TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

「汽笛が泣いている」加納エリ子


加納エリ子◆ 汽笛が泣いている/太陽が沈むまで 1972年

 1970年代に東映のプログラム・ピクチャーで活躍した女優の橘真紀。
 彼女が女優になる前に、加納エリ子名義で歌手として1972年5月にリリースしたのがこのデビュー曲「汽笛が泣いている」。千家和也の作詞、都倉俊一作編曲によるビート感あふれるグルーヴ歌謡の逸品だ。

 都倉俊一といえば、山本リンダのアクション・グラマー路線で一時代を築くことになるのだが、「どうにもとまらない」のリリースと同時期のこの曲は、リズムとメロディ構成などに同様なものがあり、やはり同じ年にリリースされた千家和也とのコンビによる恵美「犯ちは一度だけ」とイメージが似ている。
 加納エリ子の美脚に1億円を掛けたプロモーションが行われたが、同年代の山本リンダや夏木マリ、安西マリアなどのようにパフォーマンスや攻撃的な歌唱が伴えば、もう少し世に知られていたかもしれない。

 B面「太陽が沈むまで」も千家和也作詞、都倉俊一作編曲で、こちらは完全なるアイドルポップス。路線が定まっていなかったことは明白で、歌が上手いだけに惜しいところ。加納エリ子としてのシングルリリースは、2枚で終わっている.


 1973年、加納エリ子(本名折笠春江)は橘真紀と改名し東映の女優に転身。
 映画初出演の『ジーンズブルース 明日なき無頼派』(’74)では、梶芽衣子と渡瀬恒彦を執拗に追いかける4人組として、室田日出男、川谷拓三、内田良平らに囲まれ存在感を示していた。内田相手にヌードも辞さぬビッチぶりと、ラストに梶芽衣子のライフルに倒れる見事な死にざままで、その存在は鮮烈だった。
 その後、東映大部屋俳優たちが集まったピラニア軍団唯一の女性メンバーとして(女ピラニアとか御巫女と呼ばれる)、深作欣二、中島貞夫らの作品に多数出演している。

 深作欣二監督『仁義なき戦い 完結編』(’74)では金子信雄の情婦、『新仁義なき戦い』(’74)では若山三郎の情婦と、女ピラニアの名をほしいまでに脇役の重要ポストを担っていたが、『県警対組織暴力』(’75)では成瀬正孝を匿うホステス役で、アパートを襲撃されテレビから「こんにちは赤ちゃん」が流れる部屋のなかをもんどりうって逃げ惑うシーンは印象深い。

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