TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

白夜行 第一回スペシャル

 ◆ネタバレを含んでいるので未見の方はご注意を。







 原作を大きく改変し事件全体の謎と要因をはじめに明かしてから綴られるこのドラマのオープニングが、原作のラストシーンを冒頭に持ってくることは予想できたが、いかにもリアル感のないドラマ仕立てのうえ、間延びした雪穂と亮司の再会シーンには気を削がれた。これは、同じスタッフ・キャストで制作したドラマ版『世界の中心で愛をさけぶ』での空港シーンと同じで、創る側の思い入れが過剰過ぎる。お互いが名前を呼び合う演出もこれ見よがしな感じで興醒めするし、なんと云ってもこれでは、雪穂の人物像が原作と大きく違う印象となってしまったのが残念。ここは無言の演技で、原作『白夜行』のタッチを尊重して欲しかった場面だ。

 見事だったのは幼年期の雪穂と亮司。特に雪穂の、過酷な運命に耐え、苦しみ、怒り、絶望し、そして哀しみと決意の姿を演じた福田麻由子の卓越した演技力は傑出している。成長した雪穂役の綾瀬はるかの演技を不安視させるほどだ。
 『ドブの花』と『ドブの月』のエピソードも、原作に書かれなかったふたりのこころの通い合いを描いたシーンとして出色。脚本家森下佳子のオリジナルとして、こういった繊細で情緒ある箇所は今後も望むところだが、一方で、スリリングさを一気に視聴者に示すために、笹垣刑事がいち早く子供らに目をつけるといった不自然さもある。証拠品のハサミを雪穂に返却するのも何らかの説明が欲しいところ。あそこのシーンは、福田麻由子の表情の変化が印象的で好きなのだ。

 雪穂「こうなったらどこまでも生きてやろうと思っています。親を殺してでも手に入れた人生だから。」

 今後、最高のピカレスク・ミステリーをただの恋愛主体のミステリーにしないために、この雪穂の決意の言葉が全編を貫く精神になってくれることを願う。生きるための共犯関係がふたりの根っこであり、あくまでクールな“悪の華”でありつづけて欲しい。
 なにしろ、第二話の予告で見る山田孝之の涙と綾瀬はるかの姿からは、原作の悪の香りが一切しないのだから心配だ。

白夜行  第1回(1月12日放送)
原作:東野圭吾
脚本:森下佳子
演出:平川雄一朗ほか 
主題歌:「影」柴咲コウ
出演:山田孝之、綾瀬はるか、福田麻由子、泉澤祐希、武田鉄矢、余貴美子、麻生祐未、八千草 薫(特別出演)、渡部篤郎(特別出演)、平田満、田中幸太朗

☆☆☆★ TBSテレビ系木曜日21:00~21:54(初回~22:48)


※ちょっとオマケ

 評価の星印は、福田麻由子ちゃんと泉澤祐希くんに☆ひとつプラスです。

 本当に原作を大切にしたいのであれば、やはりピカレスクなテイストが絶対条件。NHKあたりで90分の全3話くらいの長さに凝縮してくれれば、ミステリーファンとしても喜ばしいのだ。

 何年か前に、笹垣刑事にミュージシャンで俳優のHK、殺される桐原に映画監督のKTがキャスティングされた企画があったらしい。見たかったなぁ。
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Comment

MOKK
says... ""
おはようございます^^いつも楽しく拝見させていただいております。私も最近ブログを立ちあげたので、ちょっと変わったブログですが、時間がありましたら見てあげてください。笑
2006.01.15 21:17 | URL | #- [edit]

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