TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

'78年の映画ノート

◆1978年/邦画マイ・ベスト・テン
01 サード 
02 冬の華 
03 曾根崎心中 
04 帰らざる日々 
05 ブルークリスマス 
06 はなれ瞽女おりん 
07 最も危険な遊戯 
08 人妻集団暴行致死事件 
09 肉体の門 
10 好色五人女

◆1978年/洋画マイ・ベスト・テン
01 帰郷 
02 ミッドナイト・エクスプレス 
03 グッバイガール 
04 結婚しない女 
05 ローリング・サンダー 
06 ミスターグッドバーを探して 
07 未知との遭遇 
08 新・サイコ 
09 ザ・ドライバー 
10 愛のメモリー


肉体の門 ☆☆☆
にっかつ/'77/西村昭五郎監督、加山麗子、渡辺とく子、山口美也子、宮下順子
田村泰次郎原作で、戦後の闇市で娼婦として逞しく生きる女たちの生き様が描かれる。1964年の野川由美子を主演にした鈴木清順監督の作品が有名。1988年には五社英雄監督が3度目のリメイクをし、かたせ梨乃・名取裕子のガチンコ勝負が見ものだった。3作ともそれぞれに監督の持ち味が出ていて面白い。

妖精の部屋 ★
にっかつ/'77/加藤彰監督、早瀬しおり、宮井えりな、内田良平、草薙幸二郎
『肉体の門』の併映作だったが途中退場。

修道女ルシア・辱す ★
にっかつ/'78/小原宏裕監督、野平ゆき、桂たまき、岡本麗
脚本が『暴行切り裂きジャック』や『HOUSE ハウス』の桂千穂だったのだが内容は覚えなし。助監督に黒沢直輔。

アニー・ホール  ☆☆☆
米/'77/ウディ・アレン監督、ウディ・アレン、ダイアン・キートン、トニー・ロバーツ
ニューヨークを舞台に、売れないコメディアンとインテリ美女とのラヴ・ストーリー。アカデミー賞をはじめ数々の映画賞を総なめにした作品だが、知的会話の羅列は字幕スーパーでは辛い。NYの風景とスタイリッシュな映像を楽しむだけ。

はなれ瞽女おりん  ☆☆☆★
東宝/'77/篠田正浩監督、岩下志麻、原田芳雄、奈良岡朋子、樹木希林、小林薫
原作は水上勉。瞽女(ごぜ)とは、大正時代、集団で三味線を弾き瞽女唄を唄いながら旅をする盲目の女旅芸人たちのこと。戒律が厳しく男性との交わりを禁じており、禁を破ったものは一座から追放され一人で門付をする。そのことを「はなれ瞽女」と呼ぶ。おりんと脱走兵の男との道行きを、宮川一夫のカメラが美しい風景とともに綴っていく。映像の素晴らしさに感動。

襲う!  ☆☆★
にっかつ/'78/長谷部安春監督、小川亜佐尾、梓ようこ、阿藤海
永原秀一脚本。長谷部安春お得意の凄まじいヴァイオレンスの快作。

ローマに散る  ☆☆☆
伊/'76/フランチェスコ・ロージー監督、リノ・ヴァンチュラ、ティノ・カラーロ、シャルル・ヴァネル
イタリア映画界きっての硬派監督F.ロージが描くイタリアン・マフィアへの糾弾。ギャング役が多いヴァンチュラが検事に扮し、イタリア社会の闇に踏み込んでいく。

限りなく愛に燃えて  ☆☆☆
仏・西独・伊/'76/ピエール・グラニエ=ドフェール監督、ロミー・シュナイダー、フィリップ・ノワレ
ファシズムの嵐が吹きすさぶ時代に、外交官夫人と共産革命家の激しく燃えた愛と逃避行を描いた作品。ロミー・シュナイダーがもっとも美しかった頃。

未知との遭遇  ☆☆☆☆★
米/'78/スティーブン・スピルバーグ監督、リチャード・ドレイファス、フランソワ・トリュフォー、テリー・ガー
それまでB級扱いばかりだったSF映画に感動を覚えた記念的作品。前半のミステリー的展開と中盤のスリリングさが、後半で一気に映像的驚きと感動に包まれる。ダイナミックさは、同じ年に公開された『スターウォーズ』より好きだった。宇宙船内部を明かした「特別編」より、やはりオリジナルが良い。

女王蜂  ☆☆
東宝/'78/市川崑監督、石坂浩二、中井貴恵、岸恵子、高峰三枝子、司葉子、仲代達矢
石坂浩二と加藤武とのやりとりなどシリーズとしての楽しさはあるが、歴代の犯人だった女優陣を並べなければならないほど、中井貴恵の華の無さはどうしようもなかった。

ミスターグッドバーを探して  ☆☆☆☆★
米/'78/リチャード・ブルックス監督、ダイアン・キートン、リチャード・ギア、ウィリアム・アザートン
昼は聾唖学校に通い、夜は酒場で行きずりのセックスを求めるといった二重生活をする女教師が、麻薬とセックスに溺れ破滅していく。大都会にひとりで生きる女の孤独が、哀しい結末を招くドラマ。この女性のモラルを非難するよりも、一生懸命に生き抜いた女の姿を見つめていきたい。ダイアン・キートンの汚れ役は凄かった。

愛と喝采の日々 ☆☆☆★
米/'77/ハーバート・ロス監督、シャーリー・マクレーン、アン・バンクラフト
かつてダンサーとしてライバル同士だったふたりの女性が再会。嫉妬や羨望による罵りあいから見えてきたものは、それぞれの人生で大切だったものの存在。自分に正直に生きてきたふたりに悔いはなし。二大女優の火花散る演技のぶつかり合いでアカデミー賞を獲得。

桃尻娘ピンク・ヒップ・ガール  ☆☆★
にっかつ/'78/小原宏裕監督、竹田かほり、亜湖
橋本治のデビュー小説『桃尻娘』の映画化。性格のまったく違う二人の女子高生が、旅先で様々な経験をするロードムービー。ロマン・ポルノというより明るく楽しい青春映画の傑作で、大ヒットしてシリーズ化された。竹田かほりは、松田優作のTV「探偵物語」のかほり役が良かった。

恐怖の報酬  ☆☆
米/'77/ウィリアム・フリードキン監督、ロイ・シャイダー、ブルーノ・クレメル
興行的に失敗作と云われているが、サスペンスとしては楽しめる。ただ、オリジナルとは人間ドラマの深さが違うので評価は低い。ラストシーンが違うので、オリジナルのアンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督作品と比べてみると面白い。

テレフォン  ☆☆
米/'77/ドン・シーゲル監督、チャールズ・ブロンソン、リー・レミック、ドナルド・プリーゼンス
B級アクション・スリラーの小品。米ソの冷戦時代が終わる頃、アメリカを舞台にしたソ連の諜報員同士の戦いで、この設定が面白い。

ローリング・サンダー ☆☆☆★
米/'77/ジョン・フリン監督、ウィリアム・ディヴェイン、トミー・リー・ジョーンズ
ベトナム戦争の後遺症を描いた秀作で、捕虜生活から帰還した主人公が妻子を殺され、右腕をも失いながら壮絶な復讐を遂げるヴァイオレンス映画。脚本は『タクシードライバー』のポール・シュレイダー。テキサスでの歓迎パレードの無力感からラストの凄惨な殺し合いまで、孤独な男の生き様は喪失感しか残さない。TVドラマ『24 :4th Season』で久々にウィリアム・ディヴェインを見かけた。

ダブル・クラッチ  ☆☆☆
松竹/'78/山根成之監督、郷ひろみ、松坂慶子、森下愛子、地井武男
原作は五木寛之。健気に生きながらも、恩師であり恋人の男に殺されてしまった姉の復讐をする青年の姿が描かれる。

オレンジ・ロード急行  ☆☆☆
松竹/'78/大森一樹監督、嵐寛寿郎、岡田嘉子、森本レオ、中島ゆたか、原田芳雄
城戸賞を受賞した大森一樹の若干26歳時のメジャー第一作で、小型トレーラーで海賊放送をする若者たちと、自動車泥棒をしながら旅をする二人の老人の交流が描かれる。心優しいが世の中と適応できない若者と、したたかで行動派のジジ&ババ。人生の黄昏時と青春の黄昏時は、同じみかん色の夕陽が見つめているのです。森田童子の歌『さよならぼくのともだち』が心地イイ。

曾根崎心中  ☆☆☆☆
ATG/'78/増村保造監督、梶芽衣子、宇崎竜童、井川比佐志、左幸子、橋本功
《別レヴューあり》

サード  ☆☆☆☆☆
ATG/'78/東陽一監督、永島敏行、森下愛子、吉田次昭、志方亜紀子
寺山修司の脚本から紡ぎ出されたのは主役ふたりの存在感。女友達ふたりに売春斡旋をし、客のヤクザを殺してしまい少年院に入る青年サード。ホームベースを探し求め孤独に走り続けるサードの心の渇きがリアルに感じられ、森下愛子の眩しい肢体も印象的だった青春映画の秀作。

愛の地獄  ☆☆☆
仏・西独/'77/アンドレ・カイヤット監督、アニー・ジラルド、ベルナール・フレッソン、ハーディ・クリューガー
幼い娘を誘拐され殺された母親の姿を追ったサスペンス。事件の裏に隠された悲劇に唖然とさせられる。

女高生/天使のはらわた  ☆☆★
にっかつ/'78/曽根中生監督、深水三章、川島めぐ、渡辺とく子、川西健司
“天使のはらわたシリーズ”の第1作目だが、原作劇画自体が名美と村木の話ではなく村木という名前もまだ使われていない。土屋名美はあくまで脇役の、非行グループの青春ポルノ。

エロチックな関係  ☆☆★
にっかつ/'78/長谷部安春監督、内田祐也、加山麗子
浮気調査を依頼された探偵が、連続殺人事件に巻き込まれていくレイモン・マルロー原作の「春の自殺者」の映画化。1992年には同じ内田祐也主演で宮沢りえ、ビートたけしを共演にしたリメイク版が公開されている。ハードタッチな仕上がりが長谷部監督らしくて面白い。

人妻集団暴行致死事件  ☆☆☆★
にっかつ/'78/田中登監督、室田日出男、黒沢のり子、古尾谷康雄(雅人)
このタイトルからは想像できない傑作。無軌道な若者の性衝動と、知恵おくれ気味の女房を持つ中年男の哀感と悲劇。それまでの強面で狂気な役とは違い、内面的演技でお人好しな中年男を熱演し絶賛された室田日出男は不祥事からの復帰第一作で、女房役の黒沢のり子にも注目が集まったドラマ。亡くなった女房を浄め風呂場での屍姦シーンは、ある種崇高で厳粛な儀式に思えた。

スター・ウォーズ  ☆☆☆
米/'77/ジョージ・ルーカス監督、マーク・ハミル、キャリー・フィッシャー、アレック・ギネス、ハリソン・フォード
遥か銀河系で繰り広げられる帝国軍と反乱軍との闘いを描いた記念すべき第一作。それまでになかったスピード感で魅了させてくれたSF映画ではあったが、この年は『未知との遭遇』に軍配を……。

スウォーム  ☆
米/'78/アーウィン・アレン監督、マイケル・ケイン、キャサリン・ロス、リチャード・ウィドマーク、ヘンリー・フォンダ、ホセ・ファーラー、リー・グラント
大量の殺人蜂が人間を襲うパニックもので、オールスター・キャストで作られた最低映画。

ふりむけば愛 ☆☆
東宝/'78/大林宣彦監督、山口百恵、三浦友和
初のオリジナル作品だったが、肝心な脚本で空振り。

サタデー・ナイト・フィーバー  ☆☆☆
米/'77/ジョン・バダム監督、ジョン・トラヴォルタ、カレン・リン・ゴーニィ、バリー・ミラー
ディスコブーム、ダンスブームのなか、一躍トラヴォルタをスターダムにのせた作品。青春映画の傑作。

火の鳥  ☆☆☆
東宝/'78/市川崑監督、高峰三枝子、若山三郎、江守徹、草刈正雄、大原麗子、大滝秀治
手塚治虫の『火の鳥・黎明編』を谷川俊太郎の脚本で、アニメーションとの合成で実写化したドラマ。市川監督のチャレンジと意気込みを感じる作品で確かに合成技術は拙いが、原作を読んでいるものには面白い豪華キャストになっている。

帰らざる日々  ☆☆☆☆
にっかつ/'78/藤田敏八監督、永島敏行、江藤潤、浅野真弓
父の訃報で6年ぶりに故郷に向かう青年(永島敏行)が列車のなかで、競輪選手を夢見た親友(江藤潤)や恋心を抱いた女性(浅野真弓)との煌めいた青春期を回想する。作家を目指しキャバレーのボーイをしている主人公の現在と、10代の頃の3人の夢と挫折を対比させながら眩しく描いた青春映画の傑作。ラストにアリスの同名歌曲が流れるが、このシーンはまさに“君に捧げるほろ苦いブルース”です。

高校大パニック  ☆☆☆
にっかつ/'78/石井聡亙監督、浅野温子、山本茂、河原崎長一郎
鬱積した高校生の閉息感と暴力を描きたかった石井監督のデビュー作で、アマチュア時代に8mmで制作した作品を日活でリメイクしたヴァイオレンス映画。クールさに比類のない浅野温子のデビューでもある。

野生の証明  ☆☆★
東映/'78/佐藤純弥監督、高倉健、薬師丸ひろ子、中野良子、夏八木勲
自衛隊特殊部隊の単独訓練中に残殺事件に遭遇した男が、除隊後に生き残った少女(薬師丸ひろ子)を引き取りながら国家的陰謀と闘う。悪徳刑事や権力の不正者が次々と現れ、最後に自衛隊特殊部隊との一大決戦になる。クライマックスは日本映画最大のアクションシーンとのことで、アメリカで撮影を敢行するなど華々しい宣伝の打ち上げ花火は豪華だったがなんとも鼻白む出来。薬師丸ひろ子の可愛らしさと存在感だけが残る結果です。

冬の華 ☆☆☆☆★
東映/'78/降旗康男監督、高倉健、池上季実子、北大路欣也、池部良、
倉本聡の脚本は足ながおじさん物語。殺した相手の娘に伯父と偽りながら送金するヤクザが満期出所後に堅気になろうとするが、結局は破滅の道を選んでしまう男を人情豊かに描いた秀作。日本人の琴線に触れるクロード・チアリの音楽も胸を打つ。ストイックな健さんならではのドラマだ。

結婚しない女  ☆☆☆☆
米/'78/ポール・マザースキー監督、ジル・クレイバーグ、アラン・ベイツ、クリフ・ゴーマン
アメリカの女性の地位の向上や社会進出は70年代のウーマン・リブ運動以降だが、決して「結婚しない」ことが「自立する」ことではない。「愛される人」から「愛する人を選択」することが出来るかどうかだ。映画は、一方的に夫から離婚された主婦が女として精神的に自立していく様を、ニューヨークを舞台に軽妙に描いていく。カンヌ映画祭やアカデミー賞でいくつかの賞を獲得。

新・サイコ  ☆☆☆
米/'77/メル・ブルックス監督、メル・ブルックス、マデリーン・カーン
ヒチコック映画を徹底的にパロディにしたメル・ブルックス監督のサスペンス・コメディ。邦題の『サイコ』をはじめ『北北西に進路をとれ』『めまい』『鳥』等、名シーンの細かなディティールやカメラアングルにいたるまでこだわりがある秀逸な出来栄えだ。

帰郷  ☆☆☆☆☆
米/'78/ハル・アシュビー監督、ジェーン・フォンダ、ジョン・ヴォイト、ブルース・ダーン
ヴェトナム戦争の後遺症を、メロドラマ的ストーリーで描いた秀作。海兵隊の夫を戦地に送りだした妻は、基地内の病院で帰還兵を看護するボランティアに参加。悲惨な光景の中で、下半身不髄で車椅子に乗るハイスクール時代の同級生に再会。次第に彼に惹かれ、愛しあうようになるのだが、彼は反戦運動に没頭していく………。英雄として帰国した夫の脆さも含め、心のよりどころに彷徨う男女の悲劇。

愛のメモリー  ☆☆☆★
米/'76/ブライアン・デ・パルマ監督、クリフ・ロバートソン、ジュヌヴィエーヴ・ビュジョルド、ジョン・リスゴー
ヒチコックをこよなく敬愛するデ・パルマ監督のミステリーで、誘拐事件で妻子を失った男が数十年後に妻と瓜ふたつの女性と巡り会うのだが、またしても誘拐事件が発生する……。脚本、演出はもちろん、音楽といいカメラワークといいデ・パルマ流サスペンスが冴える初期の傑作。

ザ・ドライバー  ☆☆☆★
米/'78/ウォルター・ヒル監督、ライアン・オニール、イザベル・アジャーニ、ブルース・ダーン
夜のロサンゼルスを舞台に、犯罪者の逃亡を助ける“ドライバー”と彼を執拗に追う“ディテクティヴ”。街なかを失踪するカーチェイス・アクションは迫力満点で、フィルム・ノワールらしく映像美が美しいウォルター・ヒル監督の初期の傑作。クールな美女“プレイヤー”のイザベル・アジャーニもいい感じ。

好色五人女  ☆☆☆
にっかつ/'78/田中登監督、山口美也子、宮井えりな、松田暎子、青山恭子、大谷麻知子、山下旬一郎
井原西鶴の原作を映画化。何をやってもうまくいかないピンサロ店長井原と5人の女たち。元ストリッパーや、過激派の恋人がいるもの、駆落ち心中未遂女、借金まみれの夫がいる人妻など、彼女たちの奔放さ、哀感、純情、純愛、そして虚無と、それぞれが堕ちていく様を描いていく。元ストリッパー役の山口美也子が光る。

ハワイアンラブ 危険なハネムーン  ☆
にっかつ/'78/林功監督、加山麗子、竹田かほり、フランキー堺
「帰らざる日々」の中岡京平が脚本を書き、オール・ハワイ・ロケを敢行したコメディタッチのサスペンス。

グッバイガール  ☆☆☆☆
米/'77/ハーバート・ロス監督、マーシャ・メイソン、リチャード・ドレイファス
ニール・サイモンの脚本は、夫人のマーシャ・メイソンとリチャード・ドレイファスのために書き下ろされた都会派ラブ・コメディ。子連れの元ダンサーと、彼女の住むアパートメントに越してきた売れない俳優との恋模様がハートウォーミングに描かれる秀作で、ニューヨークの小市民の人情を温かく見守りながらホロっとさせたり笑わせたりの作劇術こそ、ハーバート・ロスとニール・サイモンのコンビによる名人芸。アメリカ映画の伝統を感じる。リチャード・ドレイファスはこの作品でオスカーを獲得。

用心棒  ☆☆☆☆☆
東宝/'61/黒沢明監督、三船敏郎、仲代達矢、司葉子、山田五十鈴
時代劇に西部劇的要素を盛り込み、その大胆な構成とリアリズムがあるからこそ、後のマカロニ・ウェスタンの名作『荒野の用心棒』が生まれた。文句なしの娯楽時代劇。

椿三十郎 ☆☆☆☆
東宝/'62/黒沢明監督、三船敏郎、仲代達矢、小林桂樹、加山雄三、団令子
若侍たちに加勢する三十郎は、キャラクターは同じだが前作の桑畑三十郎よりユーモアで人間的。そして、ラストの仲代達矢との一騎打ちに尽きる痛快時代劇だ。

隠し砦の三悪人  ☆☆☆☆
東宝/'58/黒沢明監督、三船敏郎、上原美佐、千秋実、藤原釜足
戦国時代、敗戦の将と世継ぎ姫の脱出アドヴェンチャー巨編で、千秋実と藤原釜足の百姓コンビが後の『スター・ウォーズ』のC-3POとR2-D2の原型ということは有名。

ブルークリスマス  ☆☆☆☆
東宝/'78/岡本喜八監督、竹下景子、勝野洋、仲代達矢、八千草薫、小沢栄太郎、芦田伸介、岸田森、天本英世、大谷直子
《別レヴューあり》

九月の空 ☆☆☆
松竹/'78/山根成之監督、坂東正之助、風吹ジュン、長門裕之、野際陽子、石野真子
高橋三千綱の芥川賞受賞作を中岡京平の脚本で映画化。高校生の揺れ動くこころの想い。それは剣道への情熱や、性への憧れ、そして家族への反発と、15歳の青春を謳いあげた成長物語。

博多っ子純情 ☆☆
松竹/'78/曽根中生監督、光石研、小屋町英治、松本ちえこ
『漫画アクション』掲載の長谷川法世の人気マンガをにっかつの曽根中生が映画化。15歳の思春期の男子生徒の、ケンカと性の目覚めをコミカルに描いた青春映画。

ミッドナイト・エクスプレス  ☆☆☆☆
米/'78/アラン・パーカー監督、ブラッド・デイビス、ランディ・クエイド、ボー・ホプキンス
大麻の密輸でトルコの刑務所に投獄され、祖国からも見放され絶望の日々を送る青年が脱獄するまでを描いた実話映画で、非人間的扱いを受けながらも生き延びた人間の驚異を感じる問題作。オリヴァー・ストーンの脚色は、若者の愚かな行為が政治的背景(ニクソン時代のアメリカと中東諸国の緊迫関係)を巻き込み、そのため国家的犠牲になりながら精神を病んでいく様を執拗に描いていく。異常な刑務所内を美しい映像で見せられると、哀しさが倍増する。

ナイル殺人事件  ☆☆☆
英/'78/ジョン・ギラーミン監督、ピーター・ユスティノフ、ベティ・デイヴィス、マギー・スミス、ミア・ファーロー、デビッド・ニーヴン、ジョージ・ケネディ、オリヴィア・ハッセー
『オリエント急行殺人事件』に続いてオールスターキャストで映画化されたアガサ・クリスティの名作ミステリー。この手の豪華出演陣のミステリーはエレガントさが重要であり、その見事さはクリアしている。市川“金田一”シリーズにも通じる娯楽作品。

グリース  ☆☆
米/'78/ランダル・クレイザー監督、ジョン・トラヴォルタ、オリビア・ニュートン=ジョン
ブロードウェイ・ミュージカルの映画化で人気絶頂期のふたりの共演は面白く楽しい映画だが、それだけのことかな。
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Comment

シリウス says... "黒澤明監督の3作品"
この中で「用心棒」の印象が強いですね。
これは封切り時点で観て、その後、出張先の島根県益田市で時間が余り、夜の最終上映を観て大阪行きの寝台列車に乗ったのを記憶している。3回目は8~10年前、大阪で上映された時に観ていますね。
この映画を最初に観たときは、今までの時代劇と全然違うぞという感じが全てでしたね。
傑作の娯楽映画です。
黒澤監督は砂塵が巻き上がる強い風のシーンが好きですね。
昔の西部劇も同じようなシーンが多かった。
確か、黒澤監督は西部劇映画の巨匠ジョン・フォード監督を尊敬していたと聞いている。
2006.03.03 16:59 | URL | #6cov1DqI [edit]
mickmac says... ">シリウスさん"
『用心棒』はリアルな時代劇の幕開きだったですね。その時代劇『用心棒』が本家の西部劇のターニング・ポイントになったというのも面白い事実です。
砂塵のシーンでの音楽が好きです。
2006.03.05 18:51 | URL | #- [edit]

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