TEA FOR ONE

まぁお茶でも飲みながら気ままに、好きなことを、すこ~しネタバレしながら、のんびりと………。

「SAYURI」



Memoirs of a Geisha
原作:アーサー・ゴールデン
監督:ロブ・マーシャル
脚本:ロビン・スウィコード、ダグ・ライト
音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演:チャン・ツィイー、ミシェル・ヨー、コン・リー、桃井かおり
   工藤夕貴、渡辺謙、役所広司、大後寿々花

☆☆★  2005年/アメリカ/146分

    ◇

 CHICAGOで華麗な映像を見せてくれたロブ・マーシャル監督は、ここでも見事なビジュアル展開で日本の様式美を幻想的に魅せてくれる。なかでも、美の競艶に相応しい女優陣の絢爛たる姿には目を奪われる。

 お目当ては桃井かおり嬢とミシェル・ヨーだった。いやぁ、おふたりとも凄い。桃井かおりの最初の登場シーンでの声の出し方からして違うし、置屋の女将の狡猾さが堂に入っている。そして、アクションが主流だったミシェル・ヨーの貫禄ぶりも群を抜いている。若い頃の倍賞美津子にそっくりなところがあり、三味線を弾く姿も立ち姿も、凛とした静の演技には惚れてしまいます。このふたりのツーショットシーンは見もの。 

 サユリ役のチャン・ツィイーは無垢な美しさ。可愛いです。
 それに対して、サユリを敵視する初桃役のコン・リーのなんと妖艶なこと。常に黒と赤を基調にした着物姿は、逢い引きシーンでの艶やかな赤で情念を滲ませ、黒と白の絣の着物姿で悲哀を滲ませる。すべての念を解き放したかのような仕草に背筋がゾクリとする。

 サユリの置屋仲間“おカボ”を演じる工藤夕貴にも見せ場があるし、少女時代のサユリを演じる大後寿々花は逸材。テレビドラマ『Dr.コトー』に出演をしていたらしいが、どの回のどの役だったのだろう。

 男優にはあまり目がいかなかったが(笑)、これが日本映画であれば、渡辺謙と役所広司のイメージは逆のような気がする。

 日本を舞台に日本人を描いてはいるが、これは純然たるハリウッド映画。それは、アメリカ人の原作を中国人の女優で日本を舞台にして日本人が英語を話すという次元の話ではなく、スクリーンいっぱいに繰り広げられるスペクタクル性とダイナミズムであり、そのため日本の地特有の湿っぽさを感じさせない。日本が舞台なのに日本ではないのは、その空気感の違いだろう。
 ただ、ロブ・マーシャル監督が魅せる映像美とスピーディーなカメラワークで、見る者をワクワクさせることは確かだ。

 踊りのシーンの奇抜さなどは舞台演出家でもある監督らしいと思えるのだが、一瞬『フラッシュダンス』を思わせる踊りには顔をしかめる人もいるだろうな。
 また、初桃姐さんは登場からして売れっ子芸者には見えない。髪の結いかた、着物の柄から着付けまで、これこそ西洋人がイメージするGeisha Girlであり、このあたり芸者と遊女や花魁のイメージをゴチャまぜにしているのだから、この映画、日本の文化をキチンと伝えようとしているわけではない。

 西洋人が見たジャパネスク。その絢爛豪華なファンタジーを楽しむだけでいいのかもしれないが、西洋人が“水揚げ”とか“旦那”といった花街独特の世界を理解できるのかどうか…………

 と言うことで、これはやはり華麗な女優たちの競艶を楽しむだけにしよう。

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Comment

ひろっち says... ""
大後寿々花ちゃんはTBS系ドラマ「愛くるしい」に出ていたのはご存知ですか?
2005.12.13 22:56 | URL | #- [edit]
mickmac says... ">ひろっちさん"
久しぶりではないですか。
すっごくご無沙汰してますよ(笑)。
はい、寿々花ちゃんが『愛くるしい』に出ていたのはしっていました。しかし、そのドラマ、見ていなかったのですよね~。
2005.12.13 23:54 | URL | #kuX..F9k [edit]

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