
ああ、ちょっと刺激が強いですけど、「クライム・オブ・パッション」も見てしまいました…。
2009.03.07 00:08 | URL | #a2H6GHBU [edit]
mickmac says... "Re: タイトルなし"
ちゃーすけさん

「アンダーカヴァー・ブルース」見てましたか!親近感湧くなぁ(笑)
「Mr.&Mrs.スミス」は、「ローズ家の戦争」と「女と男の名誉」を足してふたつに割ったような作品でしたが、「アンダーカヴァー・ブルース」のようなスマートな洒落がなかったですね。
まぁ。アウトラインがパクリでも、アンジェリーナだけ見ていればいいような作品でしたが(笑)
2009.03.08 00:15 | URL | #- [edit]

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