TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

横浜ホンキートンク・ブルース

 ヨコハマにゆかりのあるミュージシャンらに好んで唄われる歌といえばこれだろう。
 ヨコハマに伝わる名曲、歌い手を選ぶ曲でもある。
 もともとは、俳優の藤竜也がトム・ウェイツのアルバムにインスピレーションを受けて作られたもので、藤が過ごしたヨコハマをセンチメンタルに綴った詩に、高校の後輩でもある元ゴールデン・カップスのエディ藩が曲をつけたものだ。

 最初にこの曲を聴いたのは松田優作の歌。工藤栄一監督の映画『ヨコハマBJブルース』('81)の中のワンシーンで、ヨコハマのうらぶれたブルース・バーで歌う松田優作のブルースにはシビレた。



 映画はヨコハマでのオール・ロケーションで、モノトーンの映像が艶っぽいハードボイルド映画。共演者(内田裕也、辺見マリ、宇崎竜童、蟹江敬三、馬渕晴子、財津一郎)のアクの強さを見ても松田優作自身撮影に力を入れた作品であり、優作の原案を常に共犯関係にいる脚本家丸山昇一がホンにしたものだが、これって実は、大好きなロバート・アルトマンの『ロング・グッドバイ』にインスパイアされたものなんだなぁ。まぁそれでも、映像の魔術師と云われた工藤栄一監督の作品だけにカッコ良く出来上がっている。


松田優作/HARDEST NIGHT LIVE

 竹田和夫とクリエーションをバックに、ROCKな歌声を披露する傑作ライヴ。作曲者のエディ藩も登場してのブルース・ギター競演は聴き応えあり。1981年リリース。

   たとえばブルースなんて聴きたい夜は
   ヨコハマ・ホンキートンク・ブルース

 藤竜也のレコードを持ち合わせていないのだが、確か“たとえば”のあとの歌詞は“トム・ウェイツ”だったはず。それを“ブルース”に変えて歌ったのが松田優作で、今ではこの優作ヴァージョンが代表になっている。



原田芳雄/BLUE

 松田優作に何かしらの影響を与えた原田芳雄。数あるアルバムからブルース曲ばかりを集め1990年にリリースされたベスト盤的CDで、原田芳雄のLPがCD化がされないことでこのシリーズ(他にREDとYELLOWがある)は重宝したのだが、現在は廃盤。ダウンロード版を聴くことはできるようだが………。
 名盤JUST SOME BLUESから5曲収められているのだが、目玉はトップに収められている「横浜ホンキートンク・ブルース」。このCDで初登場かな………一番好きなヴァージョンです。1984年名古屋・伏見のハートランド・スタジオという、小っちゃな小っちゃなライヴハウスの最前列で聴いたのが忘れられない。



JUST SOME BLUES

 「横浜ホンキートンク・ブルース」は入っていないが、1981年にリリースされた名盤。宇崎竜童がプロデュースをし、ダウンタウン・ファイティング・ブギウギ・バンドが全曲のバック演奏をしている。楽曲もほとんどが宇崎&阿木コンビで、ホーン・アレンジに大木トオルが参加している大傑作アルバム。社会の底辺にいるものたちの声なき声を唄った「I Saw Blues」は最高。内藤やす子が唄っていた「Lazy Lady Blues」の原田芳雄ヴァージョンもいい。

 ………



宇崎竜童/SMOKE & BOURBON

 ダウンタウン・ブギウギ・バンド時代を含め過去の代表曲をブルース/ロック調にアレンジして、ライヴハウスの紫煙の中で聴いているような雰囲気のセルフ・カヴァー・アルバム。デビュー30周年を記念して2002年にリリースされた。
 この中の「横浜ホンキートンク・ブルース」は、バンド時代の朋友和田静男のギターがむせび泣くレイジーなブルースに仕上がっている。和田静男は、自身が経営するバーのライヴでこの曲を定番にしているらしい。
 また、例の“ブルース”という歌詞をここでは“Tボーン”と変えて唄っている。



エディ藩/BLUE JADE

 1982年リリースのエディ藩のソロアルバムで、クリエーションも参加した洗練されたブルース・ロック・アルバムになっている。エディの「横浜ホンキートンク・ブルース」は、原田芳雄や松田優作に比べかなりサラっと唄っている。ディープなブルース感ではなくアダルト・コンテンポラリー風の趣きだ。
 

EDDIE BAN & ROXVOX/Another Better Day

 これもエディ藩。2004年に久しぶりにリリースされたアルバムで、ライヴハウスでの演奏風にリラックスしたセッションからは、大人のブルースの香りがいっぱいする好アルバムだ。「横浜ホンキートンク・ブルース」以外にも、カップス時代の大ヒット曲「長い髪の少女」が唄われ、エディの唄心に酔うことができる。
 ゴールデン・カップスの再結成ライヴ『ワンモアタイム』にもエディ・ヴァージョンが収録されている。これはDVD-BOXが出ているのでライヴ演奏を見ながらの方がいい。涙ものだ。


yokohamaragtime.jpg
石黒ケイ/YOKOHAMA RAGTIME

 さて「横浜ホンキートンク・ブルース」を唄うのは何も男性ばかりではない。ムードぴったりな女性がこの石黒ケイ。アルバムは、彼女のホームグラウンド横浜をコンセプトにした曲ばかりで1981年リリース。彼女を初めて聴いたのは1980年の『アンダートーン』で、これは一種のジャズアルバムとして聴くものなんだなと云うのが第一印象。五木寛之や糸井重里などの文化人から好かれ、アンニュイな歌声と歌のスタイルがこの曲にぴたりとハマっている。



石黒ケイ/LIVE SELECTION

 引退状態から16年経った2004年に、突然リリースされたのがこの80年代の未発表ライヴをセレクトしたアルバム。石黒ケイの魅力にあふれた好ライヴで、「横浜ホンキートンク・ブルース」のブルージーさはライヴハウスならではのサウンドだ。
 浅川マキの「ジンハウスブルース」と山崎ハコの名曲のひとつ「サヨナラの鐘」をカヴァーしているのも聴きもの。

 もうひとり、レコーディングはされていないが山崎ハコがライヴで「横浜ホンキートンク・ブルース」を歌っている。彼女も、原田芳雄の歌うこの曲がカッコ良かったと話しており、歌詞に登場するサラという女性に憧れここ何年かのライヴの定番曲になっている。


★ ヨコハマBJブルース ★
★ ロング・グッドバイ ★



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