TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

ブルース ギター ウーマン

 1920年代、アメリカ南部の労働歌から“カントリー・ブルース”が生まれ、北部の都市などから洗練された“シティ・ブルース”が誕生し、戦後はエレキ・ギターによる“モダン・ブルース”や“シカゴ・ブルース”などのスタイルが確立され、枝葉的に数々の音楽スタイルを生んだブルース。
 その背景に苦難の道のりがあろうと、心を揺さぶり、エネルギーを奮い起こさせ、熱く、気持ちいい音楽がブルース。

 ブルースが自己の主張と開放を得るための音楽ならば、男尊女卑が確固たる時代に黒人男性以上に虐げられてきた黒人女性がブルースを歌うことは必然であり、ベッシー・スミスやビリー・ホリディに至る黒人女性歌手たちの功績は偉大だ。そのなかでも、ブルース・ギターを弾くメンフィス・ミニーは30年代から50年代にかけて男顔負けのブルースを表現してきた女性。その精神が60~70年代の女性解放運動以後の女性たちに受け継がれ、数々の女性ブルース・ギタリストが誕生している。



 このコンピレーション・アルバムは、人気女性ブルース・ギタリストのスー・フォーリーが選曲した女性ブルース・ギタリスト集で、Disc1に“エレクトリック・ブルース”Disc2は“アコースティック・ブルース”と分けられており、年代・国籍を超えベテランと若手と様々なギター・ウーマンの、それこそ男まさりのブルース&ロック・スピリッツを聴くことができる。

BLUES GUITAR WOMEN RUF RECORDS
直輸入国内盤仕様 BSMF RECORDS


  ◇    ◇    ◇


 監修のスー・フォーリーは1968年カナダ出身。16才でプロとなり、テキサス州オースティンで腕を磨いたバリバリのロッキン・レディ。テレキャスター片手の女スティーヴ・レイ・ヴォーンは、これまでに10枚ものアルバムを出している。テキサス仕込みの堂々たるギター・テクニックを持っている彼女の収録曲は、アルバム『LOVE COMIN' DOWN』よりスパニッシュ調のジャジーなインストゥルメンタル。

 どうしても女性ギタリストとなるとテキサス・ブルースが多い。収録のアーティストもテキサス出身が6人いるのだが、それぞれ持ち味が違うのは云うまでもない。

 アルバート・コリンズのバンドで腕を磨いたデビー・デイヴィスは1952年LA出身。テキサス流の彼女は『Tales From The Austin Motel』でスティーヴ・レイ・ヴォーンのダブル・トラブルのメンバーと共にアルバムを出したり、ジョン・メイオールのトリビュート・アルバム『Key To Love』では、ミック・テイラーやピーター・グリーンと共演もしている。

 70年代からポップスやカントリー畑でも活躍している歌姫マリア・マルダー姐さんと、白人女性スライド・ギタリストの姐御ボニー・レイットとのデュオは渋いっ。

 フレディ・キングの『Goin' Down』をライヴで聴かせてくれるトレイシー・コノヴァー。ロック系のワイルドなギターと絞り出すような歌声が持ち味のジョアンナ・コナー。力強い歌声と驚異的なギター・テクニックを持つキャロリン・ワンダーランド。大ベテランのレディ・ソウル・シンガーでもあり、サウスポーのギタリストでもあるバーバラ・リンのギターも素晴らしい。

 若手では、フィンランド出身のErja Lyytinenというギタリストがなかなかいい。2006年にアメリカでCDデビューをするようだ。
 以前紹介したユーゴスラビア出身のアナ・ポポヴィックも叙情たっぷりの『Navajo Moon』が収録されている。

 モダン・ブルースばかりの紹介になったが、Disc2のトラディショナルもローリー・ブロック、エレン・マクリワイン、英国のジョ・アン・ケリー、メンフィス・ミリー………と聴き応え十分のアーティスト揃い。
 日本ではなかなか馴染みのないブルース・ウーマンを一挙に知るには最適な2CDだ。

   ☆    ☆    ☆

 ほかに、このアルバムに収録されていないブルース・ウーマンでお気に入りを紹介すると……。



スーザン・テデスキ
 ボストン出身のシンガー&ギタリストで、オールマン・ブラザーズ・バンドの若き天才ギタリスト、デレク・トラックスの姐さん女房でもあり、オールマンズのツアーでも頻繁に共演をしている。ライヴではスライ・ストーンなどをレパートリーに、ジャニス・ジョプリンやアレサ・フランクリンのようなゴスペル・タッチのソウルフルなヴォーカルを聴かせてくれる実力派。最新アルバム『Hope and Desire』ではヴォーカリストに徹していて、ローリング・ストーンズの『You Got the Silver』をはじめアレサやレイ・チャールズのカバーなど聴き応え十分。


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ベッキー・バークスデイル
 マイケル・ジャクソンのツアーでリードギタリストの経歴もあるテキサス生まれのベッキーは、同郷のジャニス・ジョプリンばりのシャウト系ヴォーカルとスティーヴ・レイ・ヴォーン・スタイルのギターが魅力。



ケリー・リッチー
 低くハスキーな声で、ジミ・ヘンドリックス風にギターをバリバリ弾くブルース・ウーマン。真骨頂はライヴ。



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Comment

路傍の石 says... "今年はありがとうございました"
ブルースギターウーマンとはコアな括りですね。拙にとって、ブルースと女性を結びつけるものがベッシー・スミスとビリー・ホリデイで完結してしまって、その後のシンガー、ボニー・レイットですらきちんと認識できていません。そもそも女性でギターを抱えた姿でイメージするのは、ジョーン・バエズか森山良子になってしまうという。すみません(笑)。これから勉強します。
本年はお世話になりました。来年もよろしくお願いいたします。

■帝都熱烈音盤解放戦線
http://blog.livedoor.jp/mickbanzai/
2005.12.31 13:24 | URL | #3UG7ZRW. [edit]

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